仮住まい君へ
君は最高の仮住まいだった。
夫氏の転職でこの地へ引っ越してきた時
希望でいっぱいだった。
楽しいことも辛いことも一緒に過ごしてきた。
そんな君と今日お別れする。
仮住まいでのおもひで
リビングではたくさんの時間を過ごした。
夫氏がNetflixでのんびり過ごしたり
嫁氏がしょっちゅう家具のレイアウトを
変えて君は戸惑っていただろう。
お気に入りの格子の出窓は
植物やミニチュア、瓶を飾って楽しんだ。
ここから見える桜の景色が
とても好きだった。
ダイニングでは椅子が
どんどん増えていったね。
君もびっくりしただろう。
夫氏がここでピアノを弾いてくれたことも
よく覚えているよ。
それから
塩ご飯の美味しさ、有難さも
ここで学んだ。
そうそう、このベランダではよくリペアしたっけ。
狭い空間だけど助かったよ。
洗面所に洗濯機のcubleさんが来た時のことは
覚えているかい?
夫氏は嬉しくて正座で
ずーっと見てたね。
面白すぎて忘れないよ。
トイレではよく考え事をするとき
過ごした。冬は寒かったね…
寝室にイケアのクリムトを飾った時
「絵を飾るって素敵なことだ」と
つくづく思ったよ。
彼女は新MS家の寝室でも活躍してくれるから
安心してくれ。
玄関のニッチには季節ごとにいろんな
ミニチュアを飾って楽しんだね。
いろんなところに住んだけれど
初めてのニッチで嬉しかったよ。
君がいる場所もいいところだった。
すぐ近くには毎年桜が咲いていた。
当たり前に思っていたけれど
今後この景色は簡単には見れなくなる。
最後だから花見に行ってみた。
散りかけだったけれど
最後に素晴らしい思い出になった。
君は最高の仮住まいだった。
冬はちょっと寒かったけど
家族を守るために頑張ってくれた。
最後は「早く引っ越したい」と
思ったけれどそれはものを移動
して何もなかったからで君のせいじゃないよ。
君からは
たくさんのことを学んだ。
住む場所というのは
ただの箱ではない。
そこで人が暮らして初めて「住処」に
なるから必ず何らかの思いが生まれる。
そして好きなものに囲まれて生活を
すると心が豊かになる。
高い家具とか新品かとか関係なく
自分の好きなものなら
ボロボロでも何でもいい。
ただ好きなものを大事にして
リペアしながら長く付き合っていく
ことって素敵なことだ。
そしてそういう好きなものに
囲まれた生活は賃貸でもできる。
要は知恵と工夫だ。
そんなことを君から
教えてもらった。
君は夫氏と
一番長く過ごせた場所。
だから今まで住んできた場所は
全て覚えているけど
君は特別だ。
これから一生住む場所へ移る。
でもMS家にある家具を見るたび
「ああ、あの時に来た子だ」と
君のことを思い出すだろう。
ワクワクさんと嫁氏が心配?
大丈夫。
今度の家も君負けないぐらい
愛情を注ぐよ。
もちろん家づくりは大変だったけど
皆さんが励ましてくれて
やっとできたんだよ。
それにお祝いのメッセージやスターがたくさん。
ブログ以外でも
たくさんお祝いをもらったんだ。
こんな写真もいただいたよ。
MS家はこんなに皆さんに暖かい心を
いただいて感謝してもしきれない。
だから君は安心して次の住人を
守ってあげてほしい。
MS家にたくさんの思い出を
ありがとう。
次の住人にも
可愛がってもらえますように。