ワクワクさん(夫氏)と嫁氏は
先週また一つ年を取りました。
待望の肉を食べ
ハンドメイドを楽しむ。
ポニ「何作ったの?!」
それはまた次回お話しよう。
ベア「プレゼントは?!」
嫁氏はワクワクさんに
ブランケットあげたでしょ?
嫁氏の好きなものはなーんだ?
ベアポニ「椅子!」
うん。
だから今日からMS家の椅子は
22脚になります。
さあ笑顔でお迎えしよう。
イームズのエレファント。
ああ!!ついに来た!
ぞうさーん!
家具の歴史にその名を残した
チャールズ&レイ・イームズ夫妻。
彼らの生み出したデザインは
現代の家具に大きな影響を与えた。
the best for the most for the least.
最小の材料で最大の顧客に最高を。
(当時の広告より)
彼らがやってきたのは
いいデザインを買える値段で
多くの人に使ってもらうこと。
それまでちゃんとした椅子といえば手作りで高く
本当の金持ちしか買えないようなもの。
「椅子の概念を変えたかったんだ」
(by チャールズ・イームズ)
彼らは椅子を使うときの姿勢や角度
あらゆるデータを取り心地よく
高品質で大量生産できる椅子を作った。
ただ椅子だけを作ったのではない。
Everything is connected.
全ての事柄は繋がっている。
(by チャールズイームズ)
そう考える彼らはデザイン活動の中で
おもちゃも作ったし映画も監督した。
まさにレジェンド。
嫁氏が椅子を好きになるきっかけとなった
大好きなデザイナーだ。
だからMS家には
彼らのデザインがたくさんある。
イームズチェアが全部で10脚。
ほとんどがヴィンテージ。
ボードゲームもあり
去年の誕生日には収納家具
ハングイットオールを手に入れた。
過去にはミニチュアも作った。
彼らのデザインはシンプルで機能的で
それでいてどこかユーモラス。
二人は常に遊び心を忘れなかったからだ。
二人は新時代に向けて常に
新しいことにチャレンジしていた。
素材もその一つ。
今はよく使われるFRP(繊維強化プラスチック)
も当時家具に使うのは珍しいことだった。
ワイヤーを使った椅子も当時は珍しい。
そして成型合板もまた新しいチャレンジだ。
それまでも成型合板の技術はあったけど
家具に使うというのは珍しかった。
きっかけは戦争中合板で
添え木を作り軍に納品したこと。
お!
これ家具にもいけるんじゃね?
そう思って色々実験し始める。
椅子にもやってみる。
子供用の椅子も作ってみる。
そんな数々の実験の中で生まれたのが
エレファントという椅子。
元々はバーチ材で作られており
動物シリーズとして蛙や馬もいた。
でも当時は商品化できなかった。
成形合板では大量生産困難だから。
そこで娘さんにプレゼントされ
しばらくは自宅に保管されていた。
その後歳月が流れVitra(ヴィトラ)という
スイスの家具メーカーが復刻販売する。
小さいサイズもある。
このメーカーは色々な名作家具を
ライセンスを得て復刻販売している。
Vitra ヴィトラ Wall Clocks ウォール クロック
MS家にあるパントンチェア もVitra。
復刻の際素材はポリプロピレンが選ばれた。
軽量でコストを抑えられ
多くの人が手に入れることができる。
ポニ「買える値段?!
もっと安いリプロダクトあるっすよ?!」
確かにそうだね。
買うかどうかはその人が
何に重きを置いてるかによると思う。
でもね安ければいい
というもんでもないと思うよ。
リプロダクトに関しての考えは以前も書いた。
賛成とか反対とかはなく
何を優先するかは
個人の自由だと思う。
だけど嫁氏は作り手に敬意を払いたい。
ライセンスを取得し製造されたものは
耐久性や安全面で考えられている。
実際復刻されたエレファントは
耐荷重70kgまであり
耐水性にも優れている。
屋外でも使うことが可能。
さらに正規品はデザイナーや
財団にちゃんとお金が入る。
だから新品を買うなら出来るだけ
正規品を手に入れたいんだ。
MS家は家具は一生を共にするもの
って思っているからね。
ちなみにゾウさんの正規品は
頭の部分にイームズマークが付いている。
ベア「これ子供用でしょ?
どうやって使うんすか?」
元々は子供向けだけど
大人も使うことができるよ。
まずは椅子だから普通に座る。
70kgまでOKだから
50kgのワクワクさんも余裕。
オットマンにする。
着せ替えして遊ぶ。
飾って遊ぶ。
あとBBQの時にスツールにするのも
いいかもね。
子供だけでなく大人も
いろんな楽しみ方ができるんだ。
ポニ「可愛いけど座り心地はよくないでしょ?!」
そりゃそうだ。
だって座り心地を
追求する椅子ではないもの。
ベア「じゃあなんで欲しかったんすか?!」
見ていたら活力がもらえるから。
そもそもイームズさんたちって
子供向けにいろんな製品を作ってるんだ。
なぜか?
それはいいデザインを体験しながら
学んでもらいたかったから。
ゾウさんは見た目すごくシンプルだけど
絶妙なバランスで成り立っている。
素材はたった2枚のプラ板。
それを直線と曲線を作って成形し
愛嬌と同時に耐久性も生み出す。
子供が引きずったり落としたり
いろんな遊び方をしても大丈夫なように。
嫁氏が2枚の板渡されても
ロクなもんつくれない。
そう考えるとデザインって
シンプルなものほど難しいし
いろんな事を考えなきゃいけない。
でも一度いいデザインができれば
それはずっと愛されるものになりうる。
実際このゾウさんだって
2007年に待望の復刻だった。
さらには現代の技術を使って
成形合板のゾウさんも市販化された。
成型合板の方はさすがに値段がそれなりで
それだけ作るのに手間がかかるのが伺える。
でもイームズさんがなし得なかったことが
後世の人により何年もの歳月を経て実現された。
ただやはりオリジナルのアイデアが
あってこそできたものだと思う。
2枚の板からアイデアの積み重ねで
こんな凄いものができるゾウ
そんな風にイームズさんたちの発想力や
チャレンジ精神を感じられる。
そしてそれを自分の家で眺めて
使えるって凄い事だ。
だからずーっと欲しかったんだ。
新しいことにチャレンジし続け
長く愛されるものを生み出したイームズさん。
嫁氏も幾つになっても
何かに挑戦し続けよう。
ゾウさんをもらった誕生日に
そんな事を考えました。
ポニ「いつかリアルサイズのポニーチェアで
こんな風に乗ってふもふしたい!」
あれはデカイからMS家には入んない!