我が家の近所の世界遺産。
近所って言っても車で15分ぐらいですが…
この地域に引っ越して二年目。
ここに住むまでは
ウィーンの歴史地区に住んでいる人や
石見銀山の山の麓に住んでいる人を旅行で見ては
世界遺産に住むってどんな心境なんだろう?
なんて思ったものです。
でも、自分が住んでみると
後世に残って欲しいとは思うものの、
特に心境の変化はなし…
見るたびかっこいいとは思いますが。
この城の壁には日本建築の伝統的な素材「漆喰」が使われています。
漆喰自体はメソポタミア文明の遺跡から発掘があったように、日本だけのものではありませんが、
日本では縄文時代後期から漆喰が使われ、
仏閣の建築で壁の建築材料として使われ始め、
戦国時代以降は城郭にも使われるように。
日本だけのものじゃないけれど、日本の伝統建築に長い間使われて、
建物を守ってきた素晴らしい素材。
そういえば、新我がMS家の壁って漆喰だったよね?
夫氏「違う!珪藻土だよ!」
え?昨日、
なんて書いちゃったからうちはてっきり漆喰かと…
どう違うの?何が違うの?
ワクワク画伯「じゃあ小生が家づくりの壁の素材について説明してしんぜよう!
今回は素材特集②!
家の中の壁素材の特徴を知って上手に付き合おう!」
ワクワク画伯「壁素材で一般的なものは大きくわけて3つ!
<クロス系>
「ペラペラしてるけど人気者」
壁材として一番スタンダード。
とくい技:施工しやすい、デザイン豊富、値段の幅が広い(安いものからお高級なものまで)
弱点:化学接着剤を使う場合もある
→体にはよくない、ベリっといったら壁一面張り替え、数年で汚れ、10年前後が寿命
敵:湿気、粘着テープ、汚れ
↓以下クロスの仲間たち
①日本での普及率一番「ビニル」
日本の普及率No.1! 素早く施工!どっちかというと安い!
ビニルだから通気性は期待しないでくれ!
②ビニルには出せない質感に驚愕せよ!「紙」
欧米のクロスは紙が一般的。日本の和紙も捨てがたい!
最近はかっこいいクロスがいっぱい!
でも下処理に手間がかかるし、水・油はダメ絶対!
③ビニルのエンボスには出せない自然なゴージャス感「織物」
紙やビニルよりは強いこのゴージャス美女!
でもようするに「服」と同じだからシミは敵!
彼女の扱いは職人級じゃないと受け付けない!
④エコ系
やっぱり自然が一番。地球に優しい。
でも、ビニルや紙より高い。まだまだマイナーだから手間がかかる。
CO2をいっぱい吸って成長する植物「ケナフ」や
障子にも使われて、一年で成長する「月桃」は地球に負担をかけません「月桃紙」
<木材系>
「I am 木材系!大きすぎると空間を圧迫するけど、小さな面積で使えばいいアクセントになるよ♪」
とくい技・弱点・敵は無垢材と人工木材の特徴に直結する!
なお、木材については前回の素材特集を見てくれたまえ!
↓以下木材系野郎たち。
①ナチュラルな雰囲気は俺に任せてくれ!「無垢材」
この落ち着く色、自然のかほりは誰にも真似できない!
伸び縮みするから、湿気とメンテナンスについて知っといてくれ!
②合板に仮面をつけたあいつら!その正体は「特殊加工化粧板」
家具にも使われる彼らは、
合板に突き板(薄い板)をつけたやつと
プリントしたシートをつけたやつがいる!
無垢より施工が簡単でデザイン豊富、価格低し!
でも傷ついたら直しにくいよ!
<塗り壁系>
「ぬりかべ〜」
とくい技:クロスみたいな張り替えの必要なし、火や熱に強いものが多い、長生き
弱点:施工期間が長いから割高、職人不足、クラック(ひび)が入るものもある
敵:費用
①呼吸する美しき壁「漆喰」
原料は運動場のトラックの白い線と同じ石灰系。
糊やすさを混ぜて水でコネコネ…
空気中の二酸化炭素と反応してカチカチに。
防火性、調湿性ならまかせるでござる。
伸縮しないからクラック(亀裂)は多少入るよ。
小さいクラックなら自分でリペアはできるけどね。
②こっちはもっと調湿性あるよ!自然の空気清浄機「珪藻土」
バスマットでもおなじみ。
原料は藻の化石だ!なんども言う原料は「藻!!!」
漆喰とは原料が違うのだ!
そのままではボロボロなるからセメントや粘土を混ぜることもあるよ。
夏は湿気を吸い、冬は放出する調湿性は漆喰より高い!
他にも断熱性、消臭効果あり。
色を混ぜれば和風でも洋風でも似合うのだ。
クラックも味と思ってリペアしてたもーれ。
③和室壁の伝統的なスター!…だった「土壁」
調湿性、断熱性ならオラに任しとけ!
配合でザラザラにもサラサラにもなる。
ボロボロ剥がれるから画鋲はやめて!
最近減っているけど、オラのことも忘れないでね。
④その他
石灰系の漆喰よりハードな漢「ドロマイトプラスター」など。
プラスター塗のテクスチュア | 技術紹介 | 一般社団法人 日本左官業組合連合会
これ以外にも、キッチンやバスルームのタイル仕上げや
最近リノベでも注目されるモルタル仕上げ
もあるけれどそれを話すと字数がまたすごいことになるので今回は基本だけ。
ワクワク画伯「こんな感じで、壁素材にはそれぞれメリット・デメリットがある!
新築、リノベ、賃貸、どの家づくりでも、自分の家の壁とお付き合いする際にはよく特徴を知って大事に扱ってほしい。
いくら漆喰や珪藻土が長持ちすると言っても、
コーヒーなんかぶっかけたら水分吸って汚れるし、
湿気のことを全く考えないで過ごしたら壁紙の寿命はもっと短くなる!
特徴をちゃんと知って素材に応じたメンテナンスしてあげれば、長持ちする。
ちなみに手入れの方法は、壁紙や漆喰のメーカーによっても配合など違うから、
家づくりの担当者によーく確認してくれ!」
我が家の珪藻土はクラック入ったらどうするの?
ワクワク画伯「珪藻土の材料を水で溶いて、上からヌリヌリすれば OK!
よって嫁氏をリペア隊長に任命する!!!」
!!!ワクワク画伯は?
画伯「遠くから応援してます♪がんばれー Zzz…」
どうやら、嫁氏の「ストーブの前から動かない病」がうつったようです…