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オタクを極めるデンマークの教育制度は職人の地位を高めると思う

ベアくんは何オタク?
ポニ「そいじゃこれは?」
ベア「あ、安藤忠雄!!」

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何してるの?
 
ベア「デンマーク旅行で建築に目覚めたっす!
建築オタクを目指す!」
ポニ「そんなことより君は算数勉強しなよ」

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確かに生きるのに最低限の算数は大事だ。
 
だけどオタクらしさを追求することも
嫁氏は大事だと思うよ。
 
ベア「そういう姐さんは何オタク?
ポニ「あかん!それ聞いたら!

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もちろん椅子オタク!
インテリアオタク!
 
このリビングはね…

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ポニ「ほら!また始まった!話進めて!」

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ごめん。
 
自分のオタクを極めることは
自分らしく生きることに繋がる。
 
どんどんやりなさい。
 
デンマークの美術館でも
そんなオタクを感じた。
 

デンマーク旅行記第16弾。

 

前回の続きでデンマークの

デザインミュージアムをご紹介。 


デンマークの教育制度を知り

デザインのオタク気質に迫る。

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デンマークの教育制度

デンマークのデザインをみていると

オタク的な気質を感じる。

 

過去の名作他国のデザインを研究

使いやすさと美しさを兼ね備えた家具を作る。

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だから50年以上前のデザインが今も生産され

世界中で愛されている。

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そのオタク気質

教育制度とも関係ある。

 

それはプロを育てる教育だ。

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デンマークは高校進学率が約45%

日本の約98%より低い。

 

それには訳がある。

 

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・義務教育は16歳の9年生まで。

・14歳で進路指導があり中三で長期実習。

・卒業後は高等学校か職業別専門学校

・専門学校では半分以上が実習

・入学試験がない→塾?なにそれ?

・義務教育後ギャップイヤーOK

(将来について考える時間)

 

つまり早い時期からなりたいものを

決めそれぞれの道のプロを目指す。

 

もちろんデメリットもある。

 

早いうちに進路を決めて違った!

と思うこともあるだろう。

 

そして頑張って技術を手に入れても

需要が減り仕事がなくなることも。

 

ただデンマークの場合は教育費が無料。

いつでもやり直しができる。

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 実はそのことで教育費が圧迫している

という議論もあるそうだ。

 

ただ早期に本当にしたいことを選択し

実際に使える技術や知識を磨く。

 

アレもこれもでなく1分野をオタク的に学び

プロの技術者や職人を育てる。

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だから家具の世界でもデザイナーや

職人は尊敬の対象となる。

 

マイスター制度で尊敬される職人

デンマークは家具作りなどの

木材加工の技術が高い国だ。

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それはこちらでも書いた。 


特に家具に関していうと

マイスター制度がある。

 

これはいわゆる師弟制度。

 

マイスターの資格を持つ

親方から学び試験を突破して一人前に。

 

師弟だからといって「見て学べ」

ではなく座学もある。 

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そして仕事として行う場合は

給与もきちんと支払われる。

 

だから職人の地位は高く尊敬される。

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実際に名作椅子をデザインした巨匠も

マイスターの資格を持つ人が少なくない。

 

デンマークのハンス・J・ウェグナー

17歳でマイスターになった。 


つまりここではオタクをとことん追求

手に職をつけたプロになれる。

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そのオタクな部分はデザインにも見られる。

 

研究熱心で自国の過去の製品のみならず

他国の技術も研究するデンマーク。

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それはデザインミュージアムの

展示からも感じ取れる。

 

広いイタリアフランスコーナー

このミュージアムにはデンマークの

デザインコーナー以外もある。

 

例えばイタリアの家具コーナー。

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カスティリオーニのセッラ

あ、これ椅子です。

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↓作者はアルコランプのおじいちゃん 


 メンディーニのソファ

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↓キッチングッズもデザインしたおじいちゃん


ワンダースのひも椅子  

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↓イケメンおじさまはこんなのもデザイン


そして館内にはポスターもたくさん。

 

デンマークのポスターももちろん。

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だけどフランスのポスターも。

ロートレックだ。

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デンマークのデザインはイタリアや

フランスのそれとはだいぶ違う。

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けれども共通点もある。

 

美術館の中では広く場所を取り

それらを深く知ることができる。

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バウハウスコーナー

この美術館は特別展も大々的に行う。

 

