ベア「前回は友達からもらった
フランクロイドライトのアートを飾ったよ」
ポニ「今回は一緒に入っていた
カードも飾ったんだよね」
そうなんだ。
リビングからも見える
階段のへ。
この柄のデザインは
アレキサンダージラルド
っていうおっちゃん作。
(Vitra)
だから前に作った
おっちゃんアートコーナー
と一緒にしたよ。
ジラルドこけしの
通称「お母さん」も一緒。
おっちゃんは民芸品マニアで
作品に民芸品の影響を感じるんだ。
今回もそうだね。
これは生命の樹。
ギャッベなど世界中で
見られる命を感じる模様だね。
お母さん「この文字はなあに?」
HOME SWEET HOMEって
書いてあるでしょ?
この模様にまつわる話は
とってもあったかいんだよ。
この絵の模様は
元々クッションでした。
【正規取扱店】Vitra/ヴィトラ Embroidered Pillow・エンブ...
このクッションは量産用でなく
あるおうちのために
ジラルドおっちゃんがデザイン。
そのおうちとは
Miller(ミラー)ハウス。
(コロンバス市HP)
ベア「ミラーって、か…」
鏡のことじゃないよベアくん!
ポニ「は…」
ハーマンミラーのミラーでもない!
アーウィン・ミラーさんっていう
社長さんのおうちなんだ。
Miller House (Columbus, Indiana) - Wikipedia
親しみを込めて
ミラーおじ様と呼ぼう。
Diversity: A History of Commitment | Cummins Inc.
このおうちがすごいんだ!
前に登場した建築家の
エーロ・サーリネンこと
サーリー覚えてるかな?
ポニ「チューリップチェア
をデザインした人だね」
そう!
そのサーリーが設計し
ジラルドのおっちゃんが
コーディネートした家だよ。
歴史的に意味がある建物として
アメリカの国家歴史登録財
に指定されている。
(Pinterestより)
さらにはおじ様の家がある地域は
有名建築の宝庫になっている。
おじ様は資産や知名度を活用して
建築やデザインを保護した。
そしておじ様は公民権運動
で活躍したあの人とも知り合いだよ。
おじ様はCummins Engineっていう
インディアナ州のディーゼルや
エンジンの会社の社長さん。
おじ様は社長という肩書きでなく
慈善活動家
近代建築のパトロン
公民権運動の活動家
という肩書きもあったんだ。
例えば地元のコロンバス市で
有名建築家に頼んで
公共施設を作らせた。
自腹で。
有名建築が並ぶと
人が集まると考えたんだ。
自分は資産を作ったから
地元にお返しがしたかった
そうだ。
おじ様の影響でその後も
有名建築は増え
コロンバス市は今や
建築デザインの宝庫に。
おじ様の勢力は
とどまることを知らない!
貢献するのは地元だけではないのだ。
おじ様はとっても
多様性を重んじる人だった。
"Character, ability and intelligence
are not concentrated in one sex over the other,
nor in persons with certain accents or
in certain races or in persons holding degrees
from some universities over others,"
(性格や能力、知性っていうのはね
性別
お国柄や人種
大学の学位
そういったものだけで
決まるもんじゃないんだよ。)
by ミラーおじ様
だからあのキング牧師の
公民権運動を手伝っていたんだ。
そしてアパルトヘイトで
会社のアフリカ支所を閉鎖
までして抵抗したんだ。
キング牧師もおじ様を
「偉大な実業家」として
褒めまくった!
おじ様は利益をあげるだけでなく
手に入れた利益を使って
みんなのために貢献する
すごい人だったんだ。
そんなワールドワイドに活躍
するおじ様だったけどお家も
大事にしていた。
だからこそこだわりを感じる
作りになっている。
おじ様の家で一番特徴的なのは
リビングのあるスペース。
Conversation Pit
(おしゃべり穴ぐら)。
(Vitraより)
床より一段下がっている
掘りごたつみたいな場所。
座る場所がぐるりとなり
クッションがいっぱい。
まさにおしゃべりのために
特別に作られた場所。
(Vitraより)
テレビやゲームでなく
家族やお客さんとだけ
向き合うように
作られたところなんだ。
そしてそこを彩るのが
ジラルドおっちゃん
のクッション。
(Vitraより)
インド綿、メキシコの刺繍、日本製のシルク…
世界中から集められた柄
や素材が並ぶ空間。
民芸品マニアだった
ジラルドおっちゃんのコーデ。
多様性を大事にするミラーおじ様。
おじ様の暮らしが反映されてるようで
まさに施主とコーディネーターの
息ぴったりなタッグ。
民族を感じる模様に加え
住人の生き方にフィットした
コーディネートだからか
すごく暖かい感じがする。
そんな場所のために作られた
HOME SWEET HOME。
コーディネートした
ジラルドおっちゃんの
「いつまでもあったかい
家であってほしい。
おじ様、君のように」
そんな声が聞こえてきそうだ。
MS家もいつまでも
あったかい家でありたい。
うちにはボロボロの椅子
角が禿げたチェスト
いろんな子たちが
いろんな国から
いろんな人生を生きて
やってきた。
一つ一つに歴史があり
嫁氏にも知らない背景がある。
でも最終的には
うちにやってきて
もう立派なうちの子たち。
彼らの生き方を尊重して
これからも家族として大事に
していこう。
なんて偉そうなことを考えてたら
このプレゼントをくれたiさんから
連絡が。
このカードはまさに
MS家だな〜!と思って
見たときからお贈り
したかったんです!
うん、やっぱり
この子もうちの子だね。