久しぶりに遠出。
向かった場所はヨドコウ迎賓館。
MS家の間接照明タリアセンを
でおなじみフランクロイドライトの設計。
(MS家タリアセンウォール)
以前ライトさんについては
このブログでも三回取り上げました。
ナウガ親分「どんだけ
ライトが好きなんだゾォ!」
もう大好き!
※仕事に関しては。
その時は改修中だったけど
終わったということを読者さんが
教えてくれたので行ってみることに。
嫁氏と一緒に巨匠の設計した
お家を見に行きましょう。
このブログではフランキーと
勝手に呼ぶライトさんはどんな人?
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・近代建築の三大巨匠
(あと二人はコルビジェとローエ)
・自然大好きっ子
・自然を取り入れた建築
・プライベートはやや難あり
(不倫、浮気相手と旅行)
・浮世絵コレクター
・割と完璧主義だったらしい
・旧帝国ホテルの設計
・照明は日本のヤマギワが復刻
・世界の美しい建築「落水荘」設計
恋愛関係はちょっとアレだけど
建築のプロとしてはすごい人。
有名な落水荘
グッゲンハイム美術館
レゴ(LEGO)アーキテクチャー ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 21035
日本では旧帝国ホテルで有名。
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自然や周りとの調和
内部にも自然の法則を生かした作り
が見られ有機的建築と言われる。
そんなライトさんが設計した家が
兵庫県の芦屋にあるので行ってみた。
※自撮り棒でなければ館内撮影可能。
まず外観は周りを植物に
覆われている。
そしてものすごい坂にあるが
その坂に沿うように建っている。
ここにはある演出がある。
自然と一体化した建物を横目に進むと
どーん!キター!!
印象的な建物がこんにちは!
来た人はみんな「わああ!!」となる。
これは意図された演出。
建物とその奥に広がる景色を
ドラマチック見せるのだ。
建物はRC構造。
いたるところに見える
幾何学模様が彼らしい。
ドアには銅でできた装飾。
このあといっぱい出てくる。
入場料500円を払って出発。
最初の部屋は二階応接室。
↓クリックで再生
暗めの色を使っているのに自然な明るさ。
上に無数の小窓があるからだ。
これは明るさだけでなく
日本の湿気を考慮したもの。
この家は山邑(やまむら)さん
というお金持ちの別荘として作られた。
ちょうどフランキーが帝国ホテルの設計で
来ているときに依頼。
フランキーはお客さんと仲良くなる人で
依頼されたら生活を覗いて設計したとか。
インテリアは暮らしの先にある
と嫁氏も思うのでフランキーに共感する。
一方で彼は完璧主義でもあった。
素材に超こだわる!
だからこそ旧帝国ホテルは
予算がかかりすぎと反発があった。
この家に使われる木材はほぼ全て
マホガニー。
木目が主張しすぎないからだとか。
今も昔もマホガニーは高級木材。
↓マホガニーについて
それをこんなに使うとはさすが。
そしてこの模様は建物のいたるところにある。
模様そのものは植物を元にデザイン。
グリーンの演出のため銅板をわざと
サビさせているとか。
配置にも自然の影響が。
フランキーの建築の特徴は
「シンメトリー」「連続性」。
それは自然界の法則もまたそうだから。
部屋の左右は同じように並んでいる。
(時々例外もある)
また室内にも外と同じ石を使い
外と内の連続性が見えてくる。
自然界の法則を取り入れ
外と内、内と外に繋がりを持たせた。
日本の縁側と庭みたいな考えで
日本建築との共通点を感じる。
もちろん窓の外には美しい
自然の風景が広がる。
あ!これはフランキーの有名な照明。
やっぱりこれいいな。
Frank Lloyd Wright(フランクロイドライト)
横にはトイレ。
トイレもいろんなところに
明り取りがあり自然光が入る。
じゃあ次に三階へ上がろう。
廊下もたくさん光を取り込んで
明るく開放的。
三階には和室がある。
ここは日本らしさと
フランキーらしさが混じる。
一見和室らしい和室でも
フランキーマーク。
襖のとっての形までこだわりがある。
日本らしさを感じながら
マホガニーという木材が
どこか異国情緒な雰囲気を作る。
ここには改修工事の様子が
展示されていた。
別荘の後は賃貸になり
ヨドコウ製鉄所の独身寮になった。
こんな独身寮ならずっと住みたい!
バブルの頃は取り壊して
マンションにする計画もあった。
当時フランキーは日本ではさほど有名でなく
建物は「お化け屋敷」とも呼ばれ
荒れ果てていたとか。
そこで建築業界から
「それ大事な建物だから待って!」
と声が掛かる。
それを受けて国の重要文化財に申請。
保存事業となった。
最初の補修工事は2億円ちょっと。
今回の工事は3億円かけて補修。
例えば外の石の装飾。
これは大谷石の砕石やセメントなど
混ぜたもので作られていた。
でも改修前損傷がひどかったとか。
そこで型を作って
耐久性を高める配合で復元。
まさに職人魂だ。
ワクワク「MS家も最近モルタルやってるから
これチャレンジしてみようかな☆」
まじか!どこに置くの?
MS家に合わないよ!
他にも窓のちょっとした欠けも
全て丁寧に補修されていた。
マンションにならなくて本当に良かった。
今回はヨドコウ迎賓館の
3階の和室までをご紹介。
自然を生かして自然とともに生きる
でも人の生活を
完全に自然に合わせるのでない。
あくまで建物は人が住むもの。
住む人も心地いいような工夫がある。
それが随所に見られるフランキーの設計。
日本の建築は素晴らしいものもあれば
残念なものもある。
例えば最近ニュースになったこれは
残念建築の最たるものだ。
人の住み心地への考慮や
後世に残そうという意思
が残念ながら感じられない。
その時さえよければいい
そんなの本当に家なのかな?
日本の住宅は省エネ基準義務化で
一旦変わろうとして先送りになった。
だけどいつまでも作って壊し
その場限りでいいの?
そして日本の街並み。
チェーン店の中に家がポツポツ…
街にはド派手な看板が溢れ
美しいとは言い難い光景が並ぶ。
その家だけでなく
周りの環境ってどうでもいいの?
フランキーの自然と人が調和する設計
は持続可能性と調和を教えてくれる。
それを直す職人さんのプロの技は
ものを直し後世に引き継ぐことの
大切さを見せてくれた。
自然や住まい、そこに暮らす人
現代の生活に大切なことを
時代を超えて教えてくれる場所だ。
ただ実はここを設計したのは
フランキーだけじゃない。
日本の建築家の
大きな功績がありました。
次回は残りのお部屋をご紹介しながら
教育とデザインについて考えてみよう。
続く…↓