少し前はLearning from Japanese展。

つまり日本のデザインの紹介。


前にも書いたようにジャポニズムは

デンマークデザインに影響を与えた。 


今回はドイツのバウハウス展。

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バウハウスはドイツのデザイン学校

モダンデザインに影響を与えた運動。

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それまで装飾的な家具が多かった。

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彼らは合理的でみんなが使いやすい製品を

と多くの取り組みをしてきた。

 

ヒトラーによって閉校されるまで

14年しか活動しなかった学校。

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でも現在私たちが使うモダンな家具

バウハウスがあったからこそ存在。

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詳しくはこちら↓ 


戦時中アメリカにはバウハウスの

巨匠が戦争で亡命してきた。

 

それがイームズさんなどの巨匠たち。

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そしてそれに影響を受けたのが

デンマークのウェグナーやヤコブセン。

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北欧とアメリカ、ドイツは

デザインの上でお互いに影響がある。 

 

それを表す貴重な資料が膨大にあった。

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内容がわからなくても

見て視覚的に体験できる。

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感覚的にも。

 

椅子に座れる。

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バウハウス塗り絵。

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大人だけでなく子供も気軽に

デザインに触れることができる

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デンマークがいかにオタク的に研究し

デザイン大国として発展したかを

体験しながら感じ取れた

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高校や大学の全入の流れ

日本では大学の無償化について

賛否両論となっている。 


なぜか?

 

それは日本の場合みんなが

大学に行こうとしているから。

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本当に学びたい学生さんにとっては

道が開ける喜ばしいこと。

 

だけど本来大学って研究機関のはずなのに

日本では就職訓練校のようになっている。

 

そして大学に入りさえすればいい

という学生さんも残念ながらいる。

 

それは勉強が好きでない子が無理に

大学に行くことになる。

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嫁氏はいくつかの高校で仕事をした。

 

大学を目指す進学校もあった。

 

毎日誰かがトイレにタバコを詰まらせ

近所の公園で飲酒する学校もあった。

 

そんな子たちは中学で落ちこぼれとみなされ

自信を失い大人を嫌い反抗していた。

 

でも彼らにも得意なことがあった。

 

お化粧がプロ並みに上手い子

 

バイクの知識が半端ない子

 

激ウマのケーキを作る子

 

彼らの得意な分野を振ると

とても嬉しそうに話をした。

 

得意なオタク分野を極めれば

伸び伸び勉強できるかもしれない。 

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だけど社会的には難しい。

 

就職は高校卒業が要件な場合が多い

 さらに日本は大学卒業者が給料が高い。

 

デンマークでは同一賃金同一労働

同じポジションなら差がない。

※技能などによる差はあるようです。

 

果たして日本の高校で勉強した内容を

今使う人はどれだけいるだろう。 

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もちろん学び自体は無駄ではない。

そして生きるための最低限の知識は必要だ。

 

けれども勉強を必死にしたい子もいれば

勉強は苦手でも技術がある子もいる。

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人によって得意不得意は違うのに

全員に「高等な教育」をという空気感。

 

これは議論の余地があると思う。

 

日本とデンマークのオタク気質

みんなとは言わないけど

日本にはオタク的な気質がある。

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海に囲まれた小さな国

細かい作業繊細な技術も得意としてきた。

 

日本の文具は細かいところまで

気が利いていて素晴らしいものが多い。 


数年前海中で錆びないボルトで有名になった

竹中製作所はUAEにまで進出した。

 

マルニ木工はデザインの力と職人の技術で

復活を遂げ世界に羽ばたいた。


 家電も家具も他国から技術を取り入れ

よりいいものに発展させてきた。


専門分野をとことん追求して

いいものを作るオタク気質だ。

 

なのに社会人になるとあれもこれもできる

「平均」が求められることも多々ある。

 

そして高い技術を持ったプロや

職人の減少や地位の低下。 


デンマークと日本は気候も考え方も違う。

 

けれども似ているところがある。

研究熱心アツいオタク

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福祉の話でも書いたように彼らのやり方が

そのまま日本に合うとは思わない。


 彼らのシステムにも

メリットデメリットがある。

 

でもデンマークでは職人の地位が確立され

彼らの製品が国際的に評価されるのも事実。

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そう考えると日本ももっとオタク的に

生きられる土壌があってもいいのに

 

子供達が自分らしく生きられる

選択肢が増えるかもしれない。

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日本の高い技術が継承され職人さんが

生き生きと働けるかもしれない。

 

そんなことを考えながら美術館を後にしました。

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次回
そろそろ嫁氏は家具で
お腹いっぱいじゃないかって?
 
いえいえまだ腹八分。
 
次回はこの美術館にも負けない
ミュージアムなホテルにチェックイン。

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☆続き↓