北欧ミッドセンチュリーの家づくり

家具コンシェルジュ嫁氏の暮らしインテリア話

MENU

オタクが語る今更インテリア話「ミッドセンチュリーとは?北欧にも影響した家具革命」

今のモダンは昔にある

4/10は「インテリアを考える日」らしい。

 

ベア「へえ!そういや日本では

家具ってどこで買うんだろ?」

f:id:mashley_slt:20190408221326j:plain


 ある調査によると家具ブランドの認知度は

上位が無印、東急ハンズ、ニトリ、イケア。

 

ここで出てくる家具をみると

こういうのとか

f:id:mashley_slt:20190408221014j:plain

(イケア)

 

こういうのとか

 

ダイニングテーブル(ナッツ) ニトリ 

 

装飾が少ないものが多い。

 

それって実は20世紀に完成した

デザインの考え方の流れを汲んでいる。

 

それはミッドセンチュリー。

f:id:mashley_slt:20190409044010j:plain


 

ポニ「今回も新元号令和をきっかけに

改めてインテリアを考えるコーナー第二弾」 

f:id:mashley_slt:20190408221247j:plain

↓第一弾 

 

 

 

ミッドセンチュリーって?
ちゃんというと
アメリカミッドセンチュリーモダン。
 
1940年代〜50年代のアメリカで
作られた家具を使ったインテリア。
 
有名なのはイームズチェア

f:id:mashley_slt:20190408221430j:plain

 
ボールクロック。

f:id:mashley_slt:20190408221615j:plain

 
チューリップチェア。

f:id:mashley_slt:20190408221638j:plain

などなど。
 
合板やプラスチック、金属などを使い
曲線的でカラフル
 
 
 
View this post on Instagram

BIRBAさん(@birbafurniture)がシェアした投稿 -

 
こういう家具を使うと
個性的な空間ができあがる。
 
 
 
View this post on Instagram

Make it Mid-Centuryさん(@makeitmidcentury)がシェアした投稿 -

 
日本でミッドセンチュリーというと
プラスチックや合板家具を置くイメージ。

f:id:mashley_slt:20190408221850j:plain

 
でも実は北欧家具と
非常に相性がいい

f:id:mashley_slt:20190408221736j:plain


だからMS家のリビングダイニングは
北欧×ミッドセンチュリーのミックス。

 

ミッドセンチュリーはどんなインテリアで

今の暮らしとどう関係があるのか?

 

ミッドセンチュリーができるまで

 ミッドセンチュリーを理解するポイントは

「モダン」「戦争」「大量生産」

 

①昔々はゴテゴテ家具

昔産業革命で粗悪品ができて

それをやめようって運動があったと

前にも書いた。 

 

 産業革命前の昔の家具って

 階級や国にもよるけど装飾が多い。

pin

 

 

粗悪品辞めよう運動はドイツへ渡って

全く違うデザインが始まる。

 

②モダンの流れを産むバウハウス

 第一次世界大戦の後ドイツに

バウハウスという学校が誕生。 

f:id:mashley_slt:20190408222628j:plain

 

歴代校長の巨匠ミースさんの言葉

Less is more(より少ないことは豊かだ)

はまさにバウハウスそのもの。


合理的で機能を重視

無駄を削ぎ落としたモダンデザイン

f:id:mashley_slt:20190409044148j:plain

(101脚の椅子展の時)

 

みんなが使いやすいデザインを

という流れが生まれてきた。

f:id:mashley_slt:20190408222527j:plain

(101脚の椅子展にて)

 

そんな中バウハウスは

ヒトラーに弾圧されてしまう…

 

建築家やデザイナーたちが

亡命した先は…

 

U.S.A!!

 

 

③バウハウスがアメリカへ

亡命した人たちは建築やデザインの

学校で先生になる。

 

その人たちの教え子が

ミッドセンチュリーに活躍する。

pin

 

イームズさんたちとか

f:id:mashley_slt:20190408222834j:plain


ベルトイアのおっさんとか 


ミッドセンチュリー期には

巨匠と呼ばれる人が多い。

 

それは今の家具のデザインの

流れを作ったからだ。

 

 ④戦争による技術革新

嫁氏は戦争は肯定したくない。

 

ただ戦争によって技術が向上する

事実が歴史上どの国にもある。

 

戦時中イームズさんは依頼を受けて

合板の添え木を作った。

pin

 

無垢が足りないので成型合板を使用。

なんと自分でプレス機まで作った。

f:id:mashley_slt:20190408223103j:plain

 

その技術を応用したのがこの椅子。

 
イームズ DCM ウォールナット[DCM. 47 OU]

 

 DCMは合板だけど座り心地がいい。

 

体に合わせて合板を

立体的に曲げているから。

f:id:mashley_slt:20190408223822j:plain

 

今は当たり前となった合板の加工。

 

でも当時は一枚の合板を割れずに

色んな方向に曲げるのは困難。

 

イームズさんは本当は背面と座面を

一体化したかったのだ。

f:id:mashley_slt:20190408223803j:plain

 

だから今度は新しいプラスチックの素材

FRPを使って家具を作ることにした。

pin

 

そしてできたのがイームズチェア

(正式名はシェルチェア)

 

 

背面と座面を一体化してコスト削減。

 

人間工学に基づいた設計なので

体にぴったり寄り添い座り心地もいい。

f:id:mashley_slt:20190408224041j:plain

 

FRPは繊維強化プラスチックのこと。

現代ではベランダやお風呂等に使われる。

f:id:mashley_slt:20190409054552j:plain

 

軍事関係に使われていたので

椅子にFRPなんて当時は画期的だった。

f:id:mashley_slt:20190409054642j:plain

 

戦争が終わり兵士が一気に帰還

 

家庭を持ち家を持ち

たくさんの人が家具を求める。

 

お!なんだかモダンで手頃な家具!

f:id:mashley_slt:20190409054815j:plain

 

大ヒット!

 

大量生産でたくさんの人に

安価でいい製品を生み出す流れができる。

f:id:mashley_slt:20190408224458j:plain

 

この「安値でいいもの」がポイント。

単にコスト削減ではない。
 

巨匠たちは家具は美術品でなく

暮らしの道具と考えていたからだ。

f:id:mashley_slt:20190409062856j:plain


 

バウハウスと違って曲線が多く

大量生産ゆえのラフさを感じる。

f:id:mashley_slt:20190409061342j:plain

 

ラフだけど家具としての

機能面もある。重ねられる椅子もあるし。

f:id:mashley_slt:20190408231529j:plain


 それがミッドセンチュリーだ。

 

④北欧×アメリカが交差する

アメリカが経済的にでかくなる頃

北欧でも家具黄金期

 

なんかイームズってやつが

新しい素材で革命を起こしている!

 

そんな話が北欧にも伝わる。

 

巨匠アルネヤコブセンが動いた。

f:id:mashley_slt:20190408231608j:plain


 

「イームズができなかった

合板で一体化の椅子作ってやろう!」

 

それがアントチェア。

f:id:mashley_slt:20190408231831j:plain

 

成型合板の背面&座面一体型の椅子。

 

成型合板はプレスする時亀裂ができる。

解決策で蟻みたいな形がたまたまできた

f:id:mashley_slt:20190408232027j:plain

 

そして逆にアメリカにも北欧の波が来る。

f:id:mashley_slt:20190409044629j:plain

 

Design in Scandinaviaという展示会で

北欧家具が紹介され話題に。

Design in Scandinavia exhibition

Scandinavian design - Wikipedia

 

またケネディの討論会

当時無名だったウェグナー

の椅子が使われ彼はそこから飛躍する。

pin

 

アメリカの影響で北欧家具が発展し

さらにアメリカでは北欧人気。

 

ミッドセンチュリーと北欧が交差し

同じ空間に置かれ始めた。

pin

 

そしてそれぞれ流行り廃りはあった

両者とも時代を超えた名作が多い。

f:id:mashley_slt:20190408232210j:plain


 

家具は暮らしをよくする道具

街や家で見かける家具は今や

モダンなデザインが多い。

f:id:mashley_slt:20190409044733j:plain


 

もしバウハウスやミッドセンチュリー

の巨匠たちがいなかったら?

 

今頃こんな椅子に座って

このブログを読んでいたかも。

pin

 

使いやすく装飾しすぎないものを買える値段で

という20世紀の中盤にできたデザインの考え。

f:id:mashley_slt:20190409045353j:plain

 

あれから70年経ち大量生産で

より安いものが出回るようになった。

 

ただ残念ながら「コスト」だけ重視され

粗悪なものも出回っている。

f:id:mashley_slt:20190409040618j:plain

 

「座り心地」「使い心地」

が軽視される場面も感じる。

 

合わない安い椅子に座って腰を痛める。

 

壊れてすぐに買い替えを余儀無くされる。

 

それって家具の機能としてどうなの?

 

本来家具は暮らしをよくする道具。

f:id:mashley_slt:20190409040727j:plain


 

暮らしを支えるものであり

人の生活を向上させるもの。

 

見た目だけでなく機能あってこそ。

 

ミッドセンチュリーは

好き嫌いが別れるテイストだけど

そこにいい意味の日常を感じる。 

f:id:mashley_slt:20190409041005j:plain

 

プラスチックや合板など人工のものを使い

大量生産が基盤なのに暖かささえある。

f:id:mashley_slt:20190409041038j:plain


 

それは家具は暮らしをよくする道具

という発想が根底にあるからだ。

 

こういうインテリアかっこいいけど

嫁氏は緊張してしまう。

pin

 

だけどミッドセンチュリーなら

日常の空気感とマッチする。

 

 「いいものを生み出して

人の暮らしを豊かにしよう」

f:id:mashley_slt:20190409041147j:plain

 

そんな思いが溢れものづくりに熱い時代

ミッドセンチュリー。

 

新しい元号を迎える今

コストだけでなく家具の中身

さらに暮らし方にも目を向けませんか?

 

もしテイストがお好きなら 

ミッドセンチュリーデザインの家具で。

f:id:mashley_slt:20190409041224j:plain

 

ポニ「で、このインテリアのコツは?」 

f:id:mashley_slt:20190409045033j:plain

 

あ!忘れてた!

ミッドセンチュリーの

家具の選び方はこちらを参考に↓ 

 

 ベア「雑!」

f:id:mashley_slt:20190409045222j:plain


 

ごめん字数が多すぎて!

 

じゃあ海外ばかりだったから

来週は日本のモダンに迫ってみよう!

 

イームズさんに影響を受けた人もいるよ!

f:id:mashley_slt:20190409044445j:plain

 

☆続き:第三弾 和モダンはこちらから