さてこれまで家の性能については
家を長持ちさせる観点から
家の快適さを考える観点から
記事を書きました。
今回は家の断熱性能にとって
大事な窓のお話。
なおこのブログは椅子フェチ家づくり素人が
書いています。
情報はプロから聞き取りしたメモや
国・民間のデータを辿って確認し
できるだけ間違わないよう
気をつけていますが
完璧じゃない点はご容赦ください。
あくまで「こういう話もありますよ」という
スタンスで書いた個人の意見です。
ご意見・アドバイスは大歓迎です♪
冬は暖かく夏は涼しい快適な
おうちづくりには
断熱材は大事!
でも窓も侮ってはいけない!!
実は家の中で
たくさん熱が出入りするのは窓!
冬の暖房時に窓から逃げる熱は58%
夏の冷房時に窓から入る熱は73%!
ベア「熱が出入りし放題だったら
電気代ももったいないってことだね!」
そのとーり!
じゃあ、どんな窓だったら
断熱性能があがるのか?
窓を構成するのは大きく分けるとこんな感じ。
①ガラス
②サッシ
これらのパーツを
それぞれ何を選ぶかで
断熱性能は大きく変わる!
①ガラス
ガラスは1枚のものより
複数の枚数の方が断熱性能が高い。
多いのだと5層なんてのも…
(これはさすがに地域によって要不要がある…)
表面に金属膜を加工して
反射で断熱性能をあげる
Low-eガラスなんてのも。
ガラス一枚しかない窓は
トタン一枚分くらいの断熱性だという話も!!!
日本ではペアガラス(二重ガラス)も
増えているけど、MS家仮住まいのように
1枚窓もまだまだいっぱい…
MS家は今トタンで防いでいるから寒いのか…
②サッシ
いろんな種類があるけれど
それぞれメリットデメリットあり。
・アルミサッシ
日本で一番普及しているサッシ。
一番手に入りやすく、樹脂より安い。
デメリットはアルミは熱を伝えやすいから
樹脂よりは断熱性能は期待できないこと。
・樹脂サッシ
最高の4つ星断熱性とデザインの樹脂窓「APW 330」 | YKK AP株式会社
樹脂はアルミと比べると熱伝導率は1/1000!
窓から逃げる熱量80%削減!
(引用:樹脂窓の性能|塩ビ工業・環境協会)
デメリットはアルミサッシより高い。
それから樹脂そのものは「紫外線に弱い」。
例えばMS家のコンポニビリは樹脂。
ヴィンテージだから日焼けした部分が黄色く変色。
白い枠の樹脂サッシだと変色の可能性も…
↓新品は真っ白
最近は樹脂サッシでも耐久性の取り組み
がなされているけれど、そういうのは高い…
・木製サッシ
無垢の木の内窓 MOKUサッシ | 内窓 | WOODONE
木もアルミに比べて熱が伝わりにくく、
アルミサッシや樹脂より断熱性が高い。
そして使うほど木製ならではの風合いも。
でも、木は自然のものだから腐食する可能性も!
そこで、定期的に塗装やメンテをする必要あり!
そしてアルミよりはもちろん高い…
・複合サッシ
アルミ+樹脂、アルミ+木製など
組み合わせたサッシ。
それぞれの欠点を補うことができる!
例えばMS家のサッシは外がアルミで中が樹脂。
外はアルミで紫外線の影響を受けにくく
中は樹脂によって断熱性能向上!
値段も樹脂だけのサッシよりは低め。
だけど樹脂や木製よりは断熱性は下がる…
材料だけで見ると熱伝導率(熱をいかに伝えるか)は
アルミがダントツ伝えまくっている!
(引用:日本経済新聞より 数値が低いほど熱は伝わらない)
MS家はLow-e2重ガラスで
サッシは複合(標準仕様)。
悩んだけれど予算の上限もあるので
これがMS家のできる最大!
日本の断熱性のは2020年の
新基準以降よくなっていくかもね
という話をしました。
現段階では窓についてはまだまだ…
例えば、世界が樹脂や木製に向かう中
日本はまだまだ…
アメリカでは約半分の州が
住宅でのアルミサッシを禁止。
イギリスでは熱の通りやすさを規制。
ちなみにU値というのは「熱貫流率」のこと。
1時間でどんだけ熱量を通すかを表し、
数字が低いほど熱の出入りが少ない!
世界のU値の最低基準はこんな感じ。
(引用 日本経済新聞)
ベア「日本は…?」
今の法律では
拘束力のある基準がない!!!
ベア「え?!」
そして上の表にもあったけど努力義務は
札幌はU値がまだ2.33だけど
東京に至っては4.63!!!
ベア「たっか!!フィンランドと
比べるとものすごい差!!」
日本の基準で見ると
一見高い性能に見える窓でも
世界と比べると全然…
(日本経済新聞の表を元に嫁氏作成)
ベア「比べるのが欧州の
寒いとこだからじゃない?」
ところがどっこい!!
お近くの韓国では
北部の最低基準が2.4
南部の最低基準が2.7
推奨基準に至っては1.6なのだ!!
それに前にも書いたけど、
断熱性能は「暖かさ」「寒さ」のためだけじゃない!
家を「長持ち」させるためにも大事!
性能の低い窓は結露発生!
結露は最終的に家の構造の腐食を招く!!
もちろん2020年からは
基準を満たさない家は建築不可!
さらに、2030年からはZEHを義務化予定。
(※ZEHが何かはgoogle先生に聞いてね★)
でもその時のU値のアルミサッシ
二重ガラスの最低基準は2.33以下!
他と比べるとまだまだのように感じるのだ…
日本の住宅は変わろうとしているけれど
まだまだいけるはず!日本!な状態。
もちろん、日本は地震大国と言われ、
これまで断熱云々より先に地震の対応が
必要だった面もある。
でも、そろそろ元「ものづくりの国」
として技術の高さや細やかさを生かし
みんなが手に入れられるレベルで
性能をあげてもいいのではと思う。
そのためには住宅への意識を
もっともっと変えていく必要も感じる。
だって、これは2010年の話だけれど、
ドイツでの「パッシブハウス・カンファレンス」という会議で
「日本の時世代
省エネ基準はこれや!
そしてこれは努力目標や!」
と発表したら各国から
失笑されたらしい…
(引用:パッシブハウスジャパンより)
そして前回2020年問題を書いたとき、
はてなブログや各SNSのコメントで
「知らなかった!」というご意見もいただいた…
(嫁氏も家づくり前は知らなかった!)
家づくりや大きなものを購入する時、
お客さんは最後の決断で迷うことがある。
そんなとき、営業や販売員さんの中には
「みなさんこれを選ばれてますよ!」
と言う方もいる。
でも果たしてそれはその人にとって
一番いい選択なのか…?
もちろん、お客さん側から
「みなさんどれを選ばれるんですか?」
と聞くことも。
でもお客さんは素人!
わからないことが多いのです!
そんな中で
「みんなが選んでいる」
と聞くと
「じゃあそうしとくか」
ってなっちゃう場合も…
サッシの場合もそう。
みんながアルミサッシを
選んでいるからといって
それを選んでいいものなのか…
もちろんアルミサッシはメリットもあり
予算の上限もあるから
最終的にそれを選ぶのはご家庭次第。
ただ、最終決定前に
いろんな選択肢を
知っとくことって大事!
よーく考えた上での決定なら
自分自身も納得する。
家づくりされるみなさん、
何か大きな決断をされるときには
ぜひよく調べてみてください。
情報はたくさん溢れているけれど、
必要な情報は
向こうからやってくる
とは限りません。
ここをきっかけに
「そういうこともあるんだ」
と思ってもらえたら嬉しいです。
住まう人皆さんが
後悔の少ない家づくり、部屋作りが
できますように。