ポニ「なにこれ!」
多肉さんを寄せ植えにしたよ。
ベア「なんかワイワイ楽しそうっす!」
寄せ植えってみんなで一つの鉢にいるから
楽しそうに見えるんだろうね。
みんなと言えばデンマークの暮らしにも
「みんな」を感じた。
デンマーク旅行記第12弾。
前回は民泊でデンマーク人に
家具や家のことを質問。
今回は暮らしの実際を聞いてみよう。
ちなみに当然人の暮らしは多様なため
この内容が絶対ではないです。
まずデータでデンマークを見てみよう。
・相対的貧困率4.2%
(OECD調査 日本は56%)
・幸福度指数2位(2019年)
・出生率1.7人で上昇中(2016)
・世界平和度指数5位(2018 GPI)
・一人当たり名目GDP 10位
(2018 日本26位)
・腐敗認指数(汚職の少なさ)1位
(2018 国際透明性機構 日本18位)
そもそも幸福度指数は議論の余地がある。
ただ社会格差が少なく
生産性が高いのがわかる。
それは福祉充実や働き方の違いにある。
・出産無料
・待機児童ゼロ
・教育費は大学院まで無料
・医療費無料
・勤務は週37時間まで
・最低賃金約2000円
・長期休暇5週間
・同一労働同一賃金で
正規非正規という概念はない
・介護は最期まで無料
実は失業率は5%もある。
でも失業しても4年間は
90%の給与が保証される。
これだけ見ると夢のような国。
一方で国民の負担は大きい。
消費税は食品含め25%。
所得税は40〜60%。
(累進税率で一定以上の所得は上がる)
そして物価の高さに驚いた。
福祉の国と言われるけど
実際住んでいる人はどうなのか?
前回に引き続きピーターソンさん(仮名)一家
アナさん(仮名)とクリスさん(仮名)に聞いてみた。
今日は何時まで仕事だったんですか?
クリス「僕は16時まででその後
趣味のフットボールをしに行ったんだ」
アナ「私は15時まででエリス(お子さん)
を見ながら家でリペアをしていたの」
それって一般的なんですか?
残業は?
クリス「仕事にもよるけどそんなもんだね。
残業はほとんどしないね。
残業すると上から文句言われるよ。
残業代出さないといけないからね。
その代わり早く帰りたいから
ランチの時間は10分くらいだよ」
帰る時間もコントロールできるんですか?
クリス「それも仕事によるけど
僕の場合早く済ませたら帰るよ。
いたずらに職場にいても意味ないしね。」
効率がいいですね。
休暇は長いんですか?
クリス「普通は5週間だね。
僕の場合は6週間取れるんだけど」
6週間!どうやって過ごすの?
クリス「家で過ごしたりスポーツをしたり
近場の他の国に行くこともあるよ。
でも日本はちょっと遠いかな。
行きたいけどお金がかかるからね。
ああ、京都が懐かしいよ!」
お金と言えば
物価の高さに驚きました。
それにデンマークの所得税って
給料の半分近くもあるんですよね。
実際税金って高くないですか?
クリス「確かに高いと思うよ。
だってお金あれば京都行けるもん!」
ふふ(笑)
すごく京都がお好きですね。
クリス「本当に素晴らしい場所だよ!
君も行くべきだね(笑)
税金が高い分安心感がある。
僕らはあまり貯金をしない。
その分体を壊したり歳を取った時に
みんなが助けてくれるんだ」
みんなというのは?政府ってこと?
クリス「国民のみんなだよ。
僕たちは社会で
支え合って生きている。
税金は自分のためだけでなく
誰かを支えるためだ。
政府って結局は国民のために
政治をする組織だ。
だから政府というより国民が助けてくれるんだよ」
なるほど。
だからデンマークの投票率って
8割を切ったことがないんですね。
アナ「政治って結局は暮らしでしょ。
みんなが興味を持つのは自然よ」
ひとしきり話をしてPM20:00
エレンちゃんが寝る時間というので
お部屋に戻った。
クリスさんが
「もしまだ話したいならあとでおいで!」
と言ってくれた。
でもまずは聞いた話を自分の中で
消化したいと思いお部屋でヒュッゲタイム。
22:00頃バスルームを借りに行くと
クリスさんはスポーツ動画を楽しんでいた。
アナさんはお部屋でのんびり過ごしているそう。
嫁氏はやはり眠れず窓辺で
外を見ながら聞いた話を考えていた。
話を聞いてデンマーク人の中には
「共に生きる」という意識があると感じた。
決して楽ではない税金を納めるのは
隣のおじいちゃんが困ったら助けるため。
子供達がやりたいことを実現し
将来国に貢献できるようにするため。
だから政府=国民であり
信頼度も高い。
透明性を高め不正をしないように
みんなが政治に参加しチェックする。
日本で同じような福祉が
できるだろうか?
難しいと思う。
少なくとも今のままでは。
そもそも高い税金で福祉を充実させるには
政府への信頼度の高さが前提条件。
信頼できない人にお金を預けられないし
義務と言われても不満でいっぱいになるだろう。
それに歴史や風土も全然違う。
デンマークはとても小さい国で人口も少ない。
小さな場所で助け合いながら
生きていくという雰囲気を感じる。
一方人口減少といっても日本は
デンマークの約25倍の人口。
今の状況でデンマークと同じ
ことをしても難しいと思う。
「共に生きる」と言っても
外国人は当てはまらない場合も。
そしてデンマークの政治にみんなが
同意しているわけではない。
例えば最近デンマークの移民をめぐる
事情が大きく変わってきている。
移民による犯罪率を減らすために
難民を隔離する方針を打ち出した。
これにはデンマークの人権団体も
抗議したそうだ。
人を「不要」っていうのは疑問。
ただ安易な移民受け入れは
どうかとも嫁氏は思う。
イタリアでも何度か犯罪に直面しかけた。
でも移民が悪いのでなく
言葉や仕事が壁となり貧困を生み
それが犯罪に繋がるのだと思う。
日本でも人口減少から受け入れ案が出ているが
受け入れ態勢を整えなければ
ドイツやイタリアと同じ状況になる。
デンマークの福祉システムは
確かに素晴らしいと思った。
だけどデンマークの歴史や風土は
日本と違うからそのままは難しい。
でも彼らから学ぶことはある。
①意見を言える空気感を作る
まずは政治や暮らしに関心を持ち
声を上げることだ。
よく若者の投票率が低いと言われる。
でも関心がないとは言いきれない。
実際SNS上では社会のシステムや
政治に意見を表明する人は多い。
だけどネット上でなくリアルな
世界ではどうだろう?
残念ながら出る杭は打たれるというように
意見を表明すると叩かれる風潮がある。
意見=その人の全てではないし
人と違う意見でも「敵」でなない。
でも意見が違うと不快感を
示される場合が多々ある。
それでは議論は成熟しないし
暮らしをよくする意見は政治に届かない。
だから意見を述べやすい空気感が必要。
そして誰かがやってくれるではなく
自分の意見を持ち
自立して行動すること。
そのためにはやはり教育だ。
対話や考えさせる機会
違う意見を受け入れる訓練
が必要だと感じた。
「子どもは未来の宝物」と考え大事に育てる
デンマークの教育制度からは学ぶ部分が多い。
②住まう人を大切に
もう一つは人を大事にすること。
過労死で大事な命を落とす人。
働きたくても働けないお母さん。
帰りが遅くてお子さんに
会えないお父さん。
みんなが自分自身や家族との時間を
大事にできる余裕が必要。
人口減少で働き手がいないから移民を
と言う前に今いる人を大事にすべきだ。
今回ピーターソンさん夫妻に話を聞いて
「安心」「信用」は暮らしに大切だと感じた。
日本とデンマーク。
似ているところも違うところもある。
デンマークと全く同じことは無理でも
学ぶことは多いと感じた。
日本は他者のいいところを取り入れ
発展させてきた側面もある。
技術もそうだし家具もそうだ。
ピーターソンさんから聞いた話を伝えることで
暮らしを考えるきっかけになればいいなと思う。
皆さんが自分や家族を大事にして
安心できる暮らしができますように。
さてまだまだ続くデンマークの旅。
次は古い家具と雑貨を愛でに行こう!
と思ったら無理だったという話。
日本でもちょっぴり話題の場所が出てくるよ。
☆続く↓