ただいまー!
ベア「僕らを置いてお出かけか…」
ポニ「いじけてやる…」
まあまあ二人とも。
お土産もあるからさ。
ベア「どこへ行ったの?」
ナウガ親分「兵庫県立美術館だゾォ」
ナウガver1「サヴィニャック展にいったんだよ」
サヴィニャック展を見て
インテリアの効果的な作り方も
学んできたよ。
ポニ「奇妙な絵…」
ベア「自分の頭を毛糸で編んでる!
だけどどこかユーモラス。」
この子の形状はシンプルなのに
体の毛糸感や右の毛糸はリアル。
女の子は一人でるんるんと
編み物をしている。
「ウット毛糸なら
一人で編めます」
毛糸のよさをアピールする
ポスターなんだ。
ポスターを描いたのは
レイモン・サヴィニャック。
日本のインテリア好きさんには
こういうポスターが有名。
あとサントリーのこの広告。
見たことある人もいるかも。
衝撃的で
ユーモアがあり
一枚の絵だけで
人に訴えるポスター。
ポスターの力で
パリに魔法をかけた
サヴィニャック。
そんなサヴィニャックの世界を
覗いて魔法をかけてもらおう。
親分「入り口についたゾォ!」
あ!なんかある!!
なんだろう…だんろっぷ?
サビニャックごっこだ!
元の絵はこれだね。
写真をとってインスタにあげると
ポストカードプレゼント…
よし!ワクワクさんGO!!
わーい!カードもらえたよ。
じゃあ展示室へGO!
入り口にはでっかい
子供の絵。
いろんなとこがサヴィニャってる!
ナウガくん!顔合ってない!!
じゃあ中に入って魔法を
見に行こう。
写真はここまで.
中ではメモを撮りながら
鑑賞したよ。
あとは画集を見ながら
嫁氏が味わった魔法を
お話ししよう。
若いサヴィニャックには
憧れの人がいた。
グラフィックデザイナーの
カッサンドルさん。
彼はポスターの世界で
活躍していた。
ポスターとはそもそも
一枚に伝えたい情報が
入っているもの。
彼の作品は明快で力強く
シンプル。
Normandie c.g. Transatlantique French Line
30年代に憧れの師匠と一緒に働いた
サヴィニャックは
「絶望した!
あまりに素晴らしく絶望した!」
と称するほど。
だから最初の頃は思いっきり
師匠の考え方に傾倒した作品。
(1933年)
でも師匠から離れ自身の経験から
次第にオリジナリティが生まれる。
それがユーモアだ。
例えばこれ。
「ブルーナを飲んで
温まろう」
白くまがビールを飲んだ途端
黒くまに変身していく!
体があったまったからだ。
飲めばポカポカというのを
白クマと黒クマという
クマの種類で表現。
見る人を「何だろう」と
釘付けにし意味がわかると
クスッとなる。
爆笑ではなく
スマイルにするマジック。
注意を引き印象付けるという
広告の役割を見事に果たしている。
サヴィニャックの絵は
シンプルというイメージだった。
でも広告だからよく見ると
製品はかなり細い。
それなのになぜシンプルという
印象を受けるのか?
それは人物の単純化に加え
色使い。
だいたい一つの絵で3色くらい。
3色以上合ってもトーンが似ている。
例えばこれ。
サヴィニャックの成功の発端となった
牛乳石鹸モンサヴォン。
石鹸の卵色
モンサヴォンの企業カラー紺色
最後にピンク。
それまで石鹸は「体を洗う
洗浄物」というイメージだった。
それを甘さや優しさを印象付け
石鹸=生活の質を上げるもの
という商品価値にあげようとした。
これが大成功。
「僕は41歳のときにモンサヴォンの
牛のお乳から生まれたんだ」
と自ら述べるくらい彼のその後の
制作活動を変える作品に。
色の持つ力を理解し
その効果を十分発揮させるための
色の限定。
限定することで
一枚で何を伝えたいのか
はっきり伝わってくる。
サヴィニャックの作品は
商業ポスターが多い。
広告では見る人を
消費行動に移し
商品に興味を持たせる
ことが求められると思う。
だからポスターを見て
「美味しそうだな」
「これを使えば幸せになる」
と感じてもらう必要がある。
サヴィニャックの
作品に出てくる
人たちは幸せそう。
例えばこれ。
日本でもおなじみオランジーナの
ポスター。
木にはオレンジの代わりに
オランジーナ。
オレンジの代わりに生えてくるくらい
オランジーナって果実感あるよって
ことだろう。
そしてそれを飲む男性は
とっても幸せそう。
見る人を幸せな気分にし
行動に移させる。
そんな魔法をかけてくれるのが
サヴィニャックの力だと思う。
展示会を全部見終わった後は
なんだか幸せで愉快で
足取りが軽い気分になった。
その日嫁氏は風邪気味で
正直しんどかった…
でも見終わるとニヤニヤ。
まるで魔法みたいだ。
見る人の気分を変える魔法だ。
またこの魔法は
お部屋作りにも使える魔法
だと思う。
まずお部屋の色使い。
3色までだと統一感があり
目指す方向性がわかる。
ユーモアの魔法。
シンプルなだけよりも
一緒にいてニヤリとする家具
クスッとなる小物
そういうものは人を
幸せにする。
笑顔で過ごす魔法。
これは強力。
一緒に住む人が笑顔だと
つられて笑顔になる。
すると暮らしを楽しめて
掃除もするようになる。
展示会で魔法をかけられたMS家は
思いっきりにやけながら
会場を後にしました。
そしてにやけついでに
お昼は調子に乗って
洋食屋さんへ。
肉食べた!
これ柔らかくて今まで
食べた中でピカイチ!
ベア「え、まさか…」
安心して!
熊肉じゃないから!
ビフカツね!牛さん!