我が家新居用のVitra社製ジョージネルソンデザインのボールクロックくん。
居ても立っても居られず、リビングに設置してしまいました。
意外とデカイ。
このクロックを買う前、ネルソンのデザインの経緯を知りたくていろいろ調べてたら衝撃的事実が判明。
なんと、ジョージネルソンはボールクロックの本当のデザイナーではない!?
諸説あるようですが、Product Designという本によると、
ある日ネルソン氏は友達とパーティをしていました。
やってきたメンバーは3人
①イサムノグチ
Isamu Noguchi: A Study of Space
インテリア好きには akari
コーヒーテーブルでおなじみですね。
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②バックミンスター・フラー(愛称バッキー)
シナジェティック・サーカス バックミンスター・フラーの直観の海
著書『宇宙船地球号操縦マニュアル』
トラス構造の特許取得で有名です。
③アーヴィン・ハーパー
ハーマンミラー のロゴをデザインした人ですね。
豪華なメンツ。
(すごいな。行ってみたい…)
散々飲んで酔って起きたら一枚の紙切れにこの時計のデザインが書いてあったそうです。
ネルソン曰く
「あのねー、これほんとおもろい話なんだけど、その夜はノグチがきてー、バッキーがきてー、アーヴィンが来たんだよ。
でね、ノグチが、彼ってほらいつも手をソワソワさせて落ち着きないじゃない?笑
で、その彼が僕らが新しい時計のデザイン案を出してるのを見てラクガキを始めたわけ。そんで、バッキーが「こいつは時計にもってこいだ!」なんっつって、みんなで押し合いへし合いしながら落書きしてみたり、ふざけあったりしてたんだよ。
そのうちみんなどっか行っちゃって、だってほら、疲れたし、飲みすぎてたから。
んで、翌朝戻ってきたらこの紙切れがあったわけさ。
アーヴィンとボクはその紙切れの中にボールクロックのデザインを見つけたんだ。
誰がこれを描いたかはわからない。ボクじゃないことは確かさ。
アーヴィンかもしれないけど、彼はそう思ってない。
ボクらとしてはノグチがやったんじゃないかなって思ってる。だって彼ってさ、こーいうバカをすることにかけては天才的だし。違うもの同士くっつけたり加えたりして普通じゃないもの作るの得意だし。
でもとにかく、事実は誰にもわからないんだ」
(英文引用 翻訳・嫁)
とのこと。
要するに天才たちが酔ってばか騒ぎして、起きたら誰が描いたか、わからないラクガキがあって、それがポールクロック ですよと。
すごいわ!しかも、’’I know it wasn’t me’’(ボクじゃないボクはやってない! )と認めてるし。
もし、ノグチやバッキーが「おれデザインだー!」って主張してたら「ノグチクロック」「フラークロック」なんて呼ばれてたかもしれない。
普通はこれだけ人気の商品なら「それは俺が作ったー!」「権利は俺のだー!」って問題になりそうだけど、誰が描いたわからないけど、面白いし、まあやってみたらいいんじゃねってゆるい感じが天才の余裕とユーモア溢れるエピソードですね。いやー、ネルソン好きだわ。
そんな大好きなネルソンさんの時計ですが、ちょっと設置がしにくい…
①時間が合わせにくい
時計の針を合わせる時って時計をおもて面にして合わせますよね。
ボールクロックって数字がないから裏のフックを手で触って上向きがどっちか確認しながら合わせます。
しかも合わせるためのネジが奥まってるから非常に回しづらい…
②長針が曲がりやすい
やっとこさ、時間を合わせ、壁にかけ、いいかんじー♪と眺めてたらなんと時間が進まない…
よくよく見ると、秒針が一回転するときに長針にあたって、アルミの「カーン」って音がしてる…
我が家のボールクロックは中古のため、やや針が曲がっていたようです。気を取り直して長針をくいっと押すと簡単に曲がりました。
これは今後取り扱いに気をつけないと。
不安要素はあるけれど、完璧じゃない、ゆるーい感じがネルソンの人柄も表しているようでそれもまた愛おしい。
何より、飾っているだけで楽しい気持ちになってくるネルソンクロック。
時間を見るたび、天才たちのクレイジーなパーティを想像してニヤニヤしてしまう。