本来は家具って
買う人が「正規品」「リプロダクト」など
いろんな選択肢の中から自ら考えて買うべきだと思う。
その結果優先度に応じて
高いものか安いものか
正規品かリプロかオリジナルか
選べばいいと思うのです。
ただ、悲しいことに
「本物」「オリジナル」「職人の作ったモノ」に触れる機会
って日本では減っている!
これは家具屋さんの数。
全国にある家具屋さんの数は約5600件(2014年現在)。
全国のコンビニ件数、約55000件の約1/10。
82年をピークにガンガン減少中!
嫁氏の住む地域でも家具やさんはどんどん減り、
この辺で家具を買うといえば「ニトリ」さんぐらい…
またはネット…
こんな状況で
一体どうやって家具の選択肢を増やせばいいのだ!
どうやって椅子に実際に座って買えばいいのだ!
どうやって家具のプロに使い方を相談すればいいんだ!
嫁氏はイケアやニトリを批判したいのではありません。
イケアやニトリは
「手頃な価格で納得して買ってもらう」
ことを一番に考えている立派な企業だと思います。
MS家のコートハンガーもニトリ。10才。
ただ、これだけモノに溢れ、選択肢が増えている世の中なのに、
その選択肢が偏っていることを残念に思うのです。
①大手への偏り
コンビニも昨年サークルKがファミマと統合しましたね。
大きな企業が強くなり、小さな企業が弱くなる。
そんな流れが強くなっている気がします。
嫁氏の住む地域も昔はもっと家具屋があったそうな。
でもどんどん減って、今は車を飛ばしてちょっと遠くまでいかないとありません。
ニトリさんは近い。
そして安くて手軽で便利。
でも、家具のことを相談できるかは疑問…
(うちの近くだけかもしれませんが)
もちろん、ニトリさんのお客さんは
店員さんにそこまで求めていないので当然。
企業だからコストを抑えた商品を作るため、
商品開発と製造に多くをかけます。
ただ、そういう大きな店ばかりが増える現実が悲しいのです。
②大都市への集中
嫁氏が好きな北欧家具や
ハーマンミラー
フリッツハンセン
カルテル
などの家具屋さんは主に大都市にあります。
ではこの辺の地域の人にどこで家具買うか聞くと
・ニトリ
・ネット
だいたいこの2択です…
これじゃ、選ぶモノ自体がない!
でもネットの世界ではなんでも手に入ります。
ただ前も書いたように、体に触れて毎日使うモノを
触り心地、座り心地を考えず、見た目だけで買うと
後悔します!
ときには健康を害することも!
MS家にあるものはほとんどネットやリサイクルショップで購入。
それは嫁氏がたまたま、家具やさんでちょっと働いたことがあるから。
なんとなく座り心地や質感がイメージできたからです。
そして、そういう「一生使いたい家具」はネットじゃないと
手に入らなかったのです…
地方在住者にとって
家具を選ぶ選択肢は絶望的な状況が続いています…
そして嫁氏に追い討ちをかけたのがこれ…
「インテイリアの悩み第1位 捨てられない」
え?「捨てられない」って、
家具って捨てること前提?!
そんなもの?
本気で泣く…Macが曇って見えない…
何度も言うが、嫁氏はファスト家具を否定したいわけじゃない。
家具にそんなにこだわりのない一般の人が
ファスト家具しか選択肢がなくなってきているのが悲しいのだ!
それはすなわち、子供たちにも影響する!
一つのモノを大切に大切に使うことの大切さ、
ものづくりに携わる職人やデザイナーの精神
そういうものを
本物に触れずして一体どうやって教えればいい?!
デザイナーがデザインした家具や
職人が作った家具
それを扱う家具屋が周りになかったら、
一体誰がその家具の成り立ちや素晴らしさを教えてくれる?
子供たちが職人が作った家具や思いの込められた家具に触れ、
「木ってあったかいんだね」
「このデスクは僕が小さい時から使ってるんだ」
「大きくなって家づくりするときは
実家みたいにイームズさんの椅子置くんだ!
よーしパパがんばっちゃうぞ☆」
なんて思ってくれたら嬉しいです。
子供たちが
心のこもったモノに出会うことをを心から祈ります…
〜今日の巨匠のお言葉〜
Charles Eames(チャールズ・イームズ)
"You have to teach children to have a genuine respect for a large number of events and objects which are not of immediate gain to them.
It is the only thing which puts a human being in a situation where they can promptly assess the next step."
"most significant learning comes from your own primary experiences."
「子供たちには教えなきゃならないことがあるよね。
世の中にはすぐには役に立たないような出来事やものごとがたくさんあるけど、
そういうものに対して心からの敬意を持つということだよ。
それは、人がこれから起こるできごとを瞬時に予想するための唯一の方法だ。
そして、最初の頃の経験から人は最も大切なことを学ぶのだ。」
(アリゾナ大学パンフレットより引用・訳by 嫁)