北欧ミッドセンチュリーの家づくり

家具コンシェルジュ嫁氏の暮らしインテリア話

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イサム・ノグチ庭園美術館で石の声を聴く。四国家具の旅最終地へ

四国家具の旅最終回

1日目は宮崎椅子で椅子に興奮。 


 ホテルモアナコーストでのんびり。

 

ベア「2日目は何したんすか?」 

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石を愛でに行った!

 

ポニ「は?石なんかその辺にあるじゃない」

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香川へ移動し

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うどんを食べ

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あの巨匠の石を見てきたんだよ。

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ノグッティーという人
嫁氏は家具の巨匠たちが
大好き。
 
イームズ、ネルソン、ジラルド、
ウェグナー、フランクロイドライト、
ローエ、マックスビル…
 
作った人のことを知ると
もっともっと愛着が湧く。
 
だからこのカテゴリーでは
そんな話を書いています。


イサム・ノグチこと
ノグッティーも大好き。
(勝手にそう呼んでいます)
 
 Akari

 

イサムノグチ AKARI 

 

サイクロンテーブル

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(Vitraより)
 
コーヒーテーブル

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(Vitraより)
 
など数々の名作をデザイン。
 
MS家には彼の作品はないけれど
彼の不完全さを愛する姿勢
自然のまま受けれいれる姿勢
いいなあって思う。


ベア「家具のデザイナーより

石の彫刻家として有名っすね」

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そだね。
石が大好きなノグッティー。

 

大きいものから小さい作品まで作り

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それらは美術館

Isamu Noguchi | MoMA

 

公園


大学

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ファイル:「無」慶應三田.jpg - Wikipedia

 

など世界中の様々なところに

置かれている。

 

 中でもここ香川の

イサム・ノグチ庭園美術館

は特別な場所。

http://www.isamunoguchi.or.jp/

 

彼が過ごしたアトリエと

自宅がそのまま美術館

なっているんだよ。

 

庭園美術館入り口
イサム・ノグチ庭園美術館は
ちょっと特殊。
 
事前に往復葉書による
予約が必要。

The Isamu Noguchi Garden Museum Japan

 

理由はあとでわかる。

 

事前に無事予約受付され

現地へ。 

 

つきました。

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受付の小屋に入ると…

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おお!Akariだ!!

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スツールや

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食器

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これまでデザインしたものが

展示・販売。

 

ほしいなあ。

でも買えない…

 

岡本太郎×イサム・ノグチ展の

チラシをいただく。

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↓岡本太郎について 


いいな行きたいな。

でも遠い…


美術館の外は写真OKだけど

中はダメだからポストカードゲット。

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(石はMS家の。なんとなく置いてみた。

ちなみに照明はAkariでなくIKEA…)

 

外の写真とこのカードで

石の魅力を話すね。

 

庭園とアトリエ

時間になると案内係の方と移動。

 

入館証はノグッティーのサイン

入りのシール。

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今回見るのは庭園と自宅。

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まず庭園へ。

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中はぐるっと石で囲まれている。

ノグッティーは「マル」と呼んだそう。

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そこには点々と作品が並んでいるけど

どれも作品名や説明がない!

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係のお姉さん曰く

ノグッティーは難しい話抜きで

ありのままの石を感じて

楽しんで欲しかったそう。
 

だから今回は難しいこと抜きで

ありのままに感じてみよう。

 

 正直最初写真で見たときは

「ストーンヘンジ?」

「これは何なのだろう」

「っていうか切っただけ?!」

なんて思っていた。

 

だって石に興味を持ったことは

なかったから。

 

でもねよく見ると面白い。

 

ここの作品は基本的に

切ったり貼り付けたりして

それほど大きく手を加えていない。

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もちろんその作業は職人技であり

重たい石の加工はものすごい労力

だったことだろう。

 

だけど色は塗っていないし

細かい装飾もない。

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ノミなどで削って内部が

見えたものが少なくない。

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そこで気がついた。

石って中と外で

色や表情が違う。

 

それに切り方によって影が生まれ

立体感が増し違う顔が現れる。

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石面白い。

 

もっと見たかったけどアトリエへ。

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蔵の中には

・チョーク

・ノミ

・ロープ

・機械

などが片付けて置かれていた。

 

何とノグッティーが使ったまま

の状態だそうだ。

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だから勝手に手を触れないように

必ず係りの人がついて回る形に

して予約制にしているのかもね。

 

ノグッティーは晩年自分が亡くなった後も

アトリエがそのまま展示になるように

いつも準備していたそうだ。

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まるでさっきまでそこで作業を

していたような息遣いを感じた。

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もう一つの蔵へ移動すると

こっちの作品は全然違った。

 

まずこれデカイ。

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5mくらいだろうか。

庭の石と違いピッカピカに

磨かれ光っている!

 

こんなに大きいものを

一体どうやって削り

くっつけたのか。

 

ちなみにこの蔵は作品を

先に作りそこに被せるようにして

建てられたとか。

 

そして

その横の蛇みたいな

これ。

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この滑らかさ半端ない。

どうやって削り出したのか。

 

外の作品と中の作品のあまりの

表情の違いに驚いた。

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でもどっちも同じ石であり

ちょっと手を加えると

いろんな顔を見せる

それが石の魅力なんだよ。

 

そんな風に言われている気がした。

 

自宅

その後自宅へ移動。

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昔の日本家屋の素晴らしさや

生前のままの家の様子から

暮らしていた匂いを感じた。

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シンプルですっきり

した暮らし。

 

でも吊るされたAkariや

随所に見られる曲線から

デザイン性も感じる。

 

そして暮らしていたままの形で

何年も何年も残る家。

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まるで家そのものも

ノグッティーの石のようだ。

 

石の声を聴いてみて

今回の美術館で

石を眺めて感じたことは

2つ。

 

まず石はありのままで

美しいということ。

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普段は石なんか気に

留めたことがない。

 

でもノグッティーの作品を見ると

削って露出した内部から

石の持つ美しさを感じる。

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それから手を加えても

面白いということ。

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削ったり磨いたり

くっつけたり。

 

元の良さを残しつつ

全く違った表情を見せる。

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しかも木や他の材料と違い

外に置いたままでも風化すれど

残る。

 

ノグッティーはこう言っている。

「木々は消え去るけれど、

石は残る。しかし侵食を受ける。

他の何が、時間の流れに耐えることを

表現できるだろうか?」

(イサム・ノグチ庭園美術館しおりより)

 

ノグッティーがいなくなっても

何年も強くそこにい続ける石たち。

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(庭園の外)

 

それを難しいこと抜きに

ありのままを感じた。

 

「知る」ことだけでなく

「ただ自然のままに感じる」

ことって新しい発見や好奇心を

生み出すことがある。

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石の声を聴きながらそんなことを

思いました。

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家具の先には人がいる
作る人の想いに触れ

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何もしないことの喜びを知り

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感じることの素晴らしさ
を知った今回の四国家具の旅。

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海外旅行でも国内旅行でも
つい家具関連に惹きつけられる。
 
だけどそこから生き方とか
暮らしの考え方をたくさん
教わっている。

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それは家具をデザインしたり
作ったりする先には誰かがいて
結局は人との繋がりがあるからだ。
 
これからもそんな旅をしていきたい。

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そして次の目標は
デンマーク。
 
楽しみだ。
 
☆追記:実際にデンマークへ行ってきた↓