大大大巨匠フランク・ロイド・ライトの
名作照明タリアセン。
チェリー材でできたパーツが美しい!!!
そしてデカイ…
ベッドルームにはこのように2個並び
一階のリビングはこのタイプ。
まだ通電していないのでライトアップは
不可。夫氏が苦肉の策でスマホを置いてみる。
実際は光が上からだけでなく
反射板に当たっていろんな方向から
関節光がでてぼんやりと灯ります。
タリアセンという照明は
一般的にはこういうスタンドが人気。
小さいバージョンも。
でもMS家にはちょいと高い…
だから壁付けできるタイプを選択。
(壁付けでもいろんなことをあきらめてやっと…)
このタリアセン、デザインはライトさんですが
現在出回っている正規品は復刻版
リプロダクトもあります。
リプロダクトってなあに?という説明や
当ブログのリプロダクトについての考えはこちら↓
実はヤマギワという日本の照明会社だけが
「世界で君だけが復刻していいよ!」
とお墨付きをもらっている!
↓ヤマギワさん
だからといって前にも書いたように
現段階でタリアセンの意匠権は切れているので
リプロダクトも違法ではありません。
ただ、本家が「作っていいよ」と
オフィシャルにお願いするってすごいことです!
そんなタリアセンと
ものづくり日本についてのお話。
ライトさんは建築家。
ル・コルビジェや
前に書いたミース・ファンデルローエと並ぶ
「近代建築の巨匠」の一人。
MS家では尊敬の念を込めてフランキーと呼ぶ!
NYのグッゲンハイム美術館や
落水荘フォーリングウォーターで有名。
実は日本にもゆかりのある人物で
あの帝国ホテルも設計。
というのもフランキーは日本文化に興味があり
かなりの浮世絵収集家。
(メトロポリタン美術館での展示:フランロイドライトと浮世絵展PDF)
落水荘も葛飾北斎からインスパイアされたのでは!?
なんて言われいる。
そう考えると、このタリアセンに
和の要素が垣間見え、和室にも似合う気が。
本来はこれのこと。
ベア「なにこれ?!」
アメリカウィスコンシン州にあるフランキーの家!
なんと800エーカーの土地に自宅、
スタジオ、学校まで!!
クマのプーさんの森が100エーカーで
東京ドーム9個分だから
その8倍!
ベア「待って!前に紹介したLAのエニスハウスは?」
あれは設計であって自宅じゃないよ。
でもこれは自宅!
この中の劇場に1933年につけられたのが
このペンダントの照明「タリアセン」!
下に降りる直接の光と反射する光が
合わさって眩しすぎないけどやや明るい。
残念ながら火事で劇場は焼けちゃうが
そのあと改装されてできたのが置き型タリアセン2。
ただこれらは量産型でなく
フランキーが手がける建築物の中につけられたもの。
フランキーはタリアセンを取りつける時
建物の大きさによって照明の四角い部分の大きさを
いちいち変えていたそうだ!!
すごいこだわりだ。
そんな照明タリアセンを一般の人にも
買えるようにしたのが日本の照明の会社
ヤマギワさんだったのだ!!!
1980年代に入り、フランキーの死後
フランクロイド財団は考えた。
「よし、フランキーの考えたデザインを
世の中のみなさんに使ってもらって
彼の考え方を後世に残そうじゃないか!」
そこで復刻&ライセンスプロジェクトを始動!
彼のアイディアや技術を再現できそうな
企業を厳選しライセンス契約を結ぶ。
そして家具、装飾、オブジェなどを復刻
というプロジェクトだ。
これが実は超難関で、
そう簡単にライセンスは渡さない。
一分野一社のみ!!!
しかも、そのための調査というのは
まるでミ◯ュランみたいに極秘に行われたそうだ。
だから財団が
「ヤマギワさーん、あなたフランキーの照明
作って下さるかしらん?」
なんて打診あったときは
「は?なんのこととやら?」
とびっくりしたようだ。
ヤマギワさんの前身、ヤマギワ株式会社は
1923年創業(当時は山際電気商会)。
照明だけでなくガラスや金属、木材など
あらゆる素材を扱える技術力が評価されて選ばれたそうな。
(ヤマギワHP)
1992年にライセンスをゲットしたものの、
大変だったのが採寸。
財団から図面をもらったものの
「実物もちゃんと確かめておこう」と
全米各地で現存のタリアセンをいくつか測ったところ
全部サイズが違ったそうだ…
(つまり、フランキーの照明はオーダーメイド!)
正規ライセンスを本家からもらい、
しかも世界で唯一のライセンスだ。
ものすごいプレッシャーだっただろう。
そんな困難を乗り越えて1994年に
復刻タリアセンが販売。
以後、チェリー材だけでなく、
ブラックバージョンや
桐を使ったバージョンなど
(ヤマギワHPより)
世界唯一のタリアセンライセンス保持者
として作り続けている。
ベア「ヤマギワさん、がんばったね!」
ただ全てが順調だったわけではない…
残念ながらバブル崩壊後は業績悪化し
いくつかの事業を現エディオンや
ソフマップに譲渡している。
そして2008年のリーマンショックのあおりで
2011年には一度消滅…
産業再生機構の支援を受け、
現在はMARUWAの子会社化となって
東京や大阪にショールームを置いている。
yamagiwa osaka | ショップ & ショールーム|YAMAGIWA
詳しいことは知らないが、
会社が時代の流れを見抜けなかったこともあるだろうし
ユーザーがコストが低いものへと流れていったことも
あるだろう。
支援を受ける際には日本での建築環境に少なからず
貢献したことが評価されたそうだ。
嫁氏としてはヤマギワさんが復活しなかったら
タリアセンをMS家に招くことはできなかったのでありがたい。
ただ高い技術を持っていても
評価されても生き残れるとは限らないと
つくづく思った。
「売れるものをつくるのか」
「いいものを作って買ってもらうようにするか」
デザインや職人、伝統、経済
あらゆることを考えると非常に難しい問題だ。
ユーザーの意見だけを全て聞き入れると
過剰な機能や安さ重視だけのモノになることも。
一方、どんなに高い技術でも
どんなに素晴らしいものでも
ちゃんと中身が伝わらず、興味のない人が見ると
ただの高いだけのガラクタに見えることも。
伝統や高い技術を残していくためには
企業努力ももちろん大切だが
作り手が情報を発信していくと共に
ユーザーもモノの成り立ちやコストの中身
知っていくという相互の力が必要ではないか。
日々の食費予算ギリギリなMS家としては
30円のもやしより26円のもやしは有難い。
でもその4円の差はなんなのか?
企業努力か?
誰かの賃金が削られているのか?
はたまた作り手が涙を飲んでいるのか?
と答えのないことをぐるぐる考えつつも
日本の技術や伝統を残すために
問題意識を持つこと自体は
無駄じゃないと信じています。
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暮らし始めてタリアセンが使えるのは
もうちょっと。
一つ一つ考えたことは
決して無駄じゃないと信じて…
あと1日…
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