本日このようなまだガランとした場所に
デンマークからお越しいただいた方が2名…
ハンス・J・ウェグナーのデイベッド
ゲタマ社GE258閣下にあらせられます.
後ろのお方も皆様気になるかと存じますが
そちらはまた次回…
今回はこのデイベッドと
デザインしたウェグナーのお話。
直線が美しくシンプルなのに、
他のソファにはなかなか見られない形。
閣下の足はビーチ材。
※ビーチ材とは?
MS家のヴィンテージ三角スツールと同じ木材。
ベア「経年変化の具合が異なるので色は違うね。」
でも木目の感じは似てるよね。
デイベッドに合わせてスツールを選んだんだよ。
ゲタマ社は今もデイベッドを作っているので
現行品もあるけれど
閣下はヴィンテージ。
推定年齢50代後半のダンディなオジ様。
クッション材は取り替え
張り地はミナペルホネンに張り替え。
どんなに外枠が状態のいいヴィンテージでも
ソファの場合「座ってくつろぐ」機能面を考えると
中のウレタンやクッションは取り替えた方がいい。
理由は以前の記事で書きました↓
座り心地は固すぎず、柔らかすぎず。
閣下はネットで購入したけど店で散々座って
座り心地を知っていたので大丈夫。
(某家具屋にて)
椅子やソファを購入する際は
ネットであっても実店舗で可能な限り
座り心地を確かめるのがオススメ!
↓椅子の選び方
閣下は横2m、奥行き80cm、高さ75cmの
大変大きなお方。
大きいですが、背は高くないので
空間を圧迫しません。
横はでかいけど…
大人は四人ほど座れ、
身長167cmのワクワクさん余裕!
というのも元々閣下はデンマークの学生寮向けにデザイン。
狭い学生部屋ではソファにもベッドにも早変わり。
お部屋に招いた女の子を「ちょっとこっち来なよ」と
誘うときも、わざわざベッドに誘…
ベア「子供も読んでいるかも
だからそんなこと書かない!」
えー、ここをガコンと外すと
ブランケットなどを収納可。
背もたれの上は幅があるから飲み物も置ける!
まさに見た目も機能も変え備えたお人、
じゃなくデイベッド!
それがゲタマ閣下なのであります!
そんな閣下をデザインしたのはこの人
ハンス・J・ウェグナー超巨匠。
おなじみYチェア
椅子の中の椅子ザ・チェア
(↓初期の貴重なヴィンテージ)
ママベアもいるよ、パパベアチェア
(↓初期型ヴィンテージはすごい値段…)
こういった椅子で有名。
北欧好きな人、椅子好きな人の
お家ではよく見かけます。
でも彼がデザインしたのはその数
500種類以上!!!
MS家では超師匠を敬意を込めてこう呼ぶ…
マスター。
マスターの椅子やデイベッドは
未だに現行品が作られ続け、
世界中で使われている。
ヴィンテージに至っては
どんどん値が上がっているのだ!
(サイドボードはでかい!)
なぜ長きに渡り愛されているのか?
①全方位美しくあれ
A chair is to have no backside.
It should be beautiful from all sides and angles.
あのなー、椅子には背面がないんだよ。
全ての方面や角度から見て美しくあるべきだね。
17歳でデンマークのマイスター
資格をゲットしたマスター。
若くから職人になったものの
初めの本国での評判はイマイチ…
でも、1950年代にアメリカの雑誌
『インテリアーズ』でいきなりの表紙デビュー!
ここから一気にマスターのターン!
マスターの椅子に注文殺到!
さらに1961年ケネディVS ニクソンの
テレビ討論会でザ・チェアが使われる!
そしてマスターは
世界の家具マスターになった。
どの角度から見ても美しい椅子だからこそ
国境を超えて愛されるようになった!
②古きに学べ
マスターの椅子には古典的な要素が見られる。
例えば、チャイニーズチェア。
中国の明時代の椅子のリ・デザイン。
その流れを汲んだのがザ・チェア。
それからピーコックチェア。
こちらは英アンティーク好きにおなじみ
ウィンザーチェアの影響。
※ウィンザーチェアについて
マスターの「リ・デザイン」の考えは
大大巨匠コーア・クリントの影響。
このブログでは家具距離の話で登場。
人間工学の考え方を家具に持ち込んだ第一人者。
クリント大大巨匠はこう考えていた
古代は我々よりも
もっとモダンである。
古いものの価値を認めて、
その問題点を解決しさらにいいものを作っていく。
それ受け継いだのが弟子のボーエ・モーエンセン。
ボーエの親友がマスター。
古きから学び新しいマスターピースを作ったから
時代を超えて愛されるのかもしれない。
③機械もいいじゃん
「手に職を持つ職人であっても、
できるだけ機械加工を導入しなければならない」
(『一脚の椅子・その背景』より引用)
マスターは職人からデザイナーへなったけど
手作業押しではない。
機械を使えばコストダウンが可能になり
みんなが家具を買えるようになる。
(と言っても、現代のローコスト家具よりは高い)
Yチェアはある程度機械を使い
座面は職人仕上げ。
職人のつくるものはあったかいけれど
それだけでは買える値段にはならない。
人が使ってこそ家具。
④人との繋がりを大事に
職人もデザイナーも経験したマスターは
お互いのの共同作業を大事にしていた。
毎回工場に顔を出し
展示会では毎日顔を出す。
知恵を出し合えばお互いにない視点が生まれ
問題解決の新しい道が見える。
まるで家づくり中のMS家と工務店の関係のようだ。
マスターはデンマークでよく使われる
木材チークにとらわれず
アッシュ材、ビーチ材と
あらゆる素材に挑んでいった。
そして最終的には
500種類以上のデザインを。
お互いに信頼と尊敬を持って
共にものづくりをしていったからこそ
質の高いものが多く生まれっていった。
古気に学び人の繋がりを大事にしながら
たくさんの椅子や家具を生み出したマスター。
このディベッドに寝っ転がる時
そんなマスターの美学を思い出すでしょう。
ソファで寝るのが大好きなワクワクさん
もうリビングに
住み着いてしまう
かもしれません…
助けて、マスター…
☆追記①マスターの別のチェアもきた
☆追記②現在のお部屋はこう