久しぶりに美術館へ
ベア:ちょっとどこにいってたっすか?!
ポニ:お留守番退屈…
ナウガくんたちとお出かけしてきたよ。
ずるいっす!お土産はないっすか?
もちろんあるよ。はいどうぞ。
この紙みたいなやつ面白いよ。
「空気の器」って言ってリバーシブルで
アミアミを引っ張ると器になるんだ。
それからこっちのブローチは裏まで
蝶々の柄が入って思わずニヤリ。
結局どこ行ってたの?
「つづく」?そしてお土産の柄うちのでも見たことある…
そう、ミナペルホネンの「つづく」展を見に
兵庫県立美術館に行ってきたよ。
MS家の家具のミナたち
ミナペルホネンは日本人のデザイナー
皆川明さんが立ち上げたブランド。
■公式サイト
一見北欧のようなテイストで
実際北欧家具とも相性がいい。
エッグチェア やスワンチェアでおなじみの
フリッツハンセンともコラボしてる。
元々は洋服のテキスタイルだけど
今では家具や雑貨の布地にも使われる。
MS家では家具の張り地として愛用中
デンマークの巨匠ウェグナー の
ヴィンテージのデイベッドの張り地
■このデイベッドにまつわるお話
オットマンとして使っている
デンマークのヴィンテージの三角スツール
ミナのタンバリンという柄で
dopという布地
この布地は経年変化を楽しめる布地
二重構造になっていて使ううちに表面の
糸がすり減って中の生地が出てくるそうだ。
■詳しくはこちら
こんな風になるらしい。
(ミナペルホネンつづく展展示)
遊び心があり経年変化を楽しめる生地。
ミナに関しては前から知りたいなと
思っていることがあった。
どうやってこの生地を作っているんだろう?
結構いい値段するけどなぜ長く愛されるの?
なぜ人を惹きつけるんだろう?
実際ミナペルホネンは今年で25年を迎え
長きに渡って愛されるブランドだ。
だから疑問に思っている答えを探すべく
兵庫県立美術館を訪れることにした。
来館にあたっては入場制限があり
事前予約が必要となる。
■兵庫県立美術館サイト
予約をして当日美術館へと足を運んだ。
※なお美術館内の写真は撮影OKの箇所のみ
アップしています
洋服の森で知る、途方もない労力
会場に入るとまず生地の使用例
(ここは撮影禁止)
そしてその先には…
洋服の森!
360度全方位天井までぎっしりと
ミナの生地が使われた洋服!
圧巻!
色とりどりで一つ一つしっかり個性のある
テキスタイルの洋服たちが賑やかに並ぶネ!
前後には原画やそれを元に実際にテキスタイルが
どうやって製品になるかパネルが並部。
ここで驚くのがその緻密さ。
例えばMS家にもあるタンバリン柄。
(Casa BRUTUS特別編集 ミナ ペルホネンと皆川 明より)
よく見ると不揃いなドットが
一定間隔で並んでいる。
不揃いだからこそほっこりした感じや
温かみがあるがこれには秘密がある。
実は手書きの下書きをそのまま
全く同じ配置で図面にしてるそうだゾォ!
「粒の大きさやスペースが少しでも違えば
このパターンは完成しなかった」と。
それだけ細かく設定された図面は何日もかけて
手作業でデータ化される。
単に同じ模様を繰り返すだけでなく
皆川さんが表現したいことを表現できるように
読み解きながら作業していくとか。
ミナの生地は決して安くはないけど
そんな気の遠くなるような作業なら当然だろう。
そして労力のかかる丁寧な作業があるからこそ
柄の一つ一つに温かみや愛嬌があるのだと思った。
この針一つ一つにデザイナーから工場の人たちの
たくさんの思いを感じた。
シンプルさに漂う遊び心
下書きやテキスタイルのゾーンを進むと
奥には建築や製品の紹介ゾーンがある。
皆川さんの活躍は凄まじく
洋服や家具にとどまらない。
ホテルやカフェなど建築にも関わり
今回の展示では将来夢見ている
シェルハウスが展示されている。
フィボナッチ数列から着想を得たという
貝殻のような建物がユニークで面白い。
中はすごくシンプル。
でもよくみると設置の仕方が曲線だったり
ベッドが螺旋階段を上がったロフトだったり
秘密基地で過ごしているようで
遊び心がある。
デザインの仕方も遊び心がある。
例えばこのTABAという枝を束ねたような
ゴツゴツしたパターン。
これはガムテープを細くちぎって束ねたものだそう。
作るのめっちゃ楽しそう。
お土産で買ったブローチにも遊び心が。
名前がthank you very badge(サンキューベリーバッジ)だって!w
こんなの見るとクスってなってしまう。
彼のテキスタイルのデザインは
シンプルな中に楽しさが漂う。
それはこういう遊び心を大事にしてるから
なんだろうなあ。
丁寧な積み重ねが作った25年
100年続くブランドを目指すミナペルホネンは
25年を迎えた。
今の時代に25年も続くブランドってすごいことだ。
洋服から家具、雑貨までたくさんの人に愛され
世界のメーカーとコラボしファンが大勢いる。
つづく展を見た後はそれもそうだと納得した。
皆川さん自身がすごい才能を持ってるのはもちろん
製品になるまで関わる人の緻密で丁寧な仕事ぶり。
手書きのランダムさを再現するのに多くの人が関わり
高い技術で「緻密なランダム」を再現する。
それってデザインだけ良くてもダメだし
技術だけ高くてもダメだ。
それぞれの工程をプロが丁寧に確実に行い
その積み重ねがあるから表現できることだ。
だからこそパッと見ただけで心をぐっと掴み
惹かれてしまうものがあるのだろう。
今は自分ちのドットを見ると一針一針に
魂がこもっているような気さえしてくる。
そんな丁寧さの積み重ねが25年を作り
これから100年を盛り上げていくんだろうな。
これからのミナが一体どんなことをするのか楽しみ。
そしてMS家のミナたちの変化も待ちきれない。
あとミナのお宿もいつか泊まりたいなあ
なんて思いながら会場を後にした。