前回はウェグナーのデイベッドGE258閣下の
オタクな記事を読んでいただき
ありがとうございました!
閣下と共にMS家にやってきたお方がもう一人…
カイ・クリスチャンセン巨匠の
エクステンションダイニングテーブル!
ベア「じゅ、呪文か…日本語でお願い…」
ってこのやりとり前もしたよね!
エクステンションってどんなものかは
こちらの記事を↓
ざっくり言うと「長さが拡張」するテーブルのこと!
だからこの子はビヨーン伯爵と呼ぶ!
ビヨーン伯爵の魅力はビヨーンだけじゃない!
MS家のダイニングの顔となるこの
テーブルには巨匠の見えない技
詰まっているのだ!!
エクステンションかっこよすぎて
ハイ・テンショーン
なのであります!
↓この「ハイテンショーン」な台詞の
元ネタはハペポンさんのブログ。
なんと、MS家より先にMS家のバスルームを
ご利用されています!!うらやま!!
カイ・クリスチャンセンは
デンマークの家具デザイナー。
https://item.rakuten.co.jp/hug-style/1501142/
1929年生まれでまだご存命!!!
昨日の記事に出てきたウェグナーや
モーエンセンと同様
デンマーク家具の巨匠。
カイさんはテーブルだけでなく椅子や
キャビネットなどいろいろデザイン。
よく知られる代表作は
ペーパーナイフチェア。
本名はNo.42。
特徴的な肘掛が美しく、
背もたれは微妙に可動するので
嫁的に座りやすい椅子。
1950年代にデザイン・製作。
しかし、絶妙な角度の肘掛の製作が難しく、
製造中止!!
ヴィンテージはわずか。
でもね、復刻されたんです…
しかも、日本の宮崎椅子さんで!!
カイさんと宮崎椅子さんだけが
この椅子の正式契約を結んでいます。
まるでこの前書いたヤマギワさんと
フランク・ロイド・ライト財団の関係のよう。
カイさん本人が宮崎椅子の工場を
訪れたこともあり。
↓リンク先で見れます
宮崎椅子製作所スタッフブログ» Blog Archive » カイさん、今年2度目のワークショップ!
日本のものづくりの技術が
ここでもイキイキしている!!!
そんなカイさんの作る家具は
どれもシンプルでありながら
息をのむほど美しい…
↑オットマン
そんなカイさんが作ったのがMS家の
エクステンションテーブル、
ビヨーン伯爵。
①大きくへーんしん!!
まずは何と言ってもエクステンション!
北欧家具はいろんな拡張の仕方があるけれど
エクステンションはビヨーン!!
まずはビヨーン伯爵の端を持って引き出す。
テーブルの裏には木のレールがあって
これがビヨーンします。
伸びたらこんな感じ。
そこに別のピースになっている
板を持ってきます(これは付属品)。
夫氏もハイテンショーン!
そしてガコン!とはめ込み
はい完成!!
ビヨーン伯爵はビヨーンすると
6人座れます。
中にはピースが2枚あって
8人がけできるものもあり!
ウェグナー AT 329 Hans J Wegner オークダイニングテーブル
そして、これは丸いエクステンションだから
ビヨーン!&ガコン!で伸びるけど
四角いエクステンションは別個のピースがなく
vintage teak dining table 北欧ビンテージアンティーク ...
天板の下にさらに天板があって
vintage teak dining table 北欧ビンテージアンティーク ...
ビヨーンするとそれが見える仕組み。
vintage teak dining table 北欧ビンテージアンティーク ...
だからテーブルの形やものによって
エクステンションのビヨーンもいろいろ。
あ、イームズさんたちがぞろぞろやってきた!
これでお客さんが来ても大丈夫!
でもね、ビヨーン伯爵って機能だけじゃないんだ…
ディティールがすごい!!
②美しい天板
ビヨーン伯爵はシンプルに見えて実は
すごいやつ。
まずはこちらをご覧あれ。
これはよく見る北欧ヴィンテージの
ダイニングテーブル。
普通は天板の下に幕板という
ところがあり。
〜幕板の役割〜
・天板と足を固定する
・強くする
・無垢のテーブルは木が反らないようにする
だから、多くのテーブルには付いてます。
(付いてないのもあります)
でもね、よく見てください…
このテーブル幕板がない!!
ビヨーン伯爵は幕板がないのに50年以上お元気!
さらに伯爵の天板はまるで一枚のまあるい板に見える。
でもね、これ一枚の板じゃないんです!
裏を見てください…
ここが北欧家具の見えないところによく使われる
ファイバーボード。
ニトリのカラーボックスでおなじみのやつ。
ここが合板
あ、ファイバーボードや合板、無垢材の違い
についてはこちらをどうぞ↓
つまりですね、
これは完全に一体型ではないです!
無垢の木を切り出して丸にしたんじゃないんです!
無垢の天板に合板と繊維板をくっつけたもの!!
なのに継ぎ目が一切見えない!!
まさに神業!!
ベア「日本では無垢の一枚板のテーブル
好きな人も多いよね。
でも北欧家具って見えないところに
人工の木を使うよね。
MS家のライティングビューロー妃殿下の裏も
そうだし」
そのとーり!
でもこれにはちゃんと理由がある!
見えるところには無垢や突き板を使い
見えないところに人口の木を使うメリット。
・コストカットし家具を買いやすくする
・無垢だとめちゃくちゃ重いけど
人工の木を使うことで軽量化。
北欧家具にはチークやマホガニーが多く使われるけど
それらの木はものすごく高い…
仮にチークの無垢材だけでテーブルを作ると
とても一般人が買える値段
にはならない。
それに無垢材は何と言っても重い!
北欧と比べてアメリカの家具は無垢が多い。
そうすると引越しや
模様替えは大変!!
見えるところは無垢の木目を生かし、
見えないところは人工の木を使うのは
デンマークの職人の知恵なんだよ!!
カイさんの場合はさらに上をいく!
一見して一枚の板のように見えることで
テーブルをよりシンプルに美しくしている。
パッと見ただけじゃわからない、
人が気づかないところにこそ
職人技を込めているのだ!!
まさに「神は細部に宿る」!!
そんな実はすごいビヨーン伯爵のMS家での
これからの活躍にご期待あれ!!!