ベア「最近あったかい日が続いてる」
ポニ「窓開けると気持ちいいね」
ベア「こういう両開きの窓をフレンチ窓
っていうんだよ(ドヤァ)」
この窓ってデザインは確かに
海外みたいだけど構造は
思いっきり日本的な窓なんだよ。
窓はね奥が深くてその国の文化や
気候を反映してるんだ。
嫁氏はヴェルサイユ宮殿で
窓の面白さに目覚めたよ。
何年も前フランスに行きました。
モンサンミッシェルで塩に惹かれ
サクレクールではやや怖い目に遭い
ルーブルでは美術品より床にゾッコンに。
旅では何に出会うかわからないのが
面白いところ。
ヴェルサイユでもそうでした。
嫁氏と一緒に宮殿をみて回りましょう。
もう入り口からして豪華!でかい。
前にサンバーストの話をしたけど
門にも「太陽王」の印が。
ルイくんのアピール半ばない。
中に入ると…
ひっろ!宮殿っていうか街?!
面積は約1000ha。
東京ドーム220個分らしい。
模様の違う建物が色々
並んでいるけどどれも
大体シンメトリー。
ヨーロッパの建築だなあ。
じゃあ中に入ってみよう。
どこもかしこも装飾
装飾
装飾!!
1つ1つがすごく細かいのに
それがいたるところにある。
元々沼で未開の地だった
ヴェルサイユ。
そこを50年近くかけて
今でいうと400億円以上
注ぎ込まれてできた宮殿。
外観が金ぴかっていうのもすごいし。
見る分には面白いけど
そりゃあ怒る人もいるよね。
お!そろそろあの有名なお部屋に
ついたようです。
戴冠式やヴェルサイユ条約の締結
など歴史的イベントが行われた。
凄まじい高揚感だったに違いない。
でもあるものはただひたすら
眺めてしまいました。
ここだけでなくパリの街でも。
それが窓。
天井が高いというのもあるけど
縦長で大きな窓。
日本では掃き出し窓は細長いけど
普通の窓は横長傾向。
こんな風に縦にひたすら長い窓
なんてなかなか普通の家で見ない。
いやここって宮殿だから
普通じゃないんだけど。
あと建物の外から見ても
日本の窓と違う。
日本の窓って平面で
どっちかというとのっぺり。
(MS家の窓)
飾りの格子も内側についてるから
影ができると見えない。
一方のヴェルサイユ窓は
奥まっていてそこに取り付け。
さらに窓の装飾もガッツリ。
だから立体的に見える。
でもヴェルサイユだけでなく
街を歩いても窓は細長い。
古い建物ほど特に。
横長の窓を見つけたけど
新しい建物だった。
(泊まったユースホステル)
そのあと現地で申し込んだ
ミニツアーでガイドさんに
面白い話を聞いた。
窓の作りは建物の作りや文化と
関係しているそうだ。
日本の建物は伝統的に
柱や梁で構成されている。
だから窓は柱や梁の重なりでできる。
つまりは「枠」を作る考え。
一方フランスなどヨーロッパは
石やレンガで建物を造ってきた。
だから窓を作るときは「枠」でなく
「穴」を開けるという考え方。
実際フランス語で窓を意味するfenétreは
ラテン語fenestra(穴)からきているそう。
穴を開けた部分の内側にあるから
奥まっている。
さらに穴を開けた部分に取り付けるから
強度の関係で縦長にならざるを得ない。
そして敵が攻めてくる恐れ
あるいは気候の違いから内開きの窓も
少なくないことは前に述べた。
内窓の場合内側に開くから
外にフラワースペースを造って
飾ることができる。
さらにガイドさんは面白い話を
してくれた。
「こちらの人は見られるのが好き。
だから寒い冬でもカフェでは外に
座ってお茶している場面を見る」
確かにカフェの前を通ると
外でお茶をしている人を見かけた。
どの席に座るかについては
人種差別議論があるがここでは
長くなるのでやめておこう。
とにかくガイドさん曰く
「見られるのが好き」
な傾向が文化としてあるそう。
街を歩きながら
フランスの窓を見て思った。
「割と中身丸見え!」
カーテンをつけていない
家が結構ある。
もちろん全部の家ではない。
つけているところもある。
だけど歩いていてうっかり窓を
覗き込むといろんなシーンが見えた。
どこまで見られるのが好きかは不明。
でも少なくとも
日本ほどには見られることに
抵抗はないのかもと思った。
装飾が多く花が似合い
中からも外からも美しいパリの窓。
街を歩きながらひたすら
窓を眺めるだけでも楽しかった。
ベア「じゃあ窓を同じようにすれば
パリのインテリア再現できる?!」
そうとも限らないよ。
上で言ったように
そもそも家の造りが違い
暮らしも違う。
だから日本で同じような
窓や建物にしてもうまく
機能しない可能性もある…
嫁氏はオタクだから一時期
このフランスのガチな窓
できないか模索したことがある。
でも内窓だと雨は入るし
細長いと採光上数も必要で
おまけに断熱性能も心配だし
費用がえらいことになるし結局やめた。
じゃあパリで窓に夢中になったのは
無駄だったかというとそうではない。
どうやったら中だけでなく
外から見て綺麗に見えるか
窓の性能日本はこのままでいいの?
そういった家の性能やデザインに
を考えるきっかけになった。
それに窓1つだけでその国の
歴史や文化が見えてくるのは面白い。
やっぱり家って
暮らしと深く関わっているなあ
そんなことをパリの空を見て
考えたことを思い出しました。
窓を開けたら確かに明るく
気持ちいい。
でもね
花粉も同時に入ってくる!
現実なんてそんなものだよ…
さ、閉めよう。