ナウガ親分「こんにちはだゾォ!」
ナウガver1.「いつも植物記事担当のナウガズだネ」
ナウガJr.「今回は僕らと旅に出よう」
向かったのは香川県の本島。
ここは周囲16.4kmの小さな島。
岡山県の児島または香川県の丸亀から
フェリーで20〜30分。
目的はフリッツハンセン庵という
期間限定の北欧家具×古民家の展示。
そう椅子オタは今回もまた
椅子の旅に行ってきた。
デンマークと日本が見事に調和する
魅惑の世界を一緒にお楽しみください。
ナウガver.1「まずフリッツハンセンの説明ダネ!
みんなが椅子好きとは限らないネ!」
あ、そうだね。
フリッツハンセンは
デンマークの家具メーカー。
世界中で長く愛される家具を多数生み出し
中古であっても高値で取引されるものもある。
MS家にもいくつかある。
セブンチェア
アントチェア
このメーカーで活躍するデザイナーは
巨匠揃い。
例えば
大好きな建築家アルネヤコブセン
↓巨匠ヤコブっちについて
また金属脚の貴公子
イケメンのポールケアホルム
日本人のデザイナーも活躍。
nendoさん。
当ブログでも以前KOKUYOが販売する
nendoさんデザインの文具を取り上げた。
どの巨匠のデザインも個性的でありながら
使いやすく魅力的なものばかり。
だからデンマークに行った時は
コペンハーゲンの本店にも行った。
まさに聖地巡礼だった。
日本でもファンは多く
公共施設でも使われている。
太子町役場
池田市図書館
そんな伝統あるフリッツハンセンが
お店とコラボした。
それが香川のコネクトさん。
このブログでも何度か登場。
嫁氏が大好きなお店で
フリッツハンセンの正規代理店。
家具を売るだけでなく
リノベーションも手がける。
コネクトさんは面白い試みを色々されている。
2017年からデンマーク王立アカデミーの学生と
コラボして本島で空き家リノベーションを始める。
心地いい暮らしのための製品を提案はするが
それは自分達だけでいいのだろうか?
北欧インテリアを通じて
地域そのものを活性化させたい
そんな思いで始めた
空き家活用プロジェクト。
様々な取り組みを行う中で
デンマークの老舗メーカーの家具と
古民家を合わせ空き家を魅力的に見せることに。
そこでできたのが
フリッツハンセン庵。
築120年以上の日本家屋
をリノベーションし北欧家具で蘇る。
早速行ってみよう。
場所は笠島地区。
フェリー乗り場から自転車で
15分ほどの場所で国の保存地区。
江戸や明治の建物が残り情緒あるけど
過疎化が進み空き家も多い。
そこに「FRITZ HANSEN」の提灯が。
11月まで一般公開でその後は
事前予約で公開。
時間になるとお姉さんが登場。
扉を開け準備をしてくれた。
アントチェアが迎える中には…
エッグチェアの苔バージョン!!
なんとこれ本物のエッグチェアに
苔を生やしたとか。
嫁氏「え?これ中古ですか?」
お姉さん「わかりませんが新品かも…」
新品に苔生やす!!
パネエ!
そして中に入ると…
パラダ椅子!
うおおおお!!
エッグチェア(ヤコブっち)
セブンチェア(ヤコブっち)
ドロップ(ヤコブっち)
PK20(ケアホルム)
PK33(ケアホルム)
PK80(ケアホルム)
NO.1(NENDO)
チャイナチェア(ウェグナー )などなど
フリッツハンセン祭り。
い椅っ子!
い椅っ子!
い椅っ子!!!
ちなみに動画で見るとこう
↓クリックで再生(音は出ません)
nendoさんを除き
ほとんどがデンマークデザイン。
なのに古民家に
北欧デザインが見事にマッチ。
北欧のデザインは元々ジャポニズムにも
影響を受けているから当然といえば当然。
↓北欧デザインのルーツについて
でもここまで見事にコーディネートされたのは
コネクトさんの手腕だと思う。
特に間取りと光を生かした
展示の素晴らしさを存分に感じた。
あまり細かく解説するとドン引きされるので
ここでは特に気に入った点をお伝えしよう。
①縁側を活用したくつろぎ空間
エッグチェアが堂々と佇むこの空間。
ここは扉を開けると出現する
縁側に面している。
程よい光を浴びながら外の景色を楽しめる。
エッグチェアでもくつろげるけど
床に近い家具でも楽しめる工夫がある。
例えばプフ
それからスツール
さらにはデイベッド
椅子というと海外の文化であり
一見して日本家屋とはやや離れた存在。
けれど床を無垢材でリノベし絨毯を一枚噛ませて
床に近い家具を混ぜたことで調和を感じる。
②板間を活用した隠れ家空間
もう一つお気に入りが奥の板間。
段差を越えると…
ケアホルムのチェアが迎える
やや暗めでホッとする空間。
ここは元々お台所だったそう。
暗さって日本ではマイナスに取られることがある。
「暗いと目が悪くなるよ」とか。
(最近では変わってきてるけど)
けれど欧州では暗さが
好意的に取られる側面もある。
実際デンマーク旅行では一般の住宅や公共施設で
程よい暗さの魅力を感じた。
そんな程よい暗さの魅力を取り入れ
落ち着く空間を作り出したのがここ。
ほんのり明かりが漏れる照明
小さな間接照明
格子戸から漏れ出る自然光
縁側のポカポカするホッと感とはまた違い
人に見られずホッとする隠れ家スペース。
落ち着く…
動きたくない…
③花×木製で自然との一体感
ここではいたるところに植物が飾ってある。
これはデンマークのフラワーアーティストが
手がけたものだそう。
ボリュームがあるけど色が絞ってあり
存在感があるのに主張しすぎない。
むしろ古民家の元々の木材感や
リノベした無垢の床と調和している。
もし植物がなかったら?
リアルな意味で
「家具を置いたかっこいい展示」
になっていたと思う。
でも植物って生命力がありエネルギーを感じ
部屋をより生き生きとさせてくれる。
くつろぎたい
動きたくないなあ
そう思わせてくれるのは
植物の役割がかなり大きいと感じた。
最近日本家屋にモダンな家具を合わせる
リノベーションを本島に限らずよく見かける。
嫁氏はインテリアって住む人が満足すれば
それが一番だと思っている。
だから好み以外のインテリアを見ても
「自分の家が好き」
「心地がいい」
そんな声を聞いたり見たりすると
それだけで嬉しくなる。
結局は部屋作りって自己満だからだ。
そしてそれが一番大事だからだ。
けれど
モデルハウスや展示となれば別。
高い家具を置いただけ
流行りに乗って置いただけ
置いただけインテリアもある。
というかそれはコーディネートではなく
ただ置いただけなんじゃないかと感じる。
お部屋も家具も魅力が減ったり
ストーリーが見えてこなかったり。
そういうものを見ると
勿体無いなあと思う。
けれどフリッツハンセン庵は違った。
デンマークの家具の魅力
古民家の魅力
素材の味
古いものの魅力
自然の美しさ
地域性や間取りの長所
全てを理解した上で
家具も家も魅力的に見せてくれる。
初めてきた人に
ホッとする空間を提供する。
何かを魅力的に見せて人を惹きつけるには
上っ面だけでは充分ではない。
理解し愛情を持ち
使う人のことを考える視点が必要だと思う。
そしてそれを地域おこしを考えながら実行する
コネクトさんは本当にすごい。
デンマークと日本家屋の見事な調和を感じながら
のんびりとした時間の中でそんなことを考えた。
残念ながら公開は12/24が最終日。
もう訪れることはできないけど
いい時間を過ごすことができた。
お姉さん、コネクトさんありがとう。
さて好奇心はまだまだ収まらない。
親分「次回は小腹を満たし
本島を探検してみるゾォ!」
でもここからの旅はいろんな感情が渦巻き
肉体的にも限界を迎える旅となるのであった…
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