どの椅子がお好き?
ポニ「おやつがある!食べていい?!」
ベア「デンマークのお土産っすか?」
食べていいよ。
デンマークのクッキーなんだけど
お土産じゃないんだ笑
この前うちにお客さんが遊びに来て
いただいたんだよ。
うちに来たお客さんにいつもする
楽しみな質問がある。
「好きな椅子を選んでください」
バラバラな椅子だと自分も楽しいし
お客さんの好みもわかって楽しい。
ベア「そういえばここ3脚はプラスチック
の布張っすよね?プラ×木がなぜマッチ?」
それはテーブルと椅子がデザインされた
年代が近いこともある。
前にも話したように
北欧とミッドセンチュリーは
大きく関わりがあるからね。
デザインってそうやってお互いに関わり
よりいいものに発展してるんだ。
それはデンマークの美術館でも感じたよ。
デンマーク旅行記第15弾。
前回の続きでデンマークのデザインミュージアム
の中をご紹介。
今回は椅子コーナーでお腹いっぱいになろう。
みなさんをパラダ椅子にご招待。
ただ今回は数が多すぎるので
詳しい紹介は控えます。
嫁氏と一緒にデザインを楽しもう!
至近距離で世界の椅子を体験
デンマークデザインミュージアムは
デザインに強いミュージアム。
日用品や家具、ポスターなど
あらゆる「デザイン」を感じ取れる。
だけど目玉は
何と言っても椅子。
ものすごい数の椅子があるという。
前回ご紹介した
巨匠ごとの展示を抜けると…
なんとそこには
椅子の世界が広がっていた!
ちょっとぐるっとしてみよう
↓クリックで再生
ウェグナー
イームズ
アアルト
フィンユール
ケアホルム
クリント
サーリネン
などなどなど
世界の名作椅子が大集結!
まさにアベンジャーズ!
まさにスーパーヒーロー大集合!
最高なんですが。
では少しゆっくり見てみよう。
ここの展示の面白さはかなり
至近距離で見れるということ。
フィンランドのアルヴァ・アアルトの
パイミオチェア。
↓アアルトはこのスツールでも有名
スツール 60 北欧 アルテックartek STOOL60
これは療養所のための椅子。
木の暖かさを患者さんに伝えたい
との思いでできた優しい椅子。
白樺のプライウッド が
優しい曲線を作っている。
プライウッドを曲げるといえば
アメリカのイームズさん。
ミュージック・フォー・フィルムズ・オブ・チャールズ&レイ・イームズ
イームズさんが戦時中に製造した
プライウッド の添え木がある。
そしてその近くにはイームズチェアも。
さらにはイームズさんの
ラウンジチェアも。
初期イームズさんと活動したサーリネンのウームチェア(子宮チェア)。
↓サーリネンのお話
赤ちゃんのように包み込まれる椅子。
こういう人たちに触発されて
実験的なことをした人がいる。
それはデンマークの巨匠ウェグナー 。
pin
日本ではYチェアが人気で
木製のイメージがあるかもしれない。
Yチェア CH24 ワイチェア カールハンセン & サン
だけどいろんな素材にチャレンジし
生涯500以上の椅子デザインをした。
OXチェア(雄牛チェア)
という面白い椅子は革とスチールでできている。
つま先の部分や接合にいろんな影響が
見て取れる。
これはプライウッド に挑戦している。
脚の曲線や背もたれにはいろんな人の
影響が見えてくる。
そんなウェグナーと友人だったのが
ボーエ・モーエンセン。
ボーエ・モーエンセン ドキュメンタリー
彼の椅子シェーカーチェアは
素朴で市民のための椅子。
座面にはペーパーコード。
J39 チェア J39 Chair フレデリシア Fredericia シェーカーチェア
Yチェアにも使われる素材で
こちらはYよりもやや目が粗い感じ。
椅子の後ろまで展示してるのはさすが。
ネジが見当たらないとこに職人技が見える。
こんな風に同時期に活躍したデザイナーや
職人の椅子を見ると影響や関わりを感じる。
1950年代前後の北欧では
影響しあって名作が生まれた。
なんてアツイ時代。
一人でヒートアップしている中
楽器好きのワクワクさんは
ピアノに夢中だった。
アーティチョークやPH5をデザインした
ポールヘニングセンのピアノ。
1931年のデザイン?!
なんて近未来的なんだろう。
ちなみにここには名作椅子に座れる
コーナーもある。
もちろん全部座った。
ここまで序の口で
さらなるバラダ椅子が!
つながりを感じる大大大集合
少し歩くと
洞窟のような場所が…
なんだろう。
?!
なんだこれ?!
全部椅子や!
ちょっとぐるっと見てみよう
↓クリックで再生
パントン
ヤコブセン
ウェグナー
ケアホルム
モリソン
ヴァンシャー
巨匠祭り!
もうアベンジャーズっていうか
エンドゲーム!
最高です!
嫁氏は涙で前が見えない!
極上のパラダ椅子。
さあ一個一個話したいのを我慢して
ここの展示の面白さについて。
メインがデンマークの巨匠だけど
そうでないものもある。なぜか?
例えばこれを見て欲しい。
それからこっち。
何か気づくことはないだろうか?
実はデザインや素材が似ている椅子
ごとに展示してある。
巨匠も国もちょっとずつ違う。
だけどどこか似ている部分を感じる。
それを視覚的に演出している。
デンマークのデザインは
過去から学びそれを発展させる
リデザインだと前にお話をした。
でもそれは昔々の過去からというだけでなく
他国や同年代からのリデザイン。
巨匠の名前を知らなくても
お互いに影響を与え合ったことが
パッと見でわかる面白い展示だ。
いろんな要素が入っている北欧
日本では北欧インテリアが
ジャンルとして定着した。
なぜ北欧の家具や製品が
根強く人気なのだろう?
日本についていうと前にも書いたように
ジャポニズム影響や家に合うから。
それは他の国のインテリアにも
当てはまる。
いろんな国の影響を受け
技術を学び進化させてきたデンマーク。
もちろんデンマークは
元々バイキング時代から
木材加工の技術が高い国。
↓バイキングの話
でもそこに止まらず他から学び
より高めようとしてきたことが
今回の展示で感じられた。
日本もいいものを取り入れて発展
させてきた歴史がありこの辺り共通点がある。
いろんなデザインの要素が入っている
デンマークの家具。
だからこそ
インテリアの選択肢が多い現代の
どの家具とも仲良くできるのだ。
次回
さてまだまだ続くデンマークの旅。
次回は椅子美術館の最終章。
デンマークデザインの
オタク気質に迫る。
☆続く…