中高価格帯編北欧ver.だよ
ベア「只今新生活を迎える人のために
ネットや実店舗で買える家具を紹介中」
ポニ「これまで低価格帯、中価格帯、
中高価格帯の家具についてお話したよ」
今回紹介するのは
中高価格帯の家具。北欧編。
ベア「北欧家具って高級なイメージが…」
人によっては高いと感じるかも
しれないね。
値段の感覚は人それぞれだから。
ただ北欧家具って元々は
市民のための家具なんだ。
なぜ市民のための家具なのか?
なぜ現代では高いと感じるのか?
それをお話ししていこう。
今回取り上げる北欧家具の相場は
椅子は7-15万くらい
ソファや安楽椅子は
30-100万円くらい
北欧家具の傾向
北欧家具は次のような傾向がある。
・機能も見た目も兼ね備える(椅子は重すぎず運びやすい)・日本の家にも合う(サイズも見た目も)・シンプルだけどどこか優しさがある・割とどんなテイストにも合う
北欧家具のメーカー
北欧家具のメーカーは色々。
アルテック
PPモブラー
ゲタマ
フリッツハンセン
ルイスポールセン
大体日本の店舗やネットで買える。
今回はその中でも2つの
メーカーについて掘り下げてみよう。
①カールハンセン&サン
日本でも人気Yチェアを扱うメーカー。
それ以外にも
コロニアルチェア
エルボーチェア
カールハンセン & サン Carl Hansen & Son エルボーチェア
オークやビーチをメインにした
優しく温かみある質感。
シンプルで機能性の高い
ものばかりだ。
110年以上の歴史を持つ老舗で
「リーズナブルな価格で
質の高い家具を提供する」
ベア「り、リーズナブル?うそ?!」
確かにYチェアは11万円
カールハンセン & サン Carl Hansen & Son Yチェア
低めの価格のCH88Tでも6万円。
現在数千円で椅子が買えることを
考えると確かに高いかもしれない。
だけど作る工程や機能性を考えると
高すぎるとは一概に言えない。
例えばYチェアは
100以上の工程を重ねる。
機械と人の手を上手に使い分けるけど
ペーパーコードの座面は職人の手仕事。
デザイナーのウェグナー については
前に何度かお話しした。
アメリカからの「もっと稼げるよ!」
という誘いを断り続け
デンマーク製にこだわった。
嫁氏はお金を稼ぐのは悪いことでなく
必要なことだと思う。
だけど彼にはお金を稼ぐ以上に
1つの壮大な使命があった。
それは
「みんなにいい家具を提供すること」
彼にインタビューするとよく
「どうしたら良い座り心地になるか」
なんて話になったそうだ。
彼は椅子のことをひたすら考えた。
ああ、嫁氏みたい。
北欧の家具というのは全体的に
一定の傾向がある。
例えばチェストであれば足が長く
取っ手が個性的。
ほとんどのチェストがそう。
それは北欧家具が「模倣と研究」
の積み重ねでできているからだ。
模倣とはコピー品を売るのでなく
先代の長所を真似て発展させること。
例えばカールハンセンの
サファリチェア。
これをデザインしたのは
彼は常に教え子たちに
「古典を研究するように」促していた。
その言葉は彼の有名な言葉にも現れる。
「古代は現代よりモダンである」
デンマークの家具というのは
研究に研究を重ねデザイン。
(日曜のお父さん感があるウェグナー)
1つの家具を作るのに
何百、いや何万時間もかけて
研究され過去から学び発展。
(昔のエジプトの椅子)
人間は時代の変化により多少身長は伸びても
動物の進化のような大きな変化はない。
だから家具の形も
基本はそう変わらない。
ということは過去から蓄積された
知恵を学びとることが必要。
研究を重ね理論を構築し
より良いものへと発展させる。
そりゃあいい家具ができるよね。
椅子の座り心地は人によって感じ方が違うが
カールハンセンの椅子は
ハズレが少ない。
だからずーっと世界中から愛され続ける。
カールハンセン&サンの家具は
ネットや店舗で買えます。
②フレデリシア
このメーカーの家具はぱっと見
特徴を感じないものもある。
例えばJ39別名シェーカーチェア。
普通のシンプルな椅子に見える。
スパニッシュチェア。
革を使ったところに個性があるけど
まだシンプル。
これらをデザインしたのが
彼はクリント教授の弟子であり
ウェグナーのお友達。
50年代にデンマークでは
「国民の家具」プロジェクトができた。
それまで家具は手作業で
ものすごい値段でとても買えない。
そこで低〜中所得者でも買える家具を
作ろうという動きが起こった。
一般の人もデンマーク製の
いい家具を手頃に使えるように。
その中で奮闘したのが
クリント教授やモーエンセン。
装飾過多だった過去の家具を
よりシンプルにして買える値段に。
例えばJ39。
これは工具をほとんど使わずに
組み立てられる。
だから手間がかからずシンプルに
したことで値段を下げられる。
その分接合部の作りを工夫して
強度を高めている。
pin

さらに座面のペーパーコード。
Yチェアよりもさらに
傾斜が付いている。
J39は段差をつけることで
ペーパーコードに曲線が生まれ
お尻の形にフィット。
こうすることで体への負担を軽減。
そんな家具を家だけでなく
図書館や市庁舎にもガンガン置く。
だからデンマークの公共施設では
日本では高級扱いされる家具が
普通に使われているそう。
つまりデンマークのデザインは
お金持ちのためでなく
一般の人のため。
普通の市民が日常で使いやすい家具を。
そんな思いが込められた家具を
フレデリシアでは作り続けている。
トリニダード チェア Trinidad Chair フレデリシア
フレデリシアの家具は
店舗やネットで買えます。
もしあなたが家具職人なら?
何が高いか安いか?
それは人によって様々。
現代は昔より安くていいものが
生み出しやすくなった。
安い家具はなぜ安いか?
それは企業努力もあるけど
そうでなく何かの犠牲の上に
安いというパターンもある。
ちょっと想像してほしい。
あなたは家具の職人だ。
若い時から師匠の厳しい指導の下
修行と研究を積んできた。
やっと一人前になっても
終わりじゃない。
よりいい家具を作るために
研究し技術を磨き続ける。
そしてやっとの思いで
できた家具。
それを売る段階になって相手が
「じゃあこれ100円で」
そう言われたらどうだろう?
納得するだろうか?
我々は消費者であると同時に
労働者でもある。
消費者としては
「より安いものを」と
願うかもしれない。
嫁氏も給料日前なら
50円の豆腐より48円を選ぶ。
でも同時に労働者だ。
必死に技術を磨いて完成させた仕事を
安い価値で判断されると辛い…
今回取り上げた
北欧の中高価格帯も
そういうことだ。
職人やデザイナーたちが
心地よい暮らしのために
技術を磨いて研究し作り上げた。
そこに機械という現代技術を取り入れ
「簡単には買えないかもしれない」
「でも買えないこともない値段」。
だから今でもデンマーク人は
お金を貯めていい椅子を買う。
初任給でまず椅子を買う
という話も読んだことがある。
なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?
どう思うかは各々の判断。
だけど
技術の高さ
習得までのプロセス
素材を考えると
高すぎるとも簡単に言えない。
暮らしには人によって
重点の置き方は様々。
だから実際買うかどうかは別としても
北欧家具が単に「高い家具」
とは言えない。
そして安い家具が悪い
ということではない。
でも 今の日本では安い家具が主流。
家具ってそんなもの
高い家具を置くのはお金持ち
という空気感もある。
だからこそ
家具は我々全員のためのものということ
生活を豊かにする家具があること
「お金ないからとりあえず」を買うのでなく
貯金して本当に欲しいものを買う国だってあること
そんなことを知ってほしい。
選択肢を増やし
より良い暮らしにするために。
あ、また長くなった!
というわけで次回は日本編↓
北欧家具の違う側面を知ったよ
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