自分の家好きだけどたまに
遠くに行きたくなる嫁氏です。
旅行ではメモを取っているので
それを見返すのも楽しい。
このコーナーでは昔の旅行を思い出し
暮らしの話をするシリーズ。
昔々ヨーロッパを回った時のお話。
今回はスペイン旅行から
日本での暮らしを考えてみた。
桜が綺麗なあの時のスペインへ。
何年も前に友人とスペインへ行きました。
目的は…特になかった。
ヨーロッパ周遊の旅で
スペイン滞在は一泊二日。
とりあえず街中には素敵な建物がいっぱい
らしいのでブラブラしたいなと思った。
大きな目的もない旅もいいではないか。
まずはおきまりのサグラダファミリア。
もはや建築機械も芸術の一部。
写真で見るのと近づいて見るのは全然違って
装飾の細かさにとにかく圧倒された。
そして意外とカラフル。
そういやMS家の上棟をしてくれた大工さんは
自分の家を10年以上いじり続けまだ完成しないそうだ。
いつまでも完成しなくても
それがまた楽しみになっていいのでは。
食べ物は甘かった。
まず、滞在先の朝ごはんのクロワッサンが甘い。
そしてスペインといえば
ホットチョコとチュロス。
ただこの組み合わせで頼んだことを
後悔した…
クリームの量が半端ない。
チョコが見えない。
この旅のお供のドリトスが恋しくなった。
だから翌日は素直にパエリアをいただく。
貧乏旅行のヨーロッパ周遊だったが
スペインは食べ物が割と安い。
パエリアセットは2人で1200円くらい。
そんな感じで有名どころを堪能したが
バルセロナのすごいところは
街並みそのものがアートだった。
バルセロナの街中では歩いているだけで
アート、芸術と遭遇する。
ガウディの有名なカサ・パトリョ
カタルーニャ音楽堂
カテドラル
ちょっと歩くだけで
歴史的に有名な建築物に遭遇。
でも比較的新しいアートも
街ではいっぱい遭遇する。
広場の床
道の真ん中
お店のドア
でっかい牛
広告さえもアートっぽい。
福笑いみたいなアイスもアートを感じさせる。
なんならコーラのデザインも。
この街にはいたるところが
アートで溢れている。
そのせいかはわからないけれど
陽気で楽しそうな人をいっぱい見かけた。
広場では老若男女問わず音楽でノリノリ!
(↓クリックで再生 音量注意)
一緒に混じって踊ってみた。
街の真ん中では演奏会も。
警官は足でリズムをとってノリノリ。
わんちゃんもノリノリ。
スペインの人はアートを楽しみ、
音楽を楽しみ
笑顔で楽しそうに見えた。
なぜなのか?
スペインは失業率が17.1%(2017年現在)
若者の失業率だけ見ると50%を超える。
日本でこんな状態が起きたら悲壮感漂いそうな数字…
たった数日の旅だったし
嫁氏はスペインの本当の生活を知らない。
でも、街にいる観光客以外の人を見ると
ニコニコしている人が多いように見えた。
だから宿泊先に戻って
管理人のちょいぽちゃな阿部寛似の
おじさんに聞いてみた。
(おじさんはずっとサッカー見て暇そうだった)
ちょい阿部セニョーラの話では
スペインの人は
「人生を楽しむために働く」そうだ。
スペイン人のシエスタは有名だ。
1時ごろから家でランチ、
そのあと5時ぐらいまでお昼寝や団欒のシエスタ。
最近は国際化や終業時間が遅くなる問題もあり
シエスタを短くしようという動きもあるが
それでも1日の全てを仕事に捧げるのでなく
自分や家族との時間を大切にしているのがわかる。
というのもスペインは
OECDの調査によると
ワークライフバランスが36ヵ国中2位。
(OECDホームページ・スペインについて<英語>)
これは労働時間と余暇の自分や家族のための
時間の割合によって出されている。
そして有給休暇取得率も高い。
ちょい阿部セニョーラおじさんいわく、
余暇や休暇を楽しむために仕事するので
仕事で降格されたりクビになったりしても
それで人生が終わるわけじゃないらしい。
「それでも若い人の2人に1人が
失業しているなんて不安じゃないの?」
って聞いたら
「だったら国外に出て行くさ。
実際スペインからはどんどん人材が
流出してるんだよHAHAHA!
好きなところにいって
自分らしく生きるのが一番さ!」
なんてブラックジョークをかましていた…
スペインでは失業率からくる
人材流失は大きな問題となっているとか。
でも、おじさんの言うスペイン人の
仕事への考え方や生き方は学ぶべき部分もある。
仕事に誇りを持って取り組むのは素晴らしいことだ。
でも今の日本では
「やりがい」搾取も起きている。
仕事の「やりがい」を
仕事への「長時間労働」
仕事へ「身を捧げる」
に無理やり置き換えた労働環境があり
大事な時間や人生を搾取しすぎている。
その結果
「仕事が全て」
「1日のうち大半が仕事」
「休みをとろうもんなら白い目で見られる」
「飲み会に付き合わないと陰口叩かれる」
こんな状況がまだまだある。
もっと
「人生を楽しむ」
「自分を大事にする」
「家族を大事にする」
そんな考えがあってもいいかもしれない。
もちろん、日本とスペインでは
国の成り立ちも政治も宗教も国民性も違う。
それにスペインだって
問題もたくさんあるだろう。
ただ、どんなに大変な状況でも
アートを楽しみ
ダンスを楽しみ
余暇を楽しむ
そんなスペインの人たちは
心が豊かに見えた。
おじさんの話を聞いて
そんなことを考えながら
見晴らしのよい高台を歩いてみた。
まだ肌寒いのに桜が咲いていた。
外で花を見て綺麗だと思ったのは久しぶりだった。
アートと桜とおじさんのおかげで
「花を見て綺麗だ」と
思う心を取り戻せた気がした。