前回は嫁氏の蛇口への暑苦しい思いを
聞いていただき有難うございました。
ベア「キッチンの話題になると
ここが好きって言ってくれる人が多い!」
嬉しいよね。
ただ一方でキッチンの話題になると
こんな相談を度々いただく。
インダストリアルなキッチンいいですね。
なのにどうしてダサくないんですか?
お部屋を男前にしたら
安っぽくなりました…
どうしたらいいですか?
ポニ「インダストリアルってダサいの?
って言うか男前と違うの?」
いやいやインダストリアルって
ダサくないよ!
もちろん好き嫌いはあるけどね。
でもgoogleで「男前インテリア」
と入れるとこんな検索が上位に上がる…
それは何故なのか?
そしてダサくなくするには
どうしたらいいのか?
それはものとの付き合い方
を変えるべきだと思うんだ。
オタクが語る今更インテリア話第4弾。
↓第一弾
↓第二弾
↓第三弾
今回はインダストリアルインテリア
に迫ってみよう。
インダストリアルインテリアというと
打ちっ放しの壁とか
むき出し配管の部屋を
想像するかもしれない。
でもまずスタートは空間やインテリアより
「インダストリアルデザイン」からだった。
インダストリアルって工業っていう意味。
昔々手作業で作っていたものを
機械も導入して作られるようになった。
20世紀ヨーロッパでは
バウハウスや北欧モダンのように
機械と工芸を融合する流れが生まれた。
買いやすくて品質の高いものを
みんなが手に入れられるようにと。
だけどアメリカでは違った。
1920年代に利益を重視した
大量生産大量消費の流れが生まれる。
そこで「インダストリアルデザイン」
という言葉が誕生する。
この時代のインダストリアルデザインは
特徴的で面白い。
例えばこれは鉛筆削り。
※ただこれは当時大量製品化されなかったが。
それまでと違ってシンプルな
見た目は大衆に受けた。
そして大衆が喜ぶものを作った。
でも見た目をどうこうすることが多く
使いやすさや中身はまだまだだった。
そこでミッドセンチュリーの時代。
見た目だけでなくいいものを
買える値段でという流れが生まれていく。
ミッドセンチュリー前もレンガや配管の
空間が住居として使われなかったわけじゃない。
ただ空間をデザインするインテリア
というわけではなかったようだ。
じゃあなぜインダストリアルインテリアって
レンガやコンクリのイメージなの?
90年代ニューヨーク。
マンハッタンの高すぎる家賃を払えなくなった
アーティストたちが
隣のブルックリンへ移動。
そこには昔工場だった倉庫や古いアパートが
マンハッタンより安くで借りることができた。
彼らはむき出しの配管をうまく利用し
アトリエを作る。
レンガの壁を直すのでなく
そのまま家の壁に。
そこに置くのはシンプルで美しい
工業デザインの家具たち。
時にはリペアしカジュアルで気取らず
古いものを活用したスタイル。
本当に気に入ったものをものを選び
自分らしさがそこにある。
アーティストたちの感性とこだわり
が詰まったインテリアだ。
20年前のドラマをではキャリアウーマンが
「ブルックリン?ダサい!」と言っている。
Sex and the City エッセンシャルコレクション
でも10年前くらいから映画やドラマでは
ブルックリン=かっこいいイメージ。
ヴィンテージ感あるスタイルは
古いのに新しいものとして人気となる。
日本に入ってきたインダストリアルデザインを
日本の企業が「ブルックリンだ!」
と言い始めた。
ポニ「MS家のキッチンはレンガないよ!」
レンガはマストじゃないよ。
それに サビとか古木はないよね。
ただアイアンや金属を使い
色は黒や金属色、木材など抑えめで
基本的にはシンプルなものを置き
それでも多少生活感を出して
ゆるめにコーディネート。
そしてここに置かれているのは
全ていわゆる工業製品。
グリーンをあちこちに。
そう言う意味でインダストリアルなんだよ。
ベア「じゃお金をかけてシンプルなものを
たくさん集めればいんすね!」
そう言うことじゃない。
SNS見てると100均を上手に活用して
素敵に仕上げる人がいる。
戸建てとかマンションとか関係なく
賃貸で鼻血出そうなインダストリアル
作る人もいる。
じゃあそういう人と
自分の部屋をダサいと
思ってしまう人の
違いは何か?
それはものへの扱い方や
考え方の違いだと思う。
「男前」「ブルックリン」と言った
言葉は日本の企業によって広まった。
みんながイメージしやすい言葉は
日本での市民権を獲得。
100均やファストインテリアの
盛り上がりもあってたちまち定着。
DIYやリメイクが気軽に行える
風潮が生まれてきた。
その風潮自体はいいことだと思う。
インテリアはみんなが楽しめるものだ
と言う空気感ができたから。
ただずっとこのままでいいかと
言われるとそうではないと思う。
嫁氏は前にも述べたように
安いものが悪いとは思わない。
嫁氏も掃除用具やDIYの材料は
100均を度々利用する。
ただこれだけ選択肢がある現代なのに
安いもの=正義とする風潮を感じる。
本来ならもっと選択肢があっていい。
そしてご自分の部屋をダサいと言われて
相談をくださる方の写真を拝見すると
大抵物が意図なく並んでいる。
嫁氏は本人が幸せならそれでいいと思うが
本人が嫌だと感じているなら問題だ。
100均やニトリを使っても
かっこいい部屋を作る方との違い
はここだと思う。
つまり本当に気に入ったものを
置く場所を予め考えて配置するということ。
やたらめったら買わない。
自分の作りたい部屋をイメージして
考えて買う。
日本の外を見渡すと
100円200円にぽんぽんお金を使わず
少しずつ貯めてお気に入りを買う国の
人もたくさんいる。
どちらがいいとか悪いとかではないけど
日本のゴミの量を見ると安いだけが
賞賛される風潮は少し変わるべきだ。
もちろん安いのがダメなのでなく
選択肢を増やすと言う意味だ。
じゃあインダストリアルを
かっこよく飾るにはどうしたらいいか?
まず本物を見ること。
本物は発祥の地アメリカの
vintage industrial interiorとか
industorial decor
を英語で検索するとわかる。
「ブルックリン」「男前」だと
日本に向けのみだ。
それだってお手本になるが
ぜひまず本物を知ってほしい。
そこでどんなものが使われるのか
どんな風においているのが
自分なりに観察する。
その上で何を置くのか焦らず選択する。
少しずつ集めていったものを飾る。
そうすれば自分自身も納得するし
「どうしよう!ダサい!」
なんてことは減っていくと思う。
そしたら捨てられる家具は減り
ゴミも減ってお金も貯まる。
平成はよく言えば皆が手軽にインテリアを
楽しめるような空気感ができた時代だった。
一方で物が溢れ安くて質の悪いものも生まれ
買い物に後悔する人が増えて時代でもあったと思う。
次は令和。
ものとの付き合い方を見つめ直し
あなたなりのスタイルを焦らず
作ってみませんか。
もしインダストリアルが好きなら
ものを直したり変化を楽しんだり
長く付き合えるお部屋作りを。
自分の部屋をダサいなんて思わず
堂々と好きって言える人が増えますように。
ベア「インダストリアルって個性豊かだね」
ポニ「変化を楽しめるのもいいな」
個性で変化と言えば
もっと個性的で未来を感じる
インテリアがあるよ!
それはまた次回のお話。
☆続き:第5弾はスペースエイジ