4/10は「インテリアを考える日」らしい。
ベア「へえ!そういや日本では
家具ってどこで買うんだろ?」
ある調査によると家具ブランドの認知度は
上位が無印、東急ハンズ、ニトリ、イケア。
ここで出てくる家具をみると
こういうのとか
(イケア)
こういうのとか
装飾が少ないものが多い。
それって実は20世紀に完成した
デザインの考え方の流れを汲んでいる。
それはミッドセンチュリー。
ポニ「今回も新元号令和をきっかけに
改めてインテリアを考えるコーナー第二弾」
↓第一弾
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だからMS家のリビングダイニングは
ミッドセンチュリーはどんなインテリアで
今の暮らしとどう関係があるのか?
ミッドセンチュリーを理解するポイントは
「モダン」「戦争」「大量生産」
①昔々はゴテゴテ家具
昔産業革命で粗悪品ができて
それをやめようって運動があったと
前にも書いた。
産業革命前の昔の家具って
階級や国にもよるけど装飾が多い。
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粗悪品辞めよう運動はドイツへ渡って
全く違うデザインが始まる。
②モダンの流れを産むバウハウス
第一次世界大戦の後ドイツに
バウハウスという学校が誕生。
歴代校長の巨匠ミースさんの言葉
Less is more(より少ないことは豊かだ)
はまさにバウハウスそのもの。
合理的で機能を重視し
無駄を削ぎ落としたモダンデザイン。
みんなが使いやすいデザインを
という流れが生まれてきた。
そんな中バウハウスは
ヒトラーに弾圧されてしまう…
建築家やデザイナーたちが
亡命した先は…
U.S.A!!
③バウハウスがアメリカへ
亡命した人たちは建築やデザインの
学校で先生になる。
その人たちの教え子が
ミッドセンチュリーに活躍する。
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イームズさんたちとか
ベルトイアのおっさんとか
ミッドセンチュリー期には
巨匠と呼ばれる人が多い。
それは今の家具のデザインの
流れを作ったからだ。
④戦争による技術革新
嫁氏は戦争は肯定したくない。
ただ戦争によって技術が向上する
事実が歴史上どの国にもある。
戦時中イームズさんは依頼を受けて
合板の添え木を作った。
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無垢が足りないので成型合板を使用。
なんと自分でプレス機まで作った。
その技術を応用したのがこの椅子。
DCMは合板だけど座り心地がいい。
体に合わせて合板を
立体的に曲げているから。
今は当たり前となった合板の加工。
でも当時は一枚の合板を割れずに
色んな方向に曲げるのは困難。
イームズさんは本当は背面と座面を
一体化したかったのだ。
だから今度は新しいプラスチックの素材
FRPを使って家具を作ることにした。
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そしてできたのがイームズチェア
(正式名はシェルチェア)
背面と座面を一体化してコスト削減。
人間工学に基づいた設計なので
体にぴったり寄り添い座り心地もいい。
FRPは繊維強化プラスチックのこと。
現代ではベランダやお風呂等に使われる。
軍事関係に使われていたので
椅子にFRPなんて当時は画期的だった。
戦争が終わり兵士が一気に帰還。
家庭を持ち家を持ち
たくさんの人が家具を求める。
お!なんだかモダンで手頃な家具!
大ヒット!
大量生産でたくさんの人に
安価でいい製品を生み出す流れができる。
この「安値でいいもの」がポイント。
単にコスト削減ではない。
巨匠たちは家具は美術品でなく
暮らしの道具と考えていたからだ。
バウハウスと違って曲線が多く
大量生産ゆえのラフさを感じる。
ラフだけど家具としての
機能面もある。重ねられる椅子もあるし。
それがミッドセンチュリーだ。
④北欧×アメリカが交差する
アメリカが経済的にでかくなる頃
北欧でも家具黄金期。
なんかイームズってやつが
新しい素材で革命を起こしている!
そんな話が北欧にも伝わる。
巨匠アルネヤコブセンが動いた。
「イームズができなかった
合板で一体化の椅子作ってやろう!」
それがアントチェア。
成型合板の背面&座面一体型の椅子。
成型合板はプレスする時亀裂ができる。
解決策で蟻みたいな形がたまたまできた。
そして逆にアメリカにも北欧の波が来る。
Design in Scandinaviaという展示会で
北欧家具が紹介され話題に。
Scandinavian design - Wikipedia
またケネディの討論会で
当時無名だったウェグナー
の椅子が使われ彼はそこから飛躍する。
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アメリカの影響で北欧家具が発展し
さらにアメリカでは北欧人気。
ミッドセンチュリーと北欧が交差し
同じ空間に置かれ始めた。
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そしてそれぞれ流行り廃りはあったが
両者とも時代を超えた名作が多い。
街や家で見かける家具は今や
モダンなデザインが多い。
もしバウハウスやミッドセンチュリー
の巨匠たちがいなかったら?
今頃こんな椅子に座って
このブログを読んでいたかも。
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使いやすく装飾しすぎないものを買える値段で
という20世紀の中盤にできたデザインの考え。
あれから70年経ち大量生産で
より安いものが出回るようになった。
ただ残念ながら「コスト」だけ重視され
粗悪なものも出回っている。
「座り心地」「使い心地」
が軽視される場面も感じる。
合わない安い椅子に座って腰を痛める。
壊れてすぐに買い替えを余儀無くされる。
それって家具の機能としてどうなの?
本来家具は暮らしをよくする道具。
暮らしを支えるものであり
人の生活を向上させるもの。
見た目だけでなく機能あってこそ。
ミッドセンチュリーは
好き嫌いが別れるテイストだけど
そこにいい意味の日常を感じる。
プラスチックや合板など人工のものを使い
大量生産が基盤なのに暖かささえある。
それは家具は暮らしをよくする道具
という発想が根底にあるからだ。
こういうインテリアかっこいいけど
嫁氏は緊張してしまう。
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だけどミッドセンチュリーなら
日常の空気感とマッチする。
「いいものを生み出して
人の暮らしを豊かにしよう」
そんな思いが溢れものづくりに熱い時代
ミッドセンチュリー。
新しい元号を迎える今
コストだけでなく家具の中身
さらに暮らし方にも目を向けませんか?
もしテイストがお好きなら
ミッドセンチュリーデザインの家具で。
ポニ「で、このインテリアのコツは?」
あ!忘れてた!
ミッドセンチュリーの
家具の選び方はこちらを参考に↓
ベア「雑!」
ごめん字数が多すぎて!
じゃあ海外ばかりだったから
来週は日本のモダンに迫ってみよう!
イームズさんに影響を受けた人もいるよ!
☆続き:第三弾 和モダンはこちらから