ベア「最近外寒いよなあ」
ポニ「まあ家でお茶でも飲もうや」
ベア「ふう!あったまったし
MS家の探検でもしようか」
ポニ「な、なんだこれ!!核融合!?
MS家が爆発か?!」
大丈夫だって!落ち着け!
これはねカルテル社の
「ストーン」スツールだよ。
Kartell(カルテル) EU正規品 ストーン STONE
ワクワクさんのシアタールームの
サイドテーブルとして連れてきたんだ。
↓ワクワクさんルーム
ベア「MS家にそんな余裕あるんすか?!」
ないよ、もちろん!
新品買えるわけないじゃないか!
これは中古なんだ。
よく見て。傷だらけでしょ。
でも傷なんか気にならないくらい
この子は魔法のように
美しくて魅力的なんだ。
ベア「魔法って呪文を唱えたら
肉とか出てくるんすか?!」
肉は出ないよ!
肉欲しいけど!
代わりに光の中に
この子を置いてみよう。
それ!
ポニ「すごおおお!!!!!光ってる!!!」
ベア「宝石みたいだ!!まさかダイヤ!?」
これはプラスチックなんだよ。
表面や内部を不規則にカットし
光が入ると多方向に反射するよう
デザインされているんだ。
プラスチックゆえ屋内外で使える。
光の当たらないところでは模様を楽しみ
光の中に入れてあげると
輝き出す子なんだ。
本来はスツールだけど
サイドテーブルにもなるし
植物を置くのにもいいね。
一見派手に見えるけど
形そのものはシンプルだから
いろんなテイストに合うよ。
色も種類が多いしね。
金属風もあるけど嫁氏はやっぱり
透明感ある方が好きだな。
この子は中古だから選択肢はなかったけど
飴色なレトロ感が気に入ったよ。
元はプラスチックなのに
こんな風に切り込みを入れると
まるでアンバー(琥珀)か
ブラウンダイヤみたいだ。
ポニ「こんなすごいもん
誰が作ったの?!」
あるイケメンのロマンチストな
おじ様だよ。
オランダのデザイナー
マルセル・ワンダースおじ様。
かっこええなあ。
家具に興味がない人でもお化粧する人は
この名前は聞いたことがあるかも。
彼は現在日本でコスメデコルテAQ AW
のアートディレクターだからだ。
ちなみにほぼすっぴん嫁氏は
知らなかった…
他にもいろんなものをデザインしている。
例えばKLM航空の機内食用の
食器やカトラリー。
カトラリーに細かい模様をあしらい
まるで御伽の国のナイフやフォークだ。
キッチン用品と言えばAlessi(アレッシィ)
↓アレッシィについて
おじ様はアレッシィでサーカスを
テーマにした面白いカップをデザイン。
またイタリアの有名照明メーカー
FLOSともタッグ。
この照明はいい裏切りを見せる。
一見シンプルなシェード。
でも中を覗くと…
シェードの中が花園!!
石膏で作られたインナーは
植物で賑わっている。
光を反射すると石膏の陰影が
美しく浮かび上がるんだ。
他にもスワロフスキやルイヴィトンとも
コラボしてデザインしている。
もちろん椅子さんもデザインしてるよ。
「ロード(=あるじ)」という椅子は
伝統的で高貴なイメージの見た目と座り心地。
おじ様のお写真を見ると
一見ちょっとナルシズムを感じる…
でもデザインされたものを見ると
そこにはファンタジーやロマンス
冒険といった遊び心や夢を感じる。
マルセルおじ様は1996年に
デザイナー業を始めた。
彼はこう掲げた。
「産業主義の冷たい感じを
いろんな時代の詩やファンタジー
ロマンスに置き換えていこう」
50年代イームズさんたちが活躍した
ミッドセンチュリー期は大量生産は
肯定的に捉えられていた。
それまで家具作りは手作業で
ものすごーく値段が高く買えなかったから。
戦争で帰ってきた人たちが家庭を作り
家ではシンプルで機能的な家具が活躍した。
でもその後大量生産は大量消費を生み
マイナスの側面を見せ始める。
冷たく機械的でどれも皆同じ。
そこでマルセルおじ様は考えた。
工業品であっても
みんなが楽しい、美しいと
思えるものを生み出そう。
そこで生み出していったのが
こういう椅子であり
こういう椅子だ。
プラスチックやひもといった
日常目にする大量生産品が材料。
それなのに冷たい感じはせず
詩的な美しさやワクワクする
楽しさを感じる。
じゃあなぜそんなものデザイン?
彼はこう言っている。
「デザイナーにはある種の才能があるんだ。
みんなの暮らしに楽しさや価値づけを
与えらえる才能が」
買い物
食事
料理
暮らしの中で当たり前に行う行動は
どこで行うかは選択ができる。
それが退屈な場所なのか
それとも刺激的な場所なのか。
どうせならそういう
暮らしの中の当たり前の行動を
魅力的なものにしたい。
だからこんな魔法みたいな
スツールが生まれた。
美しいものを美しいって素直に感じ
それを形にするおじ様の感覚あってこそ
できたスツールなんだと思う。
Marcel Wanders: Behind the Ceiling
そしてプラスチックの可能性を追求し続ける
kartell社だからこその一脚だ。
プラスチックでありながら
ハッと息を飲むようなストーンスツール。
ものが溢れ忙しい日々では
花を見て綺麗だと思う心や
ちょっとした遊び心など
忘れてしまうことがある。
でも何かを見て
「綺麗だな」「楽しいな」
そんな気持ちこそ日々の暮らしには
必要な気がする。
光に照らされ輝くこの椅子は
日常の中のそんな気持ちを
思い出させる魔法のスツールです。
ベア「よく考えたらこれ21脚目!!」
ああそうなるね。
ただこの子は基本的に
こうやってテーブルとして使うよ。
ここでのティータイムもいいなあ。
しばらくここに篭ろうか…