「MS家さんお届けものでーす!」
はーい!
ベアちゃん「うわあ!なにかしらこれ!」
おお!これはクリムト展のお土産!
東京都美術館でやってるあれだよ!
MS家は遠くて行けないから
友達のiさんが送ってきてくれたんだ。
本物の1/12の『ユディト』。
ベア「ポストカードやしおりや
図版とかいっぱい!」
ポニ「ワクワクさんが好きなクッキーまで!」
iさんありがとう!
ベア「クリムトと言えばMS家の寝室に
イケアの『水蛇』あるっすね!」
そうそう。
ここのテーマはアンティーク。
アクセントカラーに金色を
ちょこちょこ入れている。
金色の使い方はクリムトが
教えてくれたんだ。
クリムトの作品は日本でも
すごく人気がある。
例えばとても有名なのが『接吻』
いろんなグッズにもなっている。
スマホケースとか
マグカップとか。
それから『アデーレ・ブロッホバウワーの肖像』
これは映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』にもなった。
そんなクリムトさんはこんな人。
ゆるっとした服を着た
なんだか可愛らしいおじちゃん。
実はこの服装はおじちゃんの
考え方と深ーく関わっている。
19-20世紀にウィーンで
活躍した画家さん。
(ウィーン旅行より)
彼はこんなことを言っている。
「私について知りたい人は(…)
私の絵を注意深く観察するべきであり
そして私が誰で私が何をしたいかを
その作品から理解しようと試みるべきなのです」
おじちゃんの研究はだいぶされているけど
それは専門家の人に任せよう。
ここでは嫁氏がおじちゃんの作品から
感じ取った特徴を挙げてみる。
①伝統に勝負!
おじちゃんは型破りな人だ。
例えば今この『接吻』
二人が愛し合う様子は
少女漫画のように胸キュン。
今は人間同士の「愛」は
自由に描かれる。
だけどクリムトの前は
愛というと神話の愛だった。
だから当時おじちゃんの絵って
すごく衝撃的だったらしい。
他の作品もそう。
頼まれて書いた絵を
「赤裸々すぎぃ!!」
って言われてしまう。
そんな保守的で頭カチカチの空気感を
変えようとしたのがおじちゃんだ。
それは絵にとどまらず服装も。
おじちゃんはスモックを着ている。
おじちゃんは女性が大好きで
何人かいた彼女のうちの一人は
洋服のデザイナー。
彼女もまた窮屈なコルセットでなく
ゆるっとした服をデザイン。
彼らは伝統から解放され
自由を目指した。
②女性が美しい
おじちゃんは何人も彼女がいた。
彼女たちがどう思ってたかは知らないけど
嫁氏が当事者なら絶対嫌だ…
でも女性が好きだったんだろうね。
どの絵の女性も皆美しい。
『ユディト』は敵の首を切り取って
恍惚の表情を浮かべている。
旧約聖書のお話が元だけど
普通ならホラー。
(クラナッハさんのユディトはダイレクト!)
だけどおじちゃんの手にかかると
ものすごい美人さんで彼女がメイン。
たとえ生首持ってても
ひざまづきたくなる。
③生と死。だから生きる歓び
おじちゃんの絵は一見すると華やか。
だけどよく見るとどこか暗さがある。
それはおじちゃんが活躍した当時
戦争もあり世紀の節目だったのもある。
この『生と死』なんかもろにそう。
死は怖いし悲しい。
だけど死があるから生きていることは
有難いし喜びがある。
だから退廃的で怖さもあるけど
なんだか惹かれてしまう。
ぶっ飛んでる人だけど
作品は惚れ惚れして凝視してしまう。
それは
ゴールドの効果も大きい。
おじちゃんの絵の有名なものを
見るとゴールドが特徴的。
もちろんそれだけではなく
こんな作品も描いているし
風景画も書いている。
それでもクリムトおじちゃんと
言えばやはりゴールドが印象深い。
お父さんや兄弟が金銀細工の職人
だったことも影響している。
そして東洋美術の収集家でもあったので
エジプトや日本の影響も見られる。
絵の中にも額縁の部分にも。
ちなみにこの『ユディト』の額縁は
弟さんが作ったものだそうだ。
金色は豪華で印象的。
だけど一歩間違うと野暮ったい。
でもおじちゃんは上手に金を取り入れ
それが作品をより良いものにしている。
例えばおじちゃんは同じ金でも
いろんな色を使い分けている。
暗めの金、明るい金。
「接吻」は背景も金なのに色が抑えめ。
ギラギラしていない。
優しさを感じる。
一方体の部分の金はきらびやか。
愛し合う二人を強調し愛の美しさを感じる。
嫁氏はおじちゃんに出会うまで
金というと野暮ったいものだった。
(ウィーン旅行にて)
権力
富
豪華
華々しい
そんな感じ。
だから好みのインテリアではない
と思っていた。
でもおじちゃんの作品を見るうちに思った。
金もいろいろな使い方があること
使い方で優しさや暖かさも生まれること
だから家づくりでアンティークな
寝室に取り入れた。
ロートレックの額縁とサンバースト時計
に暗めの金。
退廃的な絵に少し温かみを加える。
こっちのロートレックにも金。
横に暗いドライを置いたから
バランスを取るために華やかさを。
明るさや組み合わせで
野暮ったくならない。
優しさや暖かさが加わり
ドライや退廃的な絵が浮かずに
部屋に馴染んでくれる。
色を取り入れる時は
躊躇することがある。
鮮やか過ぎたら浮いちゃわないか?
ギラギラしてしまわないか?
でも明るさを変えて取り入れると
返ってお部屋がより良くなる。
おじちゃんの作品は絵のメッセージ
だけでなく色について教えてくれました。
おじちゃんありがとう。
ちなみに今頂いたポストカードを
飾るために額縁をDIY中。
どんな風になるかお楽しみ。
いつできるかなあ。
☆追記:こんな風にできた!
金色の使い方も明るさやバランスだね
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