ある保険屋さんに行った時
初対面だったのでいろいろ聞かれました。
その中で気になる言葉がありました。
「共働きですか?パートですか?」
夫氏「なんでそれが?!」
「共働き=二人とも正社員、パートはパート
パートは正社員と違う」
「パートはあくまでパート」なのかなって。
嫁氏はお金をもらう以上
パートだってお仕事だと思う…
ご夫婦正社員
パートでお子さんのお世話や介護
主婦(夫)で勉強しながら切り盛り
家庭によって事情が違うんだから
いろんな働き方の形があっていいはず。
でもまだ「正社員至上主義」が強いと感じるよ…
そんなことを考えていたら
フィンランドを思い出した
というわけで海外旅行から暮らしを考えるシリーズ!
今回はフィンランドで嫁氏専用サンタさんと
出会って日本の働き方を考えたって話だよ!
ベア「嫁氏専用サンタ…?意味不明!」
何年も前、友人とフィンランドへ行きました。
この前のイタリア旅行のルートの一つ。
フィンランド旅行の目的は2つ
①サンタに会う
②オーロラを見る
途中遭難しかけてもう終わりだとも思ったけど
旅の最後に嫁氏にとってのサンタに出会った。
ヘルシンキの街並みは美しく洗練されていた。
また街中に落書きが少なく、
短い横断歩道でも必ず信号を守っていて
穏やかさがある。
ムーミンもいっぱいいた。
友人が好きな『かもめ食堂』にも行った。
ただ物価は高い…
寿司4カンで1200円くらい…
魚より米を一粒一粒味わって食べた…
旅の2つの目的を達成するため
フィンランドの北「ロバニエミ」へ。
ヘルシンキから夜中の寝台列車で数時間。
飛行機で行く方法もあったけれど、
バックパッカーでドリトスが主食な
貧乏旅行だ。贅沢はできない。
寝台列車と言えど座ったまま寝る
という修行をこなし起きたら雪の世界が…
とりあえず「世界で最も北にあるマック」へGO!
味は普通…
お腹がふくれたところで旅に出よう!
①日本語ペラペラなサンタに会う
ロヴァニエミ中心地からサンタクロース村へは
バスで移動。
嫁氏は幼少時から
「空を飛べるサンタ」を
信じなかった。
人間が機械の助けなしで浮遊するのは
不可能だって言ったら友達が引いた…
ただフィンランドにサンタの格好をした
おっちゃんがいるのは知っていた。
「人に分け与える」という本来の
クリスマスの精神の象徴.
だからぜひ会いたかった。
いろんなクリスマス関連のディスプレイを得て
ついにその門の前に…!!!
サンタ税を徴収された。
サンタと写真を撮るのは
一枚5000円くらい…
慈善事業じゃないから当たり前だけど
割と高くてびっくりした。
そしてさらにびっくりしたのが
サンタは日本語ペラペラだった…
大阪に英語の先生として滞在したらしい。
サンタよ
そのこと子供には
言わないほうがいいぜ!
でもこの旅ではもう一人サンタがいた…
それは最後に。
②決死の覚悟でオーロラを見にいく
別の日にオーロラを見に行った。
(泊まったユースホステル)
本来はツアーがあってガイドさんが
見やすいポイントを教えてくれる。
でもドリトス片手に歩く貧乏旅行だ!
自力で行くしかない!
夕方見えるかもと聞いた雪山へ向かったが
ここが地獄の一丁目だった…
とりあえず見えるかもという
ポイントへずんずん歩く…
足場もなく獣道だけど小さな山だから大丈夫だろう…
あれ建物や人影が見えない…
ここはどこだー!!!!
数時間彷徨う…
寒い、暗い、このまま終わるのか…
と思った次の瞬間
目の前をスキーヤーが滑走していった…
そう、ここは
山ごとスキー場だったらしい!!
歩いているうちにスキーヤー用のホテルも…
疲れてオーロラはあきらめようと
旅路について帰り道…
友達が言った
「あれ、オーロラじゃない!!?」
見た目じゃわからない!!
でもファインダーを覗き込むと
うっすらとオーロラが!!
泣いた…生きててよかった…
別の日街中をうろついて一休みしていると
サンタ似の年齢不詳のおじちゃんが英語で話しかけてきた。
サンタじじい「Uは何しにフィンランドへ?
おじさん日本の漫画好きなんだよHOHOHO!」
海外では話しかけられるパターンは
道を聞くか、日本文化好きな人か
スリや詐欺のどれかだが
気さくなおっちゃんだから世間話をした。
暇そうなおじさんからフィンランドの暮らしや
娘さんのオランダでの暮らしを聞いた。
物価高いねーって話ししたら
だいたい家で自炊だよ!
自炊なら暮らしにくくはないよってこととか
実は教育のIT化がすごく進んでいて
中学生はiPadを全員に無料普及
させるんだよーとか。
働き方も興味深かった。
ヨーロッパは休暇が長いイメージ。
フィンランドの学校の先生は2ヶ月休みがあるそう。
ただ夫婦ともフルタイムで働く人が多いそうな。
理由は税金の高さ。
学校は給食も学費も文具代まで無料だけど
その分消費税や所得税は20%以上ある。
ただ日本と違うのは「効率的に働く人」が評価され
残業する人はあまりいないとか。
4時に帰る人もいるし遅くてもだいたい6時には
家にいるらしい(おじちゃんの話では)。
おじちゃんの娘はオランダへ。
そこでは打って変わって
オランダ人の半分以上がパートタイマー。
「パートだから地位はあくまで補助」ではなく
「仕事内容、賃金は同じ、あくまで時間の違い」
がオランダのパートタイマーの定義だそうだ。
オランダは豊かでキリスト教の価値観が強いから
国から家庭への補助が大きかった。
だからお母さんは家で子育てや家事。
でも80年代国が女性の労働力を活用しよう
といわゆる「同一労働同一賃金」の制度を開始。
フルタイムを望む人は半分もいないらしい。
娘さんもパートタイムで子育てしつつ
趣味の美術館巡りを楽しんでいると言っていた。
日本との働き方のあまりの違いに驚いた。
日本のことを話したらおじさんも驚いていた。
嫁氏はおじさんとの出会いで
「快適な暮らしってなんだろう」
と考えるようになった。
なんのために働くのか
なんのために生活をするのか
みんなそれぞれ求めるものは違うけど
自分なりの幸せのためじゃないかと思う。
日本では自分の時間を持ちたくても持てない人
家族と過ごしたくても過ごせない人がいっぱい。
長時間労働もその一つの原因。
長時間会社にいて会社に貢献することをよしとした。
もちろんオランダ、フィンランドと日本は
歴史やバックグラウンドに大きな違いがある。
でも変わることも必要だ。
だって長時間労働のせいで
亡くなった人や悲しむ家族がいる。
今の働き方はきっと限界にきていると思う。
もっといろんな働き方が
あってもいいんじゃないか。
正社員がだめパートがだめとか
社会の「こうあるべき」を
そろそろ崩してもいいんじゃないか。
正社員が全てではない。
パートだっていいじゃないか。
贅沢はできないかもしれないけれど
家族との時間、自分の時間はできる。
いろんな生き方や
働き方を認められる社会に
なってほしい。
学校で死に物狂いで働いて
仕事に熱中するのがいいことと勘違いし
前夫と離婚した嫁は自分のことを反省し
おじさんとの出会いでそう思うようになった。
視野を広げて新しい価値観の
ギフトをくれたおじさんは
嫁氏にとってのサンタさんだった。