
あらゆるものに順位がつけられる。
しかしMS家はインテリア・
家づくりブログを運営する身。
よってこれに順位をつける。
「私の家具映画」
「家具映画」とは素敵な家具が
光っている映画のことである!(by嫁氏)
映画では登場人物のキャラクターや
場面の状況を表現するために
さまざまな家具映画が使われる。
効果的な場合もあればそうでない場合も。
ときにはその家具がなければ
その場面の表現が難しいというほどの
存在感がある家具の使い方もある。
家具と演出の素晴らしいコラボで
最高の映像が生み出されることも。
そんな家具が光り輝く映画を
これから紹介したい。
勝手につける今回のランキングの条件
今回のランキングには条件が2つある。
①家具の必然性
単に自分の好きな家具が出てきて
フィーバーしてはいけない。
例えば『ピッチパーフェクト2』には
アーロンチェアが登場するが
この場面を効果的に盛り上げているかは疑問。
のようにその家具が登場することで
場面や登場人物を効果的に表現するものでなければ。

②家具メインの話でないこと
ドキュメンタリー「ふたりのイームズ」
ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ特装版(初回限定生産)
「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」
こういった作品には
名作家具がたくさんでてくる。
でもそれはデザイナーや家具そのものに
焦点を当てた作品だから
そんなの家具もよく映るに決まっている。
そうではなくて
普通のアクション映画やSF映画の中で
さりげなく使われた家具が効果的かどうか
を判断したい。
それでは「私の家具映画ランキング」
行ってみよう。
第3位シャイニング
「このホテルには何かが存在する…」
このカーペットに見覚えのある人も
多いのではないだろうか。
『シャイニング』の舞台となっている
「オーバールック・ホテル」の
2階廊下のカーペットだ。
この色合いと規則的に並ぶ図形が
なんとも気味が悪く
これから起こることを予兆しているようだ。
あまりに象徴的なカーペットであるため
『トイ・ストーリー」のシドの家でもオマージュが。
『ミニオンズ』にもパロディとして
この柄のモチーフが登場。
「悪いことが起こる前兆」の場面で
効果的に使われている。
なんとこのカーペットに見せられたあまり
細かく解説していらっしゃるサイトまで。
オタクすぎて同じ匂いを感じる。
このカーペットがなぜこうも
気味悪いかについて解説してあるけど
「キューブリック論」まで発展して
濃すぎるので興味のある方はどうぞ(英語)。
そして、『シャイニング』の
こゆーいドキュメンタリー映画の
ジャケットがこのカーペット。
ここまで人を惹きつけて
トラウマさえ植え付けるような
カーペットはなかなかない。
ちなみにこのカーペットの
リプロダクト的なものを
扱っているお店もあるよう。
アマゾンではこの柄のヒモも扱いあり。
会社のIDカードにつけたら
気味悪がられること間違いなし。
(ピンサニティ) Pinsanity オーバールックホテルパターン
もしオーバールックホテルの
カーペットがこの色、柄でなく
単純に無地や白いものなら
ここまで象徴的なシーンに
はならなかっただろう。
よって三位。
第2位 MIB(メンインブラック)
「1500年前、人間は地球が宇宙の
真ん中だと思っていた。
500年前は地球は平らだと思っていた。
15分前お前は地球上には
人類しかいないと思っていた。
考えてみろ、明日何を知るか。」
ウィル・スミスが「オレ様」化する前の映画。
SF、アクション、コメディな娯楽映画。
この映画シリーズはまるで
ミッドセンチュリー家具
スペースエイジ家具の見本市である。
MIB本部ではチューリップチェア、ボールチェア、イームズチェア 、チューリップテーブル、スプートニクランプ、スワンチェアなどなどあらゆるミッドセンチュリー家具が登場。
本部のミッドセンチュリー家具の徹底さは半端なく
それ以外の家具は一つもないと言っていい。
なんなら本部の入り口の待合椅子も
アームシェルチェアHベースである。
本部のインテリアの配色が
「白」「黒」「メタル」に統一
されている点もポイントが高い。
この徹底主義により
MIB本部のSF感がより高められている。
家具の効果的使用で
映画への「オラワクワクすっぞ!」感促進
に大いに役立っている。
その徹底ぶりに脱帽し2位。
第1位 2001年宇宙の旅
「AE35ユニットに不具合を感知しました。
72時間後に完全に不能な状態になります。」
キューブリック巨匠の傑作。
最初から最後まで美しい映像美に
目を奪われるだけでなく
セットの道具や家具
小物の一つ一つが印象的。
かつキューブリックらしく
全てに意味をもたせているすごい映画
(どんな意味があるかはgoogle先生に聞いてね)。
中でも印象に残ったのが
オリヴィエ・ムルグの椅子『ジン』。
まるで人類を意味するかのような
血や染色体を表すかのような椅子が
真っ白な部屋に置かれている
私にとっての美しいトラウマシーンだ。
2位の『メン・イン・ブラック』は
「家具の量が多い」「徹底」という点で
家具映画として素晴らしい。
しかし、この『2001年宇宙の旅』は
最初から最後まで家具の一つ一つが
キューブリックからのメッセージ。
というのもキューブリックは
「サブリミナル効果」について
研究していたこともあった。
自身の作品にでてくるほとんどのものに
何らかの意味をもたせている。
それにより私たちは
この映画に自然と引き込まれ
本当に近未来を体験している気分に
させられる。
加えてこの『2001年宇宙の旅』は
「家具が効果的」であるだけでなく
「美しい」のだ。
この映画を最初に見たときは大学生。
今ほどインテリアに興味はなく
ただなんとなく見た。
それでもそのときに感じた
「なんだこの椅子は?!」
「こんなものが世の中にあったのか」
「でも綺麗だな」
という衝撃は忘れない。
そしてこの映画のせいで
「家具って面白いんだな」
とインテリア熱が上がり出し
次の日から
部屋の模様替えの鬼と化したことも忘れない。
私の椅子好きを目覚めさせる
きっかけを作ってくれた思い出の映画。
よって堂々の一位。
ぜひ皆さんも映画の中で
ストーリーとともに
出てくる家具や小物も見てみてください。
インテリアって使う人の気持ちや個性に影響し
影響されるので、きっと面白い発見があります。