ベア「成人式の皆さんの晴れの舞台に
ふさわしいようなお天気だなあ」
こんな青空見ていたら
昔いたオーストラリアの空を
思い出したよ。
嫁氏は前にちょっとだけ
海外で仕事をしました。
その仕事をする前にちょっとだけ
語学学校へ。
目的は友達作り
とネットワーク作り。
台湾人、フランス人、ブラジル人、韓国人
いろんな人種がいるクラス。
週末の授業の後はビーチで
BBQ。
楽しかったなあ。
担当のリサ先生(仮名)は
超美人で優しい。
放課後リサ先生によく
オーストラリア暮らしの話を
聞きました。
買い物のこと
人種のこと
教育のこと
その中で最も興味深かったのが
仕事の話。
嫁氏「先生は教える仕事
長いんですか?」
リサ「もう三年くらいかな」
嫁氏「大変だけど楽しそう。
私も将来は
教える仕事したいんです」
リサ「楽しいわよ!あなたに
きっと向いてると思うわ。
でも私、夜はバーテンなの。
そっちも楽しいわよ」
嫁氏「?!
掛け持ち?!」
リサ「そうよ。
昼は先生、夜はバーテン。
オーストラリアでは
仕事の掛け持ちって
当たり前なのよ」
先生はお金のためもあるけど
違う世界を毎日みれて
楽しいと言っていた。
それ以上に嫁氏が面白いと
思ったのは自分の職業をいう時
「先生」「バーテン」
と言ったこと。
日本ではそんな答え方を
されたことがあまりないからだ。
※個人の経験です。
そう聞くとオーストラリアで
返ってきた答えの多くが
「スーパーの店員」
「ピザ屋」
「土産物屋」
「カメラマン」
「大工」
大抵職業を言われた。
一方日本では
正社員や個人事業の方は
「サラリーマン」
「銀行員」
「医者」
「美容師」
そんな風に返ってきた。
ではパートやアルバイトの方に
聞くとどうだろう。
「パートです」
「バイトです」
そんな風に返ってくる
場合が多いように思う。
(あくまで個人の体験です)
何故だろう。
パートやアルバイトだって
コンビニの店員
塾講師
事務
ガソリンスタンド
いろんな職業がある。
そしてさらに興味深いことに
日本で専門職の時短勤務の方から
こんな風に言われることもあった。
「広告の仕事をしてます。
今は子育てでパートだけど」
職業を聞いただけで
雇用形態や生活スタイルまで
わかってしまった。
一体これはどういうこと?
オーストラリアで感じたのは
パートでいくつもの仕事を
するのが当たり前という風潮。
確かに正社員は
ずっと働ける保証がある。
正社員になるのが難しいという
側面もあるだろう。
でもパートの方が
ある意味メリットがある。
時給は当時
最低14ドル(=約1400円)。
(今はもっと上がっている)
有給やホリデーを
もらえる場合もあるし
年金もかけられる。
リサ先生のように2つの世界での
仕事を楽しんだり
子育てや趣味に時間を当てられる。
明るいうちに帰って
海で泳いだりビーチでのんびり。
だから雇用形態ではなく
みんな堂々と自分の仕事をいう
「私はバーテンです」
「私はマッサージ師です」
「私はスーパーの店員です。
そしてアーチストでもある。」
雇用形態まで突っ込んで聞いて
初めて「パート」「フルタイム」
という答えが帰ってくる。
一方日本の風潮には変化も見られるものの
正社員かパートかが重要視される。
いまだに
「パートはパート」
「バイトはバイト」
と見られる傾向を感じる。
確かに
・仕事の内容の違い
・家族を養う
・住宅ローンの審査
いろんな事情があって
正社員は魅力がある。
親御さんも安心するだろう。
ただそれが行き過ぎて
大卒で正社員になれず
浪人する若い人
就職に失敗して命を絶つ人
一回失敗したらもう終わりな
風潮がまだまだあり
それで苦しむ子供たちを見てきた。
そして働く上で感じるのが
「パートは所詮パート」
という意識。
(実際に昔言われた)
もちろんこれは全員ではない。
だけど嫁氏は正社員、アルバイト、
契約社員いろんな形態を
実際に経験して感じた。
生活や家づくりに置いて
お金は大事だから
正社員のメリットは
確かに大きい。
だけどそれでその人の
アイデンティティ
やステータスまで
時に判断される。
それはどうなんだろう。
お金をもらう以上
パートでもバイトでも
自分だったら真剣に仕事したい。
技術を習得したいし
成長したい。
だけど以前資格勉強中に
アルバイトをしていて
こんなことを言われた。
「実家暮らしでパート?
気楽だね」
「女性はいつか結婚するから
そのぐらいでいいんだよ」
張り倒したくなった…
そんな意識が雇う側にも
雇われる側にもあると
仕事は適当になり
雇われる側は
「どうせパート」と言われる。
そんなの双方にとって
デメリットでしかない。
嫁氏はもっとこの社会で
選択肢が増えるといいなと
思っている。
パートしながら自分の時間や
子育てを頑張る人
フルタイムで仕事したい人
子育てや介護に集中したい人
いろんな生き方があっていい。
「正社員じゃないと
仕事じゃない」みたいな風潮
もっと薄まればいいのに。
だってパートはパートって
思う空気があるから
最後は正社員に丸投げになって
残業が増え重労働の一因となる。
そうじゃなくて
もっと仕事をシェアできれば
一人当たりの負担が減り
家族や自分の時間を大事にできるのでは?
もちろん残業をたくさんしたい
っていう人には向かない考えだけど。
これは嫁氏の考えだから
押し付ける気は無い。
だけど仕事も大事だけど
家族や自分の時間を大事にする
生き方がもっと増えても
いいんじゃないかと思う。
そのためには
パートやアルバイトも
仕事でありあくまで
働く形態の違いだという
空気感ができたらと思う。
正社員に何でもかんでも
押し付ける風潮が修正されること
そんなことが必要では無いだろうか。
もちろんこれには
デメリットもある。
それに今の状態で何の工夫もなく
同一賃金同一労働を実施しても
うまくいかない。
オランダはパートが多いけど
それは歴史が違う。
それでも卒業前に
就職できなかった学生が
またチャレンジすればいい
と思える社会
出産したお母さんが
安心と仕事のやりがいを
両方手に入れらる社会
激務にうんざりしたサラリーマンが
辞めて仕事を掛け持ちして
自分の時間を楽しむ社会
そんな風に
うまくいかなかったら
またやってみたらいい
思えるようになったらいいな。
お仕事は何ですか?
そこで帰ってくる答えが
雇用形態だけでなく堂々と
「私は服屋の店員です」
「私は歯医者の受付です」
「私はバーテンです」
そんな風に言えるように。
自分の暮らしとやっていることに
みんなが誇りを持てるように。
そんなことをシドニーの
空を思い出しながら考えました。
成人式を迎えられた皆さん
おめでとうございます。
若い皆さんが希望を持てるような
社会になっていきますように。