嫁氏は職場に30分かけて
チャリ通勤。
実はもうすぐボロボロの軽自動車が
やってくるのですがそれまではチャリ。
ある日の朝。
チャリにまたがり勢いよく発進!
…がガシャーンとコケる。
どうやら前日強風で倒れたときに
チェーンが外れていた様子…
しかも全体が歪んだ…
近くにあったバイク屋さんに行くと
おっちゃんが「直したげるよ」と…
修理中おっちゃんと話しながら
部屋作りのことも考えました。
ポニ「どこまでもインテリアバカ!」
おっちゃんは話好きらしく
修理中いろいろ話してくれました。
最近の自転車は性能はいいけど
昔のものはもっと味があったと。
嫁氏共感。
レトロ好きなので盛り上がる。
「このチャリのライトはいい。
自転車に個性を出していて
ちょっとカブっぽいな」
「ただね…俺はこのライトの
スイッチのパーツが
気になる…
ここだけちょっと安っぽくて
あ、ごめんな。
全体がいいからこそ
気になるんだよ。
昔はパーツ一つ一つに
こだわりがあった。
日本の町工場で作っていて
パーツだけでも魅力もあるんだ。
でも今は
安いものへと流れてすぎて
ぱっと見よくても
細部を見るとな…
価値がわかっちまう。
細部こそ大事なのにな」
そんな話を聞いていると
家具や家も細部の力って
大きいよねと感じます。
Details are not the details.
They make the design.
細部とは単なる些細なことではない。
細部こそがデザインを作るのだ。
(チャールズ・イームズ ※訳・引用by嫁)
一般的にいうイームズチェアは
正確には「シェルチェア」と言います。
ハーマンミラー社のヴィンテージは
Shell=貝殻のように丸みがあります。
横から見ると背もたれとお尻に
微妙な角度がついていて
美しさを作っています。
でも見た目だけじゃない。
人間工学に基づいたこの椅子は
体にわりとフィットして
座り心地もよい。
(もちろん体格で違いが出る場合も)
今は正規の新品もヴィンテージも
値段が上がっています。
でもイームズさんが
シェルチェアを出したのは
「良質なものを
安くで
たくさんの人に」
という思いからでした。
それまでの家具というのは
量産型ではなく手作業が多かったので
普通の人には高すぎたのです。
イームズさんがシェルチェアを作ると
たちまち大ブレイク。
70年代80年代になると日本もバス停に
なんちゃってイームズが置かれました。
買える値段で多くの人が
座り心地の良い椅子を。
それは細部への飽くなき探求
があったからこそ実現しました。
細部へのこだわりは
座り心地と美しさを
生み出します。
MS家では19人の椅子さんがいますが
置いているだけで存在感。
それは微妙な角度、微妙な傾斜、素材
全てにこだわりが注がれているから。
嫁氏はリプロダクトに
反対ではありません。
好きならいいと思います。
↓MS家のリプロダクトへの考え
ただ最終的にリプロを置かないのは
そっくりさんは一見似ていても
全然違う印象になるから。
家にも細部は重要です。
MS家は窓台の色でも悩みました。
窓台とは窓と壁の境目のこれ。
MS家のリビングは白
寝室WICはウォルナット。
窓台を決めるには
・壁色
・巾木
・ドア枠
から一部屋ごとに考えました。
例えばリビングはグレーの珪藻土で
北欧ミッドセンチュリー。
↓MS家のリビング
窓台は巾木の色に合わせた方が
綺麗に見えます。
巾木とは壁と床の境目のこれ。
そして巾木はドア枠とも繋がってます。
だから白。
窓台も巾木もドア枠も
小さな部分。
そんな些細なと言われるでしょう。
でもずいぶん印象が変わります。
細部へのこだわりがあれば
ごちゃごちゃ手を加えなくても
それだけでしっくり感
が生まれてくるのです。
ただ一方で細部だけ見過ぎても
全体のバランスが悪くなります。
フラワーアレンジやお部屋作りでは
グリーンが大事と前に書きました。
先日アレンジメントをしたとき
ひどいことになりました…
グリーンばかりに固執し
花と花が密集…
グリーンがあっても重い感じ…
一方これは店長奥さんの作品。
全体に程よい隙間があり
花同士のバランスあり。
お部屋も
全体を見渡すことが大事。
アールニオおじいちゃんデザインの
ボールチェアのミニチュア。
↓おじいちゃんの愉快な話
曲線が美しく包み込まれるように
くつろげる椅子。
本物は100万円します。
FRPの素材感は近未来感があり
バリミ好きとして憧れます。
※バリミ=バリバリミッドセンチュリー
MS家のリビングに?
似合いません。
でかいんです。
高さ1200幅1100あります。
(あとそもそも買えない)
今リビングダイニングは
いい感じでゆとりがあります。
そこにこのボールチェアを置くと
使いづらい空間に…
いくら細部へのこだわりが
あっても全体のバランスを
忘れては細部は台無し。
↓家具の距離は大事だよって話
猫に小判
豚に真珠
MS家リビングにボールチェア
価値あるものを生かさないと
お金が無駄になるだけでなく
家づくりそのものが後悔となります。
だからもし気に入った家具を
家に迎え入れようと思ったら
「この子はうちの
どこに置くの?」
この言葉を思い浮かべてください。
いくら細部が美しくても
置く場所がない
部屋に合わないなら
待って考えるのも手です。
部屋作りをするときは
「細部へのこだわり」
「全体のバランス」
どちらも必要です。
皆さんがお部屋に合う家具を見つけ
後悔のない部屋作りができて
捨てる家具が減ればいいな
とMS家は願っています。
「高い椅子買ったのに
なんで…?」
そんなことになりませんように。
巨匠ミース・ファン・デル・ローエ
は言いました。
God is in the detail
神は細部に宿る。
神は細部に宿りますが
部屋作りにはまた全体を見る
神のような目も必要
だと思います。
ポニ「神の目ビーム!」
ベア「君、目がないじゃん!
それ耳でしょ。」