世界観といえば旅行で行った美術館も
デンマーク旅行記第14弾。
今回から3回に渡って
デザインを楽しむ美術館を紹介。
椅子が好きすぎて長くなるので
ゆっくりコアにお伝えします。
パラダ椅子にいざ!
今では年間30万人近くが
国内外から訪れている。
コペンハーゲンには美術館がいくつかあるけど
ここはデザイン専門の美術館。
世界にはデザインに強い美術館がある。
例えばNYのMoMA
スイスのVitra
ドイツのバウハウス
日本にも素晴らしいデザインが多いのだから
こういう美術館あればいいのになあ。
デンマークといえば家具であり
デザイン大国。
だからここは椅子さん美術館でもある。
家具の黄金期50年代には
ウェグナー 、ヤコブセン、パントン
多くの巨匠が活躍した。
今回の旅行の目的は色々あるけど
椅子オタクとして
この美術館も狙いだった。
早速入ってみよう。
チケットは115dkk(約2000円弱)。
学生さん&26才以下は無料。
コペンハーゲンカードでも無料。
コペンハーゲンカードについてはこちら↓
チケットからすでにデザインを感じる。
いざパラダ椅子へ!
中に入ると…
おおお!!アーティチョークに
でっかいウェグナー !
カールハンセン & サン Carl Hansen & Son シェルチェア
ルイスポールセン Louis Poulsen PH Wall PH ウォール
展示だけでなくこういうところから
普通に名作家具を使っているのはさすが。
さて中へ。
まずびっくり!
いきなり現代の最新デザイン。
ステルトンなどデンマークを代表する日用品。
シンプルでカラフルでデンマークらしい。
レゴもちゃんとある。
そして奥はHAYなど今波に乗っている
デザインの家具。
↓旅行中はHAY HOUSEにも行った
古い年代から見せていくのか
と思っていたので驚いた。
昔の巨匠を讃えるだけでなく
今いるデザイナーを大事に
している姿勢が伺える。
福祉国家として将来の不安なく
「今」生きることを大事にするデンマーク。
伝統を重んじるだけでなく
新しさを加えリデザインするデンマーク。
最初からそんなデンマークらしさを感じた。
そしてここから椅子さん無双が始まる。
MS家にもあるパントンチェア。
ただし飾ってあったのは初期のもので
樹脂でなくFRP。
これをデザインしたのが
↓こういう頑張り屋さん
照明とか
椅子とか
模様とか
いろんなプロダクツをデザイン。
あれ?北欧っぽくないぞ?
って思うかもしれない。
おそらく多くの人が思う北欧って
ウェグナーとかの木製の椅子。
pin
それもそのはずで彼が活躍し始めた頃は
「木製」「素朴」がスタンダード。
時代を先取りしすぎたため
バッシングにもあった。
だけど彼は色や素材の持つ可能性を信じた。
色彩心理学などで色の持つ効果を研究し
独特の世界観であらゆるプロダクトを生み出す。
そして時は60年代後半。
アメリカでは宇宙競争が始まり
宇宙を感じるデザインが流行りだす。
それが以前書いたスペースエイジ。
近未来を感じる色使いで
パントン大ヒット。
さらに同じ頃人気となるのが
エーロ・アールニオおじいちゃん。
pin
この人はフィンランド人で
うちのポニたんをデザインした人。
彼の椅子も同じ空間に展示。
あと同時期のイタリアのデザインも。
女性の体を連想するドンナチェア。
この部屋は壁や床や照明も暖色系。
パントンのカラフルで
ワクワクする色使いを表現している。
展示の仕方もデザインへの
リスペクトとこだわりを感じる。
お次は大好きなアルネ・ヤコブセン
ことヤコブっちのコーナー。
三本脚アントチェア!!
しかも座っていいと!!
もちろん座った!
ちなみに三本脚にはこんな秘密がある↓
エッグ!スワン!ドロップ!
ここは打って変わって真っ白な壁。
そして円形でぐるっと囲むような展示。
↓クリックで再生
この旅ではヤコブっちのホテルに泊まり
ヤコブっちの家具を堪能。
日本ではセブンチェアなどで有名だけど
本来彼は建築家。
pin
実はこんなものもデザインしている。
これはHOUSE of The Futureという
未来の建物。
20年代に未来の家はどうなるか?
をテーマに友人と共同でデザイン。
天井にはヘリポートがつけられ
靴の汚れを自動で掃除するドアマットも。
今でこそ家具も日用品も人気のある
ヤコブっち。
だけど彼もまた時代を先取りしすぎて
最初は批判に晒されてきた。
でも新素材や新技術にトライし
長く愛されるものを生み出してきた。
50年以上前の彼のデザインは決して
古臭くなくむしろ未来感もある。
この円形展示はそんな彼の世界観を
体験できるような作りだった。
世の中には素晴らしい椅子や
日用品がたくさんある。
ぱっと見素晴らしいと感じても
見ただけで作り手の世界観を
理解するのはなかなか難しい。
この美術館は展示でデザイナーたちの
世界観を体で感じ取れる。
その証拠に文字の説明が
非常に少ない。
見て触って感覚で
いいデザインを体験する。
それはデザインとはそれを使う
私たちの暮らしのためにあるからだと思う。
でもここまではまだ序の口。
次回は極上のパラダ椅子へ
みなさんをご招待。
☆続く…↓