北欧ミッドセンチュリーの家づくり

家具コンシェルジュ嫁氏の暮らしインテリア話

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サーリネンに学ぶシンプルなデザインって?たくさんあることは本当にいいこと?

引っ越しごのリビング妄想

 

MS家に2つの新しいアートがやってきた。

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一つは市原淳さんのポスター

 

 

市原さんは嫁氏が好きな椅子のイラスト

をたくさん描かれる方。

↓市原さんについてはこちらから 


ちょっとサヴィニャックっぽい。 


もう一つはバウハウスのポスター。

 

ポスター バウハウス Archiv1986年

 

これについてはこちらでお話を↓ 


せっかくなので

引っ越し後のMS家を妄想し仮住まいを飾ろう。

 

リビングはこうなる。

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バリバリミッドセンチュリー

=略してバリミ感が増してええなぁ。

 

※追記:ちなみに実際はこうなった↓ 


この犬のポスターに描かれた椅子は

イームズさんに似ているけど違う子。

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前から見るとこんな感じ。 

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(台湾旅行にて)
 

名前はチューリップチェア。

 

今回はこれを作った人のお話をしながら

多いことと少ないことについて考えてみよう。

 

 

 

 

エーロはエーロでもサーリネン

 

エーロ・サーリネン

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「あれ、エーロってどっかで…」

と思ったそこのアナタ。

 

嫁氏と一緒の椅子オタクかも。

 

ちなみに別のエーロさんはこちら↓

 

名前は似ているけど別の人。

 

サーリネンはフィンランド生まれの

アメリカ人。

 

家具デザイナーで建築家。

 

お父さんは有名な建築家

エリエル・サーリネン。

Eliel Saarinen

エリエル・サーリネン - Wikipedia

 

あ、ティッシュのことじゃないですよ。

 

エリエール ティシュー

 

アールニオおじいさんと混同するから

MS家では親しみを込めサーリーと呼ぼう。

 

サーリーはイームズさんとも仲良しだった。

 

ミュージック・フォー・フィルムズ・オブ・チャールズ&レイ・イームズ

 

オーガニックチェアは二人が

MoMAのコンペに一緒に出したもの。

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他にも色々デザイン。

 

チューリップテーブル

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「ウーム=子宮」という意味の

びっくりネーミングなウームチェア

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サーリーの家具の多くは

Knoll(ノル、ノール)という会社が製造販売。


日本では現在成田空港でも見られる↓ 


Knollはベルトイヤのおっさんもいたところ。

 

建築家としては

ケネディ空港TWAターミナルなどで有名。

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映画『MIB』のような

スペースエイジ感ある建物内部↓ 

 

サーリーの家具は曲線や色合いが

ポップでユーモラス。

 

彼の考えやデザインを見ると

便利さについて考えさせられる。

 

ごちゃごちゃはアカン

 

サーリーは人や建物が調和する空間を

作ろうとする人だった。

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サーリーのものづくりの考え方は

お父さんの影響。

 

''Always design a thing by considering

it in its next larger context

a chair in a room, a room in a house,

a house in an environment, an environment in a city plan.''

 

何かをデザインする時には

つねにより大きな状況を考えるようにするんだ。

部屋の中での椅子、家の中での部屋、

環境の中での家、都市計画の中での環境

といった具合にね。-サーリーパパ

(引用・訳 嫁)

 

その考え方をサーリーも受け継ぎ、

できたのがチューリップチェア。

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サーリーはこんなことを言っている。

 

"The undercarriage of chairs and tables

in a typical interior makes an ugly,

confusing, unrestful world.

I wanted to clear up the slum of legs. " 

 

よくあるインテイリアの椅子やテーブルの

脚こ・そ・が、醜い、落ち着かない、

人を混乱されるような世界にしているんだよ。

 

ぼかぁねー

そーゆースラムみたいな脚の群れを

綺麗にしたいんだ!

(引用・訳 嫁)

 

 

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この思いで一本脚のチューリップチェア誕生。

 

ただ脚と座面は別々のパーツ。

 

脚はアルミニウム

シートはヴィンテージイームズと同じFRP製。

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本当は全て一体型の椅子を

作りたかったそう。

 

一体型の椅子パントンチェアのように。

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残念ながら51歳で亡くなるまで

それは残念ながら叶わず。

 

でもこの椅子は

1本脚の椅子で

量産されたものでは業界初。

 

すっきりとしたお部屋の空間を作れるから

今でも世界中で愛されている。

 

あ、うちの賃貸ダイニングの脚

スラムだ。サーリーごめんよ。

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心地いい暮らしって?

 

 サーリーの考え方やデザインを見ていると

「本当にみんなが心地よい家や社会って

なんだろう?」と考える。

 

前に書いたように何が必要かの基準は

ライフスタイルに合わせて様々。

 

それとは別に

「子供からお年寄りみんなにとって

本当の便利って何だろう」という疑問。

 

製品の中には便利にするために

一つのものに多くの機能つけたものがある。

 

例えばテレビやモニターのリモコン。 

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リモコンに恨みなない。

 

でも子供からお年寄りまで

みんなが本当に使いやすいものを考えてみよう。

 

つまりユニバーサルデザイン。

 

本当にこんなにボタンはいるのかな。

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中には一生使わないボタンもある。

パソコンの機能しかり、スマホしかり。

  

それが心地よい暮らしの邪魔をして

スラムを作ってはいやしないかな?

 

それから「のぼり」

 

 

MS家の住んでいる地域だけもしれないけど

「のぼり」って多すぎない?  

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ひどいとこだと

通り全部がのぼりまみれ。

 

のぼりって経済的には

一定の効果はあると思う。

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こんなふうに「ラーメン!」「ラーメン!」

って主張されたら麺好きそしては大興奮。

 

喜んでラーメン屋さんのカモになる。

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でもこんなにたくさんは必要だろうか?

 

のぼりそのものは効果のあるもので

のぼりに罪はない。

 

昔の日本の風景などで

「一つだけあるのぼり」は素敵だと思う。

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でも一つの場所に何十本ものぼりを建てて

意味があるのか不思議。

 

のぼりは悪くないけど

のぼりをむやみやたら建てまくる

人の感覚に疑問を感じる。

 

リモコンのボタンと同じでたくさんありすぎて

なんだかわからなくなっている気がする。

 

気にしなければいいといえばそれまで。

 

でもせっかく味がある喫茶店でも

店一周ぐるりと

「モーニング!」

「モーニング!」

「モーニング」

「モー…」

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もういいよ…

わかった!!

 って気分になる。

 

「美しいデザインってなんだろう」

「みんなにとって機能的ってなんだろう」

快適で美しい空間ってなんだろう」

 

このユーモラスな絵を見ると

そんなことを考えてしまいます。 

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