北欧ミッドセンチュリーの家づくり

家具コンシェルジュ嫁氏の暮らしインテリア話

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柳宗理のザル(パンチングストレーナー)はたかがザルされど馴染むザル

ベアくん捕まる
 

ポニたん:嫁氏!大変だ助けて!

 

どうしたの!

 

ベア:出れないっすよー!
 
 

  

何やってんのベアくん!

 

ベア:ヘルメットかと思い遊んだら出れなくなったっす!

 

ヘルメットじゃないよ…

ザルなんだ。 

 

ポニ:こんな綺麗なザルがあるんだね

 

MS家の大好きなデザイナー柳宗理のザルだよ。

 

このザルは柳宗理の思いが込められ

MS家のザル問題を解決してくれるんだ。

 

 

 

コランダーは使いにくいんダー?

 

MS家で元々使っていたザルはコランダー。

 

数年前に買ったもので

使い勝手はよくはないが不満はなかった。

 

けれど暮らしが変わったことで

ある人から不満が噴出した…

 

それがうちのワクワクさん。

 

ちょっと前から義母さんにもらった

パスタマシンで麺づくりにハマりだした。

 

生パスタにラーメンなどを作ってきた。

 

基本的に茹でるのはパスタ鍋だけど

きっちり湯切りするのにコランダーも使う。

 

細い麺は茹でた時穴から抜ける!
 

 

さらには皿洗い大臣でもある彼はこんな不満も。

 

コランダーは洗いにくい!
 

 

底があることで水切りはできるけど

確かに洗いやすくはない。

 

家事を頑張る彼のために

コランダーには別の人生を歩んでもらおう。

 

そして新しいザルとして選んだのが

 柳宗理のザル「パンチングストレーナー」。

 
柳宗理 パンチングストレーナー 16cm

 

先月からアンバサダーをさせてもらっている

webshopアンジェさんで購入。

 

柳宗理ラブな嫁氏はずっと憧れていた

彼の道具を手に入れて有頂天になった。

 

お茶目なソーリー

柳宗理は日本を代表する

インダストリアルデザイナー。

pin

 

彼の代表作バタフライスツールは

MS家の玄関で帰りを待ってくれている。

 

''I am Sorry(=Sori)"と自己紹介するほど

お茶目さもある人だったそう。

 

スツールの秘密や彼のお人柄についてはこちらを。

 

彼のデザインにはいろんな特徴があり

そのいくつかを挙げてみよう。

 

用の美と一体型と

 

彼のデザインはいろんな人の影響を受け

中でもお父さんとイームズの影響は大きい。

 

①用の美

バタフライスツールはその制作経緯から

座り易さを目的とした椅子ではない。

 

だからあれは別。

 

でもそれ以外は「用の美」に溢れている。

 

用の美って?

・職人の手仕事から生まれる飾らない美しさ

・道具は使ってナンボ!

・だから手に馴染み機能的

 

元々民芸運動をしていたお父さん柳宗悦さんが

日用品の美しさを世に紹介をしようと提唱。

 
手仕事の日本 (岩波文庫)

 

その美しさとは美術品という意味ではなく

無名の職人の作る誠実な手仕事の素晴らしさ。

 

だから日常的に当たり前に使われ

何年も何年も大事にされる。

 

その精神がソーリーの作るものにも溢れている。

 

②イームズに影響?「一体型」

 

バタフライはイームズさんの影響を受けている。

 

成型合板の技術やFRPで「一体型」の

革新的な家具を作ったイームズ夫妻。

 

今は当たり前に見る技術でも

当時はすごいことだった。

 

一体型の道具というのは

見た目に美しいだけではない。

 

作り手にとっては一旦開発できれば

コストダウンとなる(当時は)。

 

また使う人にとってはつなぎ目がないと

手入れのし易さに繋がることがある。

 

つなぎ目にゴミが入らないからだ。

 

そのイームズの影響を受けソーリーは

世界初の完全一体型のプラのスツールを作った。

 

 

一体型の包丁もデザインした。

 
柳宗理 キッチンナイフ 14cm包丁/ほうちょう

 

全部が全部イームズの影響ではないし

ソーリーの全てが「一体型」というわけではない。

 

ただ「一体型」の長所を生かす試みが

随所に見られるのは確かだ。

 
 
さてそんなソーリーがデザインした
ザルは一体どんなものなのか?
 
機能に裏打ちされた美しさの魅力
 
特徴
・ほぼ一体型が生み出す美しさ
・目詰まりしにくく洗いやすい
・18-8ステンレスで錆びにくい
・ギラギラせずマット感がいい
・掴みやすい持ち手
 
①見た目
このザルは枠に対して一枚の
ステンレスを貼り付け穴を開けている。

 
つまりほぼ一体型のザル。
 
流れるような曲線が美しく見惚れてしまう。
 
そして18-8ステンレスというバランスのいい
配合でギラギラせずマット感がある。

 
見た目として素晴らしいけれど
この見た目は機能に裏打ちされたものだ。
 
②機能
パンチングされたザルは
メッシュのザルに比べパーツが少ない。
 
網と網が重なりや継ぎ目が少なく
万一食材が詰まっても洗いやすい。

 
流れるような曲線は持ち手の
握りやすさを生み出す。
 
さらに18-8ステンレスは錆びにくく
長持ちに繋がる。
 
知人で10年使っても平気という人もいる。
 
見た目にこだわったのでなく
機能を考えるうちにそれが
この美しい形になった。
 
このザルを見ているとそんな印象を受ける。
 

ポニたん:まさに用の美!

 
でも用の美って決して
完璧という意味ではない。
 
どんなものにもデメリットはある。
 
パンチングザルとしてどう?
 
そもそも金属ザルの形状って
メッシュとパンチングがある。
 
そして両者はお互いに一長一短。
よく聞く一般的なザルのメリットデメリット

<メッシュザル>
メリット:水切れがいい、ふるいになる物もある
デメリット:引っかかった時洗いにくい
      形が崩れ壊れると飛び出ることも

<パンチングザル>
メリット:洗いやすい、長持ちしやすい
デメリット:水が溜まる物もある

※もちろん個々の商品の形状にもよる。

 
一般的にメッシュザルの方が
パンチングザルより網目が広い。
 
それにより水切りや洗いやすさに
お互い一長一短が生まれる。
 
ではこのザルはどうだろう?
 
①水切れの悪さは感じない
ロングセラーのザルだから
いろんなレビューを見かける。
 
メッシュから乗り換えた人は
水切れの悪さを感じるかもしれない。
 
嫁氏はコランダーからの乗り換えだからか
水が溜まるという感じはしなかった。
 
パスタもするっと抜けることなく
しっかり水切りできた。

 
野菜もいつも通り蓋をしてブンブンし
水を切ることができた。

 
底が少し持ち上がり水切れしやすいような
工夫が施されているからかもしれない。

 
②米とぎには向かない

 
 米に関してはやはり竹の米とぎザルが
MS家的にはお気に入りだ。

 
 
つまりこんなことが言える。
このザルに向いている人
・短所を理解した上で長く使いたい人
・米とぎ用ザルは別に持っている人
・ソーリーのファン

このザルの購入に気をつけた方がいい人
・メッシュザルから切り替える人
・ネームバリューだけで買う人
たかがザルされど馴染むザル
 
このザルはテレビショッピングのような
「見てください!この水の切れ味!」
というタイプじゃない。
 
水切れに関してはパスタ鍋やコランダーより
よく切れるというくらいだ。

 
だからガッツリ切りたいなら
メッシュの方がいい。
 
でも嫁氏はこのザルが気に入った。
 
それはソーリーが好きというだけじゃない。
 
ほぼ一体型が作り出す
持った時のなんとも言えない手に馴染む感じ。

 
表現は難しいけどそれがなんとも
心地よくてたまらない。
 
どんな道具も長所と短所があり
巨匠が作るものだって例外じゃない。
 
だから結局はそれを知った上で
お気に入りを選ぶのが一番だ。
 
パスタが湯切りしやすくなり
洗いやすくなってよかったね、ワクワクさん。
 

ポニ:ワクワクさんのために買ったのに一番使ってるのは嫁氏!


ワクワク:実は自分が一番欲しかったんじゃない☆
 
 

 
え?なんのこと